エンデューロやオールマウンテン系MTBでは必須装備のドロッパーポストだが、しばしば聞くのがドロッパーポストを上げても座ると勝手に下がるトラブル。
エア抜きができるドロッパーポスト以外は基本的にダンパーカートリッジ交換またはメーカーで修理なのだが、今回は自己流で解決したのでその方法を共有する。
全てのドロッパーポストがこの手法で復活するわけではないし、あくまで48Rの個人的な経験談なのだが、すぐレースで使うので修理する時間がない場合や、どうせメーカー送りしかないと思っている場合の「最後の手段」として、参考に参考頂ければと思います(ちゃんと治すにはメーカーに修理を依頼するのが一番です)。
また、この方法で悪化しても責任は負えませんので、自己責任でお願いします。
ドロッパーポストの仕組み
ドロッパーポストの仕組みは意外と単純で、サドルを上に伸ばすエアスプリングとオイルダンバーで構成されている。
動作としては、ドロッパーポストのレバーを押している時はオイルダンバーの流路が確保されてシートポストがエアスプリングに押されて伸びるが、レバーを押していないときはオイルダンバーの流路が塞がれているので、シートポストがロックされた状態となる。
ドロッパーポストが勝手に下がる原因
ドロッパーポストでありがちなトラブルが、ドロッパーポストを最上部まで上げたのに座るとちょっと下がるトラブル。
これは先に説明したオイルダンバーの中にエアが混入して、オイル流路閉鎖によるロックが正常に作動していない状態である。
こうなると、オイルダンパー部の交換またはオーバーホールが必要になる。
ドロッパーポストが勝手に下がる時の対処方法
エア抜きできるドロッパーポストならリセットする
ドロッパーポストの中には簡単にエア抜きができるものがある。
たとえばBIKE YOKEのREVIVEなどはエア噛みしても簡単にリセットできる優れものである。
ただ、ほとんどのドロッパーポストはこの機構が備わっていないので、セルフエア抜きができないのが現状である。
メーカーに修理を依頼する
ドロッパーポストが勝手に下がる場合、オイルダンバーカートリッジの修理が必要なので、メーカー修理が基本である(素人では基本的に分解整備できない)。
メーカー修理に出すと、修理に数日から一月ほどかかるので、しばらく自転車が使えないのが難点。。。
オイルダンバーカートリッジだけ交換する
オイルダンバーの分解整備は難しいが、オイルダンバー単品で補修部品を出してくれるメーカーもある。
ONEUP COMPONENTSはダンパーカートリッジ単品販売していて、カートリッジの交換なら一般ユーザーでもそう難しくないので、比較的簡単かつ安価に修理可能だ。
とはいえ、カートリッジが届くまでは修理できないので、すぐにレースがある場合は間に合わない場合もあるかもしれない。
応急処置でエアを抜いてみる
これは48R自己流かつどんなシートポストでも有効かは不明であるが、簡易的にエア抜きをする方法である。
どうせメーカー送りまたはカートリッジ交換しか手はないなら、ダメ元でも試す価値ありますぜ!
手順①自転車をひっくり返す(ドロッパーポストは伸ばした状態)
まずはドロッパーポストを伸ばした状態にして、バイクをひっくり返す。
この状態でオイルダンバーカートリッジ内のエアをドロッパーポスト根本のオイル流路付近に集めるため、1~2分待つ。
手順②自転車をひっくり返したままドロッパーポストを縮める
これでオイルダンバー内のエアはオイルダンバーカートリッジから排出される(と、思いたい)。
手順③自転車を元に戻して数分待ってからドロッパーポストを伸ばす
自転車をまた正立の状態にして、エアをもう一度吸い込まないように1分ほど待ってエアを逃してからドロッパーポストを伸ばす。
手順④ 手順①→手順③をもう1回繰り返す
一回ではまだエア噛みが治ってない場合もあるので、まだサドルが下がるようなら手順①〜③を繰り返す(一発で治れば繰り返しは不要)。
48Rが使っているONEUP COMPONENTSのV2ドロッパーポストの場合、これで治っちゃいました!
オイルダンパーカートリッジの交換を覚悟していたのだが、ほぼ下がらなくなったので(下がっても5mm程度)、見事復活を果たした!(2回繰り返しても治らない場合、数回やってみてください。仕組み的には、BIKEYOKEのドロッパーポストのリセット機能をバイク逆さにしてやっているイメージです)。
ONEUP COMPONENTS V2ドロッパーポストはこれで改善したのだが、もし他のメーカーのドロッパーポストでもこの方法で治ったなら、コメント欄で共有頂けると幸いです。
ドロッパーポストでエア噛みする原因
そもそもドロッパーポストにエア噛みする原因は把握してます?
本来オイルダンバーカートリッジ内はオイルで満たされているのだが、ドロッパーポストが縮んだ状態で伸び方向の力が加わると、オイルダンバー内に負圧が生じてエアを吸い込んでしまう。
そう、ドロッパーポストが縮んだ状態でバイクラックにサドルをかける動作は厳禁なのである。
↑ダメな例です。バイクラックにかける時は、ドロッパーポストは伸ばしましょう。
基本的にオイルダンバーカートリッジ内に負圧が生じるとエア噛みの原因になるので、下りライド時以外はドロッパーポストは伸ばした状態が機材に優しい。バイクラックにせよ、自転車を持ち上げるにしても、ドロッパーポストが縮んだ状態でサドルが上に伸びる力を加えるのは厳禁なので注意してください!
ドロッパーポストが勝手に下がる場合の対処法まとめ
この方法で絶対治るとは言い切れないが、どうせメーカー送りかカートリッジ交換しか手はないなら、ダメもとで試す価値はあるかと思います。
これで治れば修理費用0円なのだが、如何せん民間療法より怪しい48自己流手法なので、ダメ元で治ったらラッキーくらいに思ってください(もしこの手法で改善したらなら、コメント欄でドロッパーポストのメーカーも教えて頂けますでしょうか)。