ここ最近はミシュランタイヤがお気に入りで、2シーズン半で5種類のタイヤを使ってきた。
それぞれのタイヤの特徴も素人ライダーの48Rでも色々と体感できたので、今回の記事はミシュランタイヤをレビューします。
ミシュランMTBタイヤレビュー
ワイルドエンデューロ フロント&リア
■フロントパターン
大きめのノブが地面に突き刺さるようなタイヤ。
■リアパターン
リアは転がりの良さを狙ってセンターノブが小さく低い。
↑横から見ると、センターノブの低さがわかりやすい。
サイドノブが高めでコーナリング時にノブが土に突き刺さるようなグリップ感が秀逸。グリップは高いが、急に抜けるような挙動もなく、フロントが滑ってもけっこうリカバリーできたりコントロール性も良い。
一方でケーシングは弱めで低内圧で使うとちょっとヨレ感があるし、一度リム打ちしてサイドカットパンクしてしまった。剛性感を出したくて内圧高めにすると乗り心地が硬くなるので、インサートを使って低内圧運用が良かった(リム打ちサイドカットの対策にもなる)。
タイヤも前後1000g前後でそれほど重くなく、転がりも良いので登りもOK。
一方でデメリットとしては、リアの縦のグリップが弱い。ふじてんや岩岳などハードブレーキングをしないところでは調子良いのだが、富士見パノラマのような傾斜が急でブレーキを多用するコースでは簡単にリアがロックする。
総評としては、サイドノブのグリップと転がりの良さで自走トレイルやフローなゲレンデに向いているタイヤ。
ワイルドエンデューロ レーシング フロント&リア
先ほどのワイルドエンデューロの上位版、「レーシング」と銘打たれたタイヤである。
サイドウォールのロゴがミシュランのコーポレートカラーである青/黄になってカッコ良い!
■フロントパターン
■リアパターン
ノブの配置はさきほどのワイルドエンデューロと同じ。
非レーシングワイルドエンデューロに比べタイヤの剛性感がかなり上がっており、低内圧で使ってもタイヤがしっかりしているし、低内圧で使えるからグリップも良くギャップ吸収性も良い。グリップだけ考えたら「レーシング」のほうがワンランク上のタイヤといえる。また、リア専用パターンのおかげでハイグリップなのにそこそこ転がってくれる。
セミウェットからドライまでオールマイティに使えるタイヤである。
ただ、全体的なグリップが上がったとはいえ、リアの縦のグリップが弱めになるグリップバランスは同じなので、やはり斜度のあるコースに行くと後輪はロックしやすい(非レーシングよりグリップ良い分ペースは上がっているが)。また、タイヤもかなり重めなので、登りには向いてない。
総評としては、タイヤがしっかりしておりグリップも良くそこそこ転がって、ゲレンデを気持ちよく走れるタイヤ。ハードなダウンヒルコース意外はどこでもOKだが、タイヤが重いので登りはしんどい。
ワイルドエンデューロ レーシング フロント用を前後に装着
ワイルドエンデューロはフロント用/リア用で装着するとグリップバランス的にリアの縦のグリップが弱いので、リアにもワイルドエンデューロ レーシング フロント用を装着。
これは狙い通り弱かったリアの縦グリップが改善。いままでは後輪がロックしやすかったのだが、ちゃんとリアが引っ張って減速してくれるのでスピードコントロールしやすいしフロントブレーキの負担も減らすことができた。斜度のあるコースではこの組み合わせが断然良い。
剛性感もあって、下り性能は抜群。
とはいえ、わかっていたけど転がりが悪い!岩岳のアルプスDHコースは斜度がゆるくてプッシュするコブもないだらだらした区間がちょくちょくあるのだが、トレインしていると前走者が離れていく、、
タイヤの印象としてはグリップするけど転がりは悪く、ほぼDHタイヤという感じ。
総評としては、グリップ抜群でDHタイヤ並に攻めれるが、転がりや登り性能は犠牲にしている。斜度のあるダウンヒルコース向けの組み合わせで、フロートレイルやジャンプラインならリアは転がりの良い ワイルドエンデューロ リアにしたい。
(グリップ重視するなら、素直にDHタイヤにしたほうが良いかもね)
ワイルドエンデューロ レーシングフロント & DH22(リアに装着)
リアにミシュランの定番DHタイヤであるDH22を装着(フロントはワイルドエンデューロ レーシング フロント用)。
今時珍しいワイヤービードのヘビー級タイヤ。
その分タイヤの剛性は高くて、140kPaでもヨレないし低内圧だからギャップもしっとり吸収するし接地面積も多く取れてグリップ抜群。食うラバーと重いケーシングでしっかり路面を捉える絶大な安心感で、木の根や岩も他のミシュランタイヤより安心感がある。ウェットからハードパックまで、どこでもそつなく使える。良すぎなので、フロントもDH22にしたいくらい。
DHタイヤなので転がりは一番悪いが、転がり以外は全く不満がない。ミシュラン使う前に使用していたシュワルベマジックマリー スーパーグラビティ(シュワルベのオールラウンドDHタイヤ)の上位互換という感じ。
ただ、新品タイヤを下ろしてしばらくはめちゃくちゃ良く感じたのだが、一冬越すとコンパウンドが固くなり、WETでめちゃくちゃ滑るようになった(WETの岩岳のをトレインしてたら、皆と同じスピードで走っているのに48Rのリアだけ右に左に滑りまくってた)。ダウンヒルレース用コンパウンドなので、劣化も早い?タイヤもクラックだらけ。乗る頻度高く3ヶ月以内くらいでタイヤを履き替える人向きかもしれない。
また、ワイヤービードかつケーシング剛性があるので、mインサート入れて組むのがめちゃくちゃ大変。48RはCUSHCOREを入れて組むことが出来なかった。。。(タイヤ剛性はしっかりしているので、今はクロカン用の薄いインサートだけ入れている。重いインサートは必要ないかな?)
ちなみに、2024年からケブラービード版も販売されてたので、今買うのならコチラが良いと思う。
総評としては、剛性感としっかり路面を捉えるラバーとノブで、これぞDHタイヤという感じ。富士見パノラマのようなDHゲレンデならこれでしょう(パノラマなら前後ともDH22にしたい)
レースでも活躍しているミシュランMTBタイヤ
ミシュランのMTBタイヤは使っているチームは少ないながら、世界戦でも活躍。
NUKEPROOFのEWSファクトリーチームはフロントにワイルドエンデューロ レーシングフロント リアにDH22を使っていたりする。
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MS INTENSEチームは前後DH22が基本(ペダリングが多いコースではRrにワイルドエンデューロを使うこともあるそう)。
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INTENSE M1めちゃくちゃかっこいいよね。
ミシュランって昔はF1やってたし、MotoGPのワンメイクタイヤサプライヤーなので、技術力は抜群だと思っている。
そんなメーカーのタイヤだから、悪いはずはない!と思ってます(サンデーマウンテンバイカーなので、こういうイメージも大事)。
ミシュランMTBタイヤレビューまとめ
高性能かつ色々なキャラクターのタイヤを揃えているミシュランMTBタイヤ。
グリップを重視するなら
DH22 > ワイルドエンデューロ レーシング > ワイルドエンデューロ
という感じだが、転がりはや登り性能は逆になるので、自分の行くフィールドに合わせて選べば良いかと思う。
また、リア専用パターンはセンターのブレーキングのグリップと引き換えに転がりは良くなるので、フロートレイルやジャンプラインではリアパターンを履くのもあり。
タイヤのラインナップが多く(まだまだ履いてない下り系タイヤもたくさんある)色々なニーズに合わせたタイヤチョイスができるのがミシュランタイヤの魅力だと思う。
この2シーズン半でミシュランの中で人気のあるタイヤは大体履いたので、次は別メーカーに浮気してみます。