デフには内部の気圧が高まらないように走行で暖まった空気を逃すブリーザーバルブが備わっているが、デフまで水没するとデフが冷えて内部負圧になり、バルブから逆に水を吸うリスクがある。
内部に水が侵入すると、デフの歯車は特にトルクが大きい場所なので、駆動系の重大な破損に繋がってしまう可能性が高い。
というわけで、ジムニーの川遊びだけではなく、冠水や洪水など思わぬ浸水からデフを守るため、ブリーザーバルブをホースで延長して高い位置に変更した。
取り付けは簡単だし、お手軽に渡河性能を向上できます。
また、ジムニーの渡河性能について、別記事で詳しく書いてます。
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ブリーザーバルブ延長に必要な材料
- 内径12mmのホース(2.5mあれば十分)
- ホースバンド 4個
- ブリーザーバルブ2個
- 固定用タイラップ
専用品も売られているがちょっとお高いので、材料を集めて自作する。
ホースは内径12mmがデフのブリーザーにピッタリ。
ブリーザーバルブはスズキ純正部品を注文可能(トランスファーのブリーザーバルブ)。
デフから外したブリーザーバルブを再利用する方法もあるが、純正ブリーザーバルブを2個買っても数百円だしここはケチらないことにする(再利用するにしても12mmホース用の継ぎ手を買わないといけないので、対して節約にならないし)
ジムニーにデフブリーザーを取り付ける
道具さえあれば、初心者でもトライできる内容です。
所要時間:45分
難易度;★★☆☆☆
必要工具
- プライヤー(できればウォーターポンププライヤーのほうが作業しやすい)
- マイナスドライバー
- ニッパー
- タイラップ
- クリップリムーバー
手順①デフブリーザーを取り外す
デフブリーザーのキャップ部はかしめられているので、そのままでは外れない。
先にキャップを見た方が外し方がわかりやすい。
キャップの下側にぽっちが着いた部分がかしめられているので、かしめられた場所から90度の位置をプライヤーで変形させて、かしめを広げるようにして取り外す。
下の画像はデフブリーザーを取り外したところ。
溝部分にかしめがハマっているので、プライヤーでキャップを変形させてかしめを広げるのが取り外すコツだ。
小さめのプライヤーで作業したが、大きめのプライヤーやウォーターポンププライヤーなど、力のかけやすいプライヤーのほうが作業は楽だと思われる。
手順②ホースをカットする
長めのホースを仮で一度取り回して、必要な長さにカットする。
車のリフトアップ量によって微妙に長さは異なるが、48Rの場合は下記の長さでカットした。
- フロント用100cm
- リア用135cm
手順③ホース先端にブリーザープラグを取り付ける
ブリーザープラグをホースに差し込んで、ホースバンドで固定する。
手順④ホースを取り回してデフに接続する
フロントの作業
フロントデフにホースを接続する。
そこからホースは上ではなく、一度車体後方へ向かう。
そしてエアロロッキングハブの配管(エンジンの負圧を利用して4WDの時ハブをロックする配管)に沿わせてエンジンルームへ。
サスペンションが伸びても、これらの配管と同じくらい余裕があれば問題ないはずである。
エンジンルーム内では、ECUの取り付けステーの穴を利用して、タイラップで固定した。
他の人の実施例をみると、上の画像の後ろに横方向に走る油圧ブレーキの配管に固定している例を見かけたが、ブレーキの配管で他のものを固定するのは気持ち悪いのでやめておいた(まあ、ホースが引っ張られることはないので大丈夫とは思うが、心配性なので)。
リアの作業
リアはホース先端を燃料給油口あたりまで持っていく。
まずは右後輪のホイールハウス内にあるカバーを取り外す。固定のクリップは4ヶ所だ。
カバーを外す給油口から燃料タンクに繋がる太いパイプとタンク内の圧力を調整するパイプ(燃料ポンプにガソリンを吸われた時、タンクが負圧になって潰れないように大気圧近くになるよう調整している)、キャニスターからのパイプが見える。
今回はこのパイプにブリーザープラグを固定する(ちなみに、ホイールハウスの中が黒いのは防錆塗装しているから)。
細い配管にタイラップで固定。
この位置なら高さもタイヤ外径より大きいし、カバーに覆われているので場所としても申し分ない。
ホースはフレームに沿わせてデフに向かう。
デフにホースを接続するが、リアブレーキホースと同等以上の余裕を持たせておけば、サスペンションが伸びきっても大丈夫なはず。
以上で取り付けは完了。
JB64/JB74ジムニー デフブリーザーホース延長まとめ
ジムニーの渡河性能のボトルネックであるデフブリーザー。ホースで簡単に延長できるので、これでひとまず45cmくらいまでは大丈夫かと思う。
また、デフブリーザーの位置をいくら上げても、次はトランスファーブリーザーが一番低くなり、トランスファーブリーザーの高さを考えると水深45cm程度が現状の渡河性能かと思う(もちろんトランスファーブリーザーもホース延長すれば、もっと渡河性能は向上する)
積極的に渡河をするわけではないが、冠水被害で車に思わぬダメージを食らわないためにも、やって良かったカスタムです。
他にも「JB74ジムニーシエラ(☜クリック)」カテゴリーで様々なジムニーに関する記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。