煩わしいストラップがなく、踏み込むだけで装着できるBurton StepOnシステム。
そのStepOnに子供向けがラインナップされたので2人の子供にStepONで滑らせてみたのだが、これが抜群の使い勝手!
バインディングを装着するのに時間や労力がかかりがちな子供こそステップオンの恩恵が大きく、座って立つ労力がなくなったりお尻が冷えなくなったりリフト降りてすぐ滑り出せたり、疲れる要素激減で1日の滑る本数が増えました。
これからのキッズはこれがスタンダードになるのでは?と思えるほど良い道具だったので、その使い勝手をレビューします。
Step Onのキッズライン
キッズから囲い込むBurton Steponシステム
Burtonが推しに推しまくっているStepOnシステム。
大人向けステップオンは数年のアップデートを経て技術的に成熟された感があり、今やゲレンデでもよく見かけるくらい普及してきた。
そして次にバートンが目指したのは、キッズ向けのステップオン拡大。
2022-23シーズンにはジュニア(小学生)向けとしてステップオン スモールズ(ジップライン)がリリースされ、さらに2023-24シーズンには幼児向けにステップオン グロムも追加投入されたのだ。
これでもう幼稚園からおじいちゃんまで、一生ステップオンも可能なくらいの完璧なラインナップである。
次にそれら2つのキッズラインを詳しく見ていく。
・Step On Smalls(スモールズ)
まず登場したのが小学生向けのStepON smalls。
大人用ステップオンの縮小板。
大人モデルで不評だったつま先側の爪も改良板が搭載されているし、フォワードリーンも調整できるしディスクもRe:Flexだし、子供モデルだからって手抜きなしの本格派である。
同じようなつくりの大人用ステップオンと製造コスト変わらないのでは?と思えてくるほどなのだが、価格は大人向けステップオンの半分程度。
バートンは子供からステップオンに囲い込むため、かなり戦略的な価格設定にしていると思われる(ステップオンに囲い込むと、ずっとバートン買ってくれるしね)
・StepON Grom(ステップオングロム)
こちらは幼稚園児から小学校1年生くらいが対象のStepOn Grom。
ハイバックを排したデザインとつま先側にもリリースレバーを設けることで、幼児でもブーツの脱着がとても簡単にできるのが特徴である。
ジュニア向けStepOn Smallsは特にセッティングは必要なく、大人向けステップオン同様に板に取り付けると即使用できるが、キッズ向けのStepOn Gromはブーツサイズに合わせたセッティングが必要である。
と言っても特に難しい作業はなく、ブーツサイズにバインディングを合わせるだけである。
セッティング作業は次の通り。
つま先側のステップオンの爪の幅とヒールカップの位置をブーツに合わせて調整する。
調整方法は、ネジを緩めてバインに書かれたブーツサイズ(11~2)に調整ラインを合わせるだけである。
また調整機構もギザギザが合わさる仕組みになっているので、任意のサイズに合わせやすいし一度ネジをしめるとずれることもない。
また、作りを見てもらってわかる通り、ステップオングロムは幼児のために完全新設計。
小さな手でもレバー操作しやすいようにヒールレバーは簡単に操作できる押す方式に変更されているし(大人と先に紹介したジュニア向けはレバーを引き上げる方式)、ハイバックレスはブーツのクリートをヒールロックに嵌めやすい。
ヒールロックも幼児の体重でも簡単に嵌められるようにロックがかかる強さが最適化されている。
通常ステップオンを脱ぐときはヒールのクリートを外した後つま先側のロックはつま先をひねるようにしして外すのだが、これが慣れないとバランスを崩しやすく幼児には難しい。
その対策として、ステップオングロムはつま先にもリリースレバーが設けられているのだ。
↑このレバーを操作することで簡単に脱ぐことが可能(もちろん、通常のステップオンみたいに踵を外した後、つま先のレバーは触らずにつま先を捻っても外せます)。
また、StepOn Gromのブーツはよくあるインナーなしの幼児向けブーツではなく、ちゃんとアウターとインナーが分かれた本格仕様。
インナーブーツは幼児でもタンが締めやすいようラップ式のインナーを採用(バートンでは初かも。大人用ブーツだとRideのハイエンドが採用している方でフィット感が良い)。
インナーレースもあり。
こんな小さなブーツに大人用同等の機能を詰め込んでいるのには感心させられる。
StepOn Gromは完全新設計の幼児に特化したバインディングシステム。
キッズ向けだって手加減のないバートンの本気のものづくりが伺える製品である。
サイズラインナップ
サイズ展開は下表の通り。
17.5 | 18.5 | 19.5 | 20 | 20.5 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
Stepon Grom | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
Stepon Smals | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
だいたい4歳児の足の平均サイズが16cm~17cmなので、幼稚園児からもうステップオンを使い始めることができる。そしてブーツサイズ21cm、小学生2年生前後くらいからジュニア向けのSmallsにステップアップ。
その先は大人用ステップオンが控えているので、スノーボード人生ずっとStepOn一筋なんて人も今後出てくるかもね。
キッズステップオンの素晴らしい使い勝手
バインの脱着
StepOn Gromの脱着
5歳の息子の板の脱着はこんな感じ(クリックすると動画が再生されます)
・板を履くとき
ハイバックレスで簡単足入れ。すぐにロックもかかってストレスフリー。
5歳児って、けっこう親がバインディングの装着をサポートしたり、自分でやらせても立って板を履けなくてお尻ついちゃってお尻が濡れる原因になるので、ステップオンで簡単に立って履けるようになって良かった!
ちなみに、傾斜があったり雪が硬くて足場が作れないときは、私が板を踏んであげて固定してます。
こうやれば、大抵の場所で座らなくても板履けるし、ストラップに比べると格段に早くて楽なので、滑る本数が増えます!
・板を脱ぐとき
一方、板を脱ぐときはストラップバインよりちょっとやりにくそうで、ヒールとつま先の解除レバーを操作して、よいしょという感じ(一方で子供用ストラップバインはワンストラップなので、脱ぐのはとても簡単)。
とはいえ、ミトングローブをした子供の小さな手でも立ったまま後ろ足外せているので、実用上は問題なし。
StepOn smallsの脱着
姉が使っているStepOn smallsの脱着はこんな感じ。
もう大人用ステップオンと同じ。
どうしても立って履けないような斜度でも、軽い踏み込みでロックかかるので、最悪座って履くことも可能。
滑走フィーリング
滑走フィーリングは、スノーボード暦3ヶ月でステップオンに乗り換えた5歳の息子も、ステップオンでスノーボードを始めた娘も特に問題なし。
下の動画はスノーボード歴3週間の娘の動画だが、ステップオンでスノーボードを始めてもちゃんと滑れるようになるので、もうキッズは履くのが簡単なステップオンが良いのでは、と思えてくる。
ちなみに、もうちょっと乗り込んでくるとステップオンのデメリットが出てくる可能性があるが、それはだいぶ先のことだし乗り方次第なので、キッズでレジャーで楽しむ分には全く気にしなくて良いと思っている。
(筆者48Rはそのデメリットが不満でステップオンを辞めたのだが、詳しくは別記事で書いてます)
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【Burton】僕がSTEP ONをやめた2つの理由【バートン ステップオン レビュー メリットデメリットについて】
2017年、バートンが満を辞して世に放った踏み込むだけでバインディングを装着できるStep Onシステム。 デビュー以来、細かいアップデートを繰り返しながら着実にその完成度を高めていき、今やどのゲレン ...
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ステップオン辞めたのに子供にステップオンを使わせているのは、要は適材適所ということ。子供にはなによりスノーボードの脱着で余計な体力を消費せず滑りに集中してほしいので、ステップオンが最適解と思っている
キッズ向けステップオンまとめ
以上、子供用ステップオンを娘息子に使わせたレビューでした。
脱着簡単、お尻を雪面につかなくて済む、座って板付けて立ち上がる労力不要、リフト降りてすぐ滑り出せると、メリット多数。
余計な手間と労力を省けて滑る本数増え、ほんとうに買って良かったです。