ジムニーのタイヤを選ぶとき、なんか見慣れないタイヤ表記に困惑したことはないでしょうか?
サイズの頭に「LT」がついたお尻に「LT」がついたり、ロードレンジがCだのEだの、果ては見慣れないインチ表記だったり。。
この記事ではサイズ表記の意味や、なんでこんなに表記がバラバラなのかを理解できるように、タイヤの規格のお話から詳しく書いてます。
まあ、知っている人には繰り返しの内容になるかもしれないが、タイヤ規格を体系的にまとめ記事って見たことないので、参考になれば幸いでございますです。
ATやMT、RTタイヤの複雑なタイヤサイズ表記
下はダンロップのグラントレックRT01のサイズ表。
上記の吹き出しのような内容が、乗用車のサイズ表と異なっていて悩むよね。また、サイズ表記もミリだったりインチだったりバラバラで理解しにくい。。
さらに、こちらはジオランダーMT G003のサイズ表。
サイズによってはロードレンジの表記がなかったり、同じサイズでもロードレンジ違いがあったり、扁平率が書いてなかったり、、
なんじゃこりゃぁ〜!
これら、サイズ表記の仕方がバラバラな理由を、次節でねっとり詳しく解説します!
タイヤサイズの表記について
まずは基本的なサイズの読み方について
まずはおさらいとして、一番基本的なタイヤサイズの読み方について。
タイヤの各部寸法は下図のように定義されている。
また、タイヤサイズの表記の意味は下図のようになっている。
まず、
- 最初の「195」という数字はタイヤの「断面幅」
- 2番目の「65」という数字は「扁平率」と呼ばれ、「断面高さ➗断面幅 x 100」で定義される。
扁平率が低いタイヤほど横から見たときサイドウォールが薄くて、逆に扁平率が高くなるとサイドウォールが厚くなる。

- その次は構造記号で「R」はラジアル構造の意味。バイアスだと「-」になるが、4輪だとバイアスタイヤはほぼ存在しない(二輪車だといまでもバイアスサイズ少なくないが)
- これは「リム径」でインチ表記。リム径は乗用車やLT向けには整数インチしかない(大型トラックやバスは22.5インチや19.5インチなど中途半端なリム径だが、これはチューブタイプを「整数」でチューブレスタイプを「〇〇.5」にして誤装着を防いでいるため)
- ロードインデックス(=LI)と呼ばれる数字で数字が大きいほど、大きな荷重を支えることができる(LIは最大内圧時の耐荷重が表されている)
LI 負荷能力(kg) 92 630 93 650 94 670 95 690 96 710 97 730 98 750 99 775 100 800 101 825 102 850 103 875 104 900 105 925 106 950 また、さらに同じロードインデックスでも、内圧によって耐荷重が異なり、内圧高くすることでより大きな荷重を支えることができる(一部「235/40R18 91S」などサイズ表記ごと内圧-荷重表が定義されているサイズあり)。
| LI | 空気圧(kPa) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 180 | 190 | 200 | 210 | 220 | 230 | 240 | 250 | |
| 91 | 520 | 535 | 555 | 570 | 585 | 600 | 615 | |
| 235/40R18 91 225/45R17 91 205/55R16 91 |
475 | 495 | 515 | 535 | 555 | 575 | 595 | 615 |
| 92 | 530 | 550 | 565 | 585 | 600 | 615 | 630 | |
| 255/35R19 92 235/40R19 92 225/45R19 92 215/50R18 92 195/65R16 92 |
485 | 505 | 525 | 550 | 570 | 590 | 610 | 630 |
| 93 | 550 | 565 | 585 | 600 | 620 | 635 | 650 | |
| 255/35R20 93 215/55R16 93 |
500 | 520 | 545 | 565 | 585 | 610 | 630 | 650 |
| 94 | 565 | 585 | 600 | 620 | 635 | 655 | 670 | |
| 265/35R19 94 235/45R17 94 215/55R17 94 |
515 | 540 | 560 | 585 | 605 | 625 | 650 | 670 |
| 95 | 585 | 600 | 620 | 640 | 655 | 675 | 690 | |
| 265/35R20 95 245/40R20 95 225/45R21 95 215/55R18 95 225/55R16 95 |
530 | 555 | 575 | 600 | 625 | 645 | 670 | 690 |
6. スピードシンボルと呼ばるアルファベット記号で、次のようにタイヤの最高速が定められている(表が見切れている場合は横スクロールします)
| 速度記号 | L | N | Q | R | S | T | H | V | W | Y | ZR
※1 |
(Y)
※2 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 最高速度 (km/h) |
120 | 140 | 160 | 170 | 180 | 190 | 210 | 240 | 270 | 300 | 240超 | 300超 |
ちなみにここで説明したのは一番基本的な日本の規格(JATMA)の乗用車タイヤのサイズの読み方について。一番目に触れる機会の多いサイズ表記なので、ご存知の方も多いと思う。
タイヤ規格の特殊性
- 通常の業界の場合、国際標準(ISOなど)が一番効力が強い場合がほとんどである。
- タイヤが業界の場合
①国際規格が制定される以前に日本、欧州、米国で業界規格が出来上がっていた(タイヤ三大規格)
②各国で販売されるタイヤサイズや市場の使用条件の差により、三大規格でも違いが多い。
③タイヤの法規制では、多くの場合三大規格のどれかに準拠していれば認められる。
結果として規格の整合が進みにくく、各国で独自の規格でのタイヤが製造販売されているのが実情である。
また、日本で販売されているタイヤでも、特にLTタイヤにカテゴライズされるA/T、R/T、M/TタイヤではJATMA規格、ETRTO規格、TRA規格が乱立している状態なのだ(一方で乗用車用タイヤほぼJATMA規格なので、こういった混乱が少ない)
LT(ライトトラック)規格とは
ジムニーやランクルのATやMTタイヤに多いLT規格タイヤ(もちろん、普通のトラック向けサイズもLT規格)。
これは乗用車タイヤに比べ、同じサイズでも高い空気圧を充填することでより高い荷重まで耐えられるようにしたタイヤである。
トラックやバンはフル積載の荷重を支えつつ、荷室を確保するためにタイヤサイズに制限があるため、できるだけタイヤサイズを大きくしないで高い耐荷重を求めたタイヤカテゴリである。
ちなみに、ジムニーなどの普通車にLT規格のタイヤを履かせた場合に悩ましい空気圧については、次の記事で詳しく解説しています。
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タイヤ交換時 ジムニーの適正空気圧は?「LT規格」について詳しく解説します
ジムニーの空気圧について、サイズアップしたり特にLT規格のタイヤを装着したときの空気圧について悩んでいる人も多いかと思う。 ジムニーの指定空気圧は180kPaなのだが、サイズアップしたタイヤの指定空気 ...
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商用車向け(トラック/バン)向けタイヤのサイズ表記がややこしい
「LT(ライトトラック)」カテゴリのタイヤだが、三大規格で表記が異なっており、これがタイヤのサイズ表がややこしくなる原因である。
では、順番に各国規格の表示をみていこう。
JATMA(日本)のLT規格について
JATMAではLT規格のタイヤ表記は次の通りである。
基本は乗用車向けタイヤと同じような表記なのだが
- ロードインデックス(LI)が「107/105」のような単輪と複輪の二重表記になる(軽自動車サイズなどは
- 最後のLT規格を示す「LT」がつく
というサイズ表記になっている。
また、空気圧別の耐荷重は下表のようになっており、乗用車規格が180kPa~240kPaで使用するのにくらべ、かなり高い内圧で大きな荷重を支えられるようになっている。
| タイヤ サイズ |
LI | 空気圧(kPa) | |||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 220 | 240 | 260 | 280 | 300 | 325 | 350 | 375 | 400 | 425 | 450 | |||||||
| 145/80R12LT | 80/78 | 345 | 360 | 380 | 395 | 410 | 430 | 450 | |||||||||
| 165/80R14LT | 97/95 | 515 | 540 | 560 | 590 | 615 | 645 | 675 | 700 | 730 | |||||||
| 195/80R15LT | 107/105 | 735 | 770 | 800 | 840 | 875 | 900 | 925 | 950 | 975 | |||||||
| 185/85R16LT | 105/103 | 670 | 700 | 730 | 765 | 800 | 830 | 865 | 895 | 925 | |||||||
現物のタイヤサイズ表記は下画像の通り(うちのハイエースのサイズ表記)
また、今でもJATMAの古いインチサイズ表示も残っている。
ジオランダー MT G003の下記サイズもJATMA規格なのだが、もう新車に装着されることはない旧規格のサイズ表記だ(新車装着車両がないので自然消滅するはずだが、意外とジムニーなどの大径タイヤとしての需要があり残ってしまっている)。
- 最初の「7.00」はタイヤ幅を表しており、7.00 x 25.4 = 177.8mmなので、約175幅のタイヤ
- 昔のバイアスサイズは扁平率82%固定だったのと(そもそもバイアスは低扁平タイヤを作れない)、初期のラジアルも低扁平を作れず扁平率82%で設計していたので、一律82%なら省略しちゃえということで扁平率の表示なし
- 「16」はリム系
- 「LT」はLT規格である表示
- 「103/101Q」はロードインデックスとスピードシンボルだが、昔のインチサイズは「6PR(プライレーティング)」や「8PR」で荷重指数を表していたのだが、表示改正で今のインチサイズはロードインデックス表記に改められた(タイヤ現物にはいまでもロードインデックスと併せて「8PR」と表示されていたりする。
ちなみに、メトリック(ミリサイズ)のラジアルも昔は扁平率を省略していて(設計は扁平率82%相当)、古いハイエースなどは下記サイズを履いていた。
195R15 6PR •••••(=101/103L相当)
195R15 8PR •••••(=105/107L相当)
現在でも、古いバンや軽トラ向けタイヤで一部こういう表記が残っている(絶滅危惧種)。
TRA(米国)規格について
TRAの「LT」規格のタイヤは次の通り。
JATMAと異なる部分として、
- 先頭に「LT」がつく
- 負荷能力を示す表示として、「ロードレンジ」が表示される(プライレーティングが併記される場合もあるが必須ではない)。
- 逆にLIは任意表示になり、表示の義務はない(ロードレンジでタイヤの負荷能力がわかるので、LIがなくても困らない)
という特徴になっている。
ロードレンジに関してはプライレーティングで表記されることもあり、対応は下表のようになっている。
| ロードレンジ(TRA) | プライレーティング(JATMA) |
| C | 6PR |
| D | 8PR |
| E | 10PR |
プライレーティングは大昔のJATMA のタイヤ強度を示すランクでバイアスタイヤ時代に定められたものだが、既にLI表示に取って代わられているので自然消滅する運命である(古い製品でPR表記残っているが、PRとLIが併記されていて、実質LIでタイヤの強度を判断する)。
また、8PRというというのは単にタイヤ内部のコード(カーカス)の物理的な枚数を指すものではなく、「その枚数を重ねた場合と同等の強度(耐荷重性能)を持っている」という評価基準(レーティング)である。(かつてのバイアスタイヤ時代は本当にプライ枚数だったらしいが)
また、TRAでは同じサイズでもロードレンジ違いがあるサイズがあり、例えば下表だと225/75R16 ロードレンジCは内圧350kPaで880kgまで耐えられるし、225/75R16 ロードレンジFなら内圧650kPaで1360kgもの荷重に耐えられる(高内圧に耐えられるよう、当然ロードレンジFのタイヤは重構造になり重くなるが)
| タイヤ サイズ |
空気圧(kPa)と負荷能力 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 250 | 300 | 350 | 400 | 450 | 500 | 550 | 650 | |
| LT225/70R16 | 670 | 755 | 850 | |||||
| LR/LI | C/102 | |||||||
| LT225/75R16 | 700 | 795 | 880 | 970 | 1060 | 1140 | 1215 | 1360 |
| LR/LI | C/103 | D/110 | E/115 | F/119 | ||||
| LT245/75R16 | 790 | 900 | 1000 | 1100 | 1190 | 1290 | 1380 | 1550 |
| LR/LI | C/108 | D/114 | E/120 | F/123 | ||||
ちなみに48RのBF GOODRICH KO2 のタイヤ現物表示は下画像の通り。
TRA規格のタイヤなので、負荷能力を示す表示として、「LOAD RANGE C」と「PR6」が表示されている。
ちなみに、「C」と「PR6」と「102/99R」の部分は金型では脱着式のパネルになっていて、「LOAD RAGE D」「8PR」など、パネルを入れ替えて異なるロードレンジのタイヤも同じ金型で生産できるようになっている(タイヤ画像からでもうっすらパネル枠見えるでしょ。生産効率化のため、同サイズのロードレンジ違いは同じ金型です)。
また、TRA規格ではハイフローテーションタイヤという、極太で泥濘や砂地で沈み込まないことを狙ったタイヤも存在し、これまた独特なサイズ表記である。
- 最初の「35」はタイヤ外径のインチ表示。35 x 25.4 = 889mm
- 次の「12.50」はタイヤ幅。12.50 x 25.4 = 317.5mm
- Rから後ろはこれまでの説明と同じ。
ETRTO(欧州)規格について
ETRTOの「LT」規格のタイヤ表記は次の通り。
- ETRTOではJATMAの「LT」規格に相当するタイヤとして商用車用を意味する「C(コマーシャルビークル)」が用いられる
- その他の表示はこれまでと共通ルール。
また、次のサイズはジムニーの大径タイヤとして人気の195R16Cだが、これまでの説明を読んできた方なら、195の後の扁平率は省略されている古いサイズであることに気が付くかもしれないし、「C」があるからETRTO規格であることも想像できるはずだ。
その他規格
基本的に独自規格を持っていない国は前述のTRAやETRTOに準拠したタイヤを製造しているし、そのほかにも中国やインド、ブラジルなど独自規格を持っている国があるが、TRAやETRTOをお手本に規格が作られていて中身は大差なかったりするので、基本的にはJATMA、TRA、ETRTOの三大規格を覚えておけば問題ない。
規格にないサイズのタイヤは作れない
ジムニーの交換用タイヤで純正より大径タイヤを選ぼうとすると、LT規格になることが多いが、一般的にLT規格のタイヤはジムニーには荷重指数が過剰だし、タイヤも硬すぎて乗り心地が悪いと言われることも少なくない。
ジムニーの純正サイズは下記の通りで、荷重指数91。
175/80R16 91S
これはLT規格ではなく通常の乗用車サイズであり、負荷能力は空気圧240kPaで615kg、規格下限の180kPaなら520kgである。
一方でジムニーのカスタムで人気の下記サイズの荷重指数は105。
185/85R16 105/103S LT
450kPaで925kg、規格下限内圧の260kPaで670kgで荷重指数は過剰だし、そもそも450kPaで使えるように設計してあるのでタイヤもゴツくて重い。
これじゃ乗り心地が悪いから、185/85R16の乗用車規格のタイヤ出してよ!と思う人もいるかもしれないが、JATMAの乗用車規格に185/85R16なんてサイズがないので、そんなタイヤを作れないのだ。
じゃあ乗用車用タイヤの規格から作ってよ!!と思うかもしれないが、タイヤメーカーが勝手に規格を作ることも出来す、新しいタイヤ規格を作るにはまずそれを装着する新型車が必要なのである。つまり、車メーカーが新しいSUVを作りたいとなって、車体設計にあうタイヤサイズとリム径を考えて、既存の規格になければこの車のために新しいタイヤ規格を立ち上げましょ、となるのである。
最近の例で言うと、2023年デビューの60型プリウスが燃費と見栄えを重視して細幅大径タイヤの195/50R19を採用して、JATMAに本サイズが追加された。
というわけで、装着する車両もないのに、ジムニーの大径サイズの乗用車規格のタイヤなんて、絶対に販売されないのだ。
もう一度サイズ表を見てみよう
ながらく長文記事にお付き合いありがとうございました。
ここまで読んでいただくと、LT規格が混在したサイズ表も簡単に理解できるはずということで、もう一度サイズ表を眺めてみましょう。
■ダンロップ グラントレックRT01
■ヨコハマ ジオランダー MT G003
もうサイズ表記に迷わないでしょ。
一箇所だけ補足しておくと、グラントレックRT01 185/85R16 105/103N LTはJATMA規格だがTRAのロードレンジも表記しているのは、アメリカ向けに輸出もしているのが理由です。国内向けのLTタイヤならロードレンジの表記義務はないのだが(ハイエースのLTタイヤはロードレンジ表示なし)、アメリカの輸出するタイヤにはロードレンジ表記が義務付けられているので、JATMAのロードインデックスに加えて、そのロードインデックスに相当するTRAのロードレンジも表記しなければならないのだ。
各国法規別 LTタイヤのサイズの読み方まとめ
TRAやETRTOについて個別に説明している記事等はみかけるのだが、世界3大規格(JATMA/ETRTO/TRA)を体系的にまとめて解説している記事って見かけないので、頑張って説明してみました。
48Rは足回りのお仕事をしているので当たり前体操なないようなのだが、逆に説明を端折っている可能性もあるので、分かりにくかったらお気軽にコメント欄で聞いてください(この記事は分かりやすさ重視で「規格」と「法規」についてはあえて分離して深掘りしてないです)
他にも「JB74ジムニーシエラ(☜クリック)」カテゴリーで様々なジムニーに関する記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。





















