48RはMTBに乗る前に「フォークの動きを良くするためにバイクを逆さにする」という行為をずっとやっているのだが、けっこう効果があるわりにやってない人もいるので、逆さにすると良くなる理由と共にブログで共有します。
ベテランもやっている逆さバイク
48RがMTBを始めた頃、当時一緒に走っていたベテランライダーに教えてもらった逆さバイク。
これをやるとフォークオイルがフォーク内に行き渡って、初期からぬめぬめ動くようになる。
X(旧Twitter)でも、「スペシャの山の人」こと@Kimbike818さんもこうおっしゃってます。
EXTもPushも言ってるフォークのパフォーマンスを上げる方法。乗る前に逆さにして、ブッシングとフォームリングにオイルを染み込ませること。
初期ストロークにかなり聞きます。
無料なので是非試してみてね。 pic.twitter.com/6rEQz2A9Qf
— Kim (@Kimbike818) October 16, 2020
なんと、高性能サスペンションメーカーのEXTやPushも推奨!
0円でできるフォークチューンなので、ぜひぜひ試してみてください。
逆さバイクでフォークの良くなる理由
逆さバイクでフォークの動きがよくなる理由を、ちょっと掘り下げて説明する。
フロントフォークは左右でスプリング側(エアバネまたはコイルバネ)とダンパー側に分かれているのは皆さんご存知のところ。
ダンパー側には減衰力を発生させるためのオイルが入っているが、それとは別にフォークを摺動させるための潤滑オイルもダンパー側/スプリング側ともに入っている。
(このオイルはオーバーホールの組み上げ最後にボトムケースから入れるオイル
また、フロントフォークのダストシール(外から見てフォークのインナーチューブと接しているゴム)の下にはフォームリングというスポンジリングが入っており、そこに潤滑オイルが染み込むむようになっている。
(↑フォームリングは組み込むときにたっぷりオイルに浸す)
実はフォークの動きの良さに、オイルが染み込んだフォームリングが超重要!
このフォームリングからのオイルがインナーチューブに油膜を形成することでフォークの動きをよくしているのだ。
自転車ショップのDimensionさんもこんな発言をされています。
サンツアーのローグレードフォークはダストシール内側にフォームリングが入ってないので、入れてボトムケースにオイル入れてやれば一気に動きが改善します。 pic.twitter.com/kP2OB1kTrz
— Dimension公式 (@HirockazuHiguch) August 25, 2023
フォームリングの有無ってけっこうフォークの摺動抵抗に重要とのこと。
しかしながら、潤滑オイルは15~30cc程度しか入っておらず、自転車を放置しているとボトムケースの底にオイルが落ちてフォームリングがオイル不足になり、フォークの潤滑性能が落ちてしまう。
そのため、自転車をひっくり返してボトムケースに落ちた潤滑オイルをもう一度フォームリングに染み込ませてやることが重要なのだ。
大昔のFOXのWebサイトにはちゃんと書いていた(最近のWebサイトやマニュアルには見かけないけど)。
FOXだけでなく、RockShoxやその他メーカーのフォークも仕組みは同じ。
さらにFOXに至ってはボトムケースの底から潤滑オイルを逆流防止弁を通じてフォームリングに供給させる特許まででるくらい、フォームリングのオイルは重要なのだ。
(↑実用化はされていないけど)
まとめ
自転車を逆さにするだけでけっこう初期の動きに差がでるし、無料なのでぜひぜひ試してみてください。
ちなみに、スペシャの山の人は空気圧管理するときに車重がかからないようしたほうが良いとおっしゃっているので、ひっくり返している間に空気圧も調整しちゃいましょう。
MTBのサスペンションに空気入れる時は、持ち上げて、車重かからないようにして入れると安定して空気圧をコントロールできる。
ショップでデジタルポンプ使ってないところは信頼しなくていい。
— Kim (@Kimbike818) May 25, 2024