当日は予想どりのザデイだった。
なのに不帰2峰中央には色々理由をつけて行かなかった。これは敗退ではない、敗北だ。
そもそも数日前から2峰狙っているゆうさんを誘おうと思っていたし(向こうも同じことを考えていて、逆に誘われたが)、前日にはローカル不帰ライダーにも誘いのラインを入れている。といっても彼は山スキーヤーではなく、ライダーよりのマインドなので、「手前の地形がおもろい所行く!」と今回は乗ってくれなかったのだが。
気持ちに整理をつけるため、今回2峰に行かなかった理由を整理する。
①滑りに不安
今シーズンの年末年始は雪不足で、無理に滑らんでもとほとんど滑ってない。一発目のバックカントリーから2峰というのは、ちゃんと滑れるか、スラフから逃げれるか色々考えさせらた。
②滑りの快感<リスク
山岳滑降なので、どんな日でもリスクゼロということはない。最近は家庭、仕事が充実しており、子育ては楽しいし、仕事もうまく回せて平均8時間以下の労働時間で家庭での時間も多くとれるようになり、プライベートがかつてないほど充実している。と言っても山岳滑降の充実感が目減りすることないのだが、いまの生活を失うかも、というリスクが大きくなり過ぎ、イマイチ2峰まで足が伸びなかった。昔はハイリスクハイリターンと思っていたのだが、失うリスクが大き過ぎて相対的にハイリスクローリターンとなってしまっていた。
①は練習でどうにでもなるが、②はよっぽどリスクが少ない日を狙っても気持ちに整理つけられるか。。
終わってみれば、この日は不帰2峰滑った人は合計7人。もう昔ほど山滑りにこだわりがないが、やり残した不帰だけは片付けたい。こういう日に2峰滑ってチャレンジを終わらせるのが一番安全と、終わってから後の祭りの日でした。
とほほ。
ではレポートをば。
予想通り、朝から快晴。
風もほぼなくてザデイの予感。
八方登山口にもビーコンチェッカーできたのね。
ほぼ無風の快適ハイク。丸山ケルンから先は風が出て来たが、八方尾根基準ではそよ風だ(寒いけど登れるくらい)。
ゆうさんはシール、48Rはスノーシューで登る。
2峰を斜めから。
この角度から坂を眺めると全然滑れそう。見た目のマジックか?!
ハイク中、何度2峰行くか行かないかで自問自答したことか。ここ最近得ていた情報と当日の様子から雪は安定していそう。そう、滑るなら今日だ。今日行くのはむしろ不確定要素の多い日に行くより安全なのだ。さっさと安全な日に滑って不帰の呪縛から解放されよう。なんども「滑る」に傾くが、最終的には「行く」という結論は今の思考回路から導けなかった。
途中、ものすごい速さで登って来たジョニーさんに追いつかれて、雑談しながら山頂へ一番乗り。
ジョニーさんは、唐松岳山頂から猫ちゃんを覗いて、「よし、北峰滑ろう!」と言って、またもやもの凄い早さでコルのほうへ降りていき、Dルンゼには目もくれず不帰3峰の巻きへ消えていった。ぶっとんでいる人は違うわ〜。→ジョニーさんのブログ
ジョニーさんは言う。
「Dルンゼだろうが、不帰2峰だろうが、ここまで来たら一緒一緒」
栂池みたいなそれほど急ではない斜面で雪崩で亡くなるリスクもあるし、急斜面だからって絶対雪崩れるわけじゃなし、言ってることは分からなくもないが、2峰は威圧感が違いまっせ(笑)
実際ジョニーさんは雪崩れてたし、回避できなかったらクリフまで流されてたし!
こちらはゆうさんと相談。ゆうさんも今回は止めておくとのことなので、本日はCルンゼへ。
ゆうさんは今期滑走2日目なんだけど、多分48Rが2峰行こうって言ったら来てくれた雰囲気だった。ごめんよ。
Cルンゼまで来て、唐松山頂直下にスノーシューを忘れたことに気が付いて取りに戻るというトラブルもあったが、気を取り直してドロッピーン。
Cルンゼからは53さんじゅんさんパーティも加わってにぎやかに。
ルンゼの雪はけっこうなパック。滑るには問題ないが、気持ちの良いパウダーでもない。以前はどパウのCルンゼも滑っているので、ちょっと残念。
そのときの動画。
一方で2峰を滑ったジョニーさんはバフバフだったとか。爆風後でも2峰はバフバフというのは不帰あるある。
唐松沢クルーズもけっこうなパックスノー。そうとう風吹いたみたいね。
南滝は巻かずに通過できた。
年末年始の雪不足がウソのように、1月下旬は雪が降りまくった。
おつかれ山でした。
不帰は滑れなかったが、自分の山を滑ることに対してのマインドが、いかに中途半端かを認識できた山行だった。
気合入れ直そう。パチン(ほっぺを叩いた音)
でも、リスクマネジメントは慎重というのは変わらないよ。
おまけ。昔Cルンゼ滑った時の動画。