あると便利なスプリットボードクランポン。
今回はスプリットボーダーに人気のある、直登力最強のブンリンクランポンの取り付けについての記事。
スプリットボード入門と書いてはいるが、インビスで取り付けているので、作業はちょっと難しい。
取り付けをお任せしたい人は、スプリットボーダーの駆け込み寺「サンライズヒル」さんにお願いすると良いだろう。
ハイクアップしやすくするスプリットボードクランポン
スプリットボードでのシール登行の泣き所といえば、ソフトブーツの柔らかさによるエッジングの弱さだ。
ハードブーツのスキーヤーに比べると、ちょっと硬い雪面の斜め登行など、大きく差を開けられる。
そこで、スプリットボードクランポンの出番である。
クランポンの刃が横方向のスライドを止めるので、斜め登行が驚くほどかんたんに登れるようになる。
スプリットボードクランポンの固定方法は3種類
それぞれの特徴を説明する。
バインディングに固定タイプ
このタイプは歩くと刃があがるので、雪面への引っ掛かりがなくハイクしやすいが、ヒールライザーを使用時は刃が刺さる量が減るので、クランポンの効きが悪くなる。
つま先支点に固定タイプ
このタイプはつま先のバインの支点のみで固定されており、歩くときは刃が雪面抵抗で上に上がり引っ掛かりが少なく、荷重するときはバインが刃を押さえつけるので刺さりが良い。
ヒールライザーを使っても、ヒールのワイヤーがクランポンを押さえるのでしっかりと刃が刺さる。
万能で使いやすいタイプ。
板に固定タイプ
反面、歩くときは刃が引っかかるので、シールでスライド気味に歩くのは不向き。
とはいえ、クランポンを使用するような状況は急斜面でそれほどスライド性は重要ではないので、困ることは少ないと思っている。
48Rはこのタイプを使用。3タイプ使用してきて、板固定式に落ち着いた。
取り付け方法は記事の後半で。
なかでもスプリボーダーに絶大な人気を誇る「ブンリンクランポン」は後方へのズレを防ぐフィンがついている。
最強の直登力です。
かなりの斜度までスプリットボードクランポンで登れ過ぎるので、下手するとアイゼンにチェンジするタイミングが遅れてヒヤヒヤすることも。
注意してください。
ブンリンクランポンはインビス固定推奨
付属のタッピング(木ネジ)で取り付けるのがデフォルトだが、スプリットボードは芯材が薄く強度も低いので不安だ。
スプリットボードクランポンが刺さり切らないくらい硬い雪面で高下駄状態だと、体重がタッピングが抜ける方向にかかるからだ。
そこで、48Rは強度を確保するため、インビスで取り付けている。
ちなみに、スプリットボードの駆け込み寺「サンライズヒル」さんも同様にインビス推奨だ。
また、インビス加工でソールに段差が生じるので、チューンナップ前にやるのがオススメ。
必要工具
電動ドリル
穴あけ作業に絶対必要。コードレスは高いので、電源が確保できる場所なら安いコード付きがオススメ。穴あけ作業だけなので、RYOBIの安い機種で十分。
Snoliのインビスキット
インビス作成のキモのパーツ。
「専用ドリル」で穴を開けて、「ソール付きのインビス」を圧入するだけで簡単にインビス加工できる。
円錐状のベースがネジを締め込むほど強くボードに密着するので、超強力固定だ。
インビスの高さが7mmと9mmがあるが、スノーボードなら7mm一択。9mmは高すぎてボードから飛び出してしまう。
海外通販でしか手に入らないが、送料13.75ドルで日本に送ってくれるのでそれほど入手は難しくない。
価格はインビスが1個1.5ドル、専用ドリルが64.95ドルだ。
今回、ブンリンクランポンを取り付けるため、M6の皿ネジも買っておこう。
接着剤
コニシのウルトラ多用途ボンドソフトがオススメ。
インビスにも対応するくらいウルトラ多用途なボンドです。
ポンチ
穴あけの位置決め用に。
ハンマー不要のオートセンターポンチが便利で確実。
ブンリンクランポンの取り付け方法
手順①:位置決め
その位置で、対角の2点をマーキング。
インビスは超強力なので、2点固定で大丈夫。
手順②:穴あけ作業
下穴用の7.9mm径で、トップシート側から穴を開ける。
手順③:防水処理
インビスの隙間から水が侵入して、芯材が水を吸うのを防ぐためだ。
手順④:インビス挿入
接着剤を塗って、穴に挿入する。硬くて穴に入りにくので、最初はクランプなどで押し込むと良いだろう。 この時点ではきっちり圧入できてなくても大丈夫。
ある程度挿入できたら、トップシート側からブンリンクランポンのベースプレートを取り付ける。ネジを締め上げると、インビスが最後まで圧入できる。
ネジはホームセンターでM6の皿ネジを買えばOK。
手順⑤:ブンリンクランポンのベースプレートの組み立て
以上で作業は終了です。
おつかれ山でした。
完成後のスプリットボード
クランポンのベースプレートがついてカッコ良い。
参考になりましたでしょうか?
ブンリンクランポンについては、記事前半にも書いたが、フィン付きだとアイゼンに履き替えるのが危険なところまで登れてしまうので、ほんとうに注意してください。
それでは良い山行を!