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「フロントディレイラーはオワコン」にするワイドスレンジプロケット 【フロントシングルMTB】

mondraker DUNEのスプロケを、超ワイドレンジのE thirteenのTRS+ 9-44Tに入れ替えた。

ここまでワイドになると、元々使ってないとはいえ、もはやフロントディレイラーは全く必要ない。

今回は「フロントシングル」 vs. 「フロントディレイラー付き」のギア比の考察をしながら、フロントディレイラーの存在意義を葬り去ってみる。

 

 

フロントシングルでもギア比は十分

フロントシングルで十分かどうかは、そのギア比を計算すれば、すぐわかる。

最近主流の「超ワイドスプロケット」と「フロントディレイラー付き」で、各主要メーカーのギア比を計算してみた。

 

フロントトリプル vs. フロントダブル vs. フロントシングル

まずはシマノの「最新11速のXTグレード」で比較する。

ギアのチョイスは下表の通り(表はクリックで大きくなります)。

 

そしてギアのグラフ。ギア比はクランクを一回転したとき、リアホイールが何回転するかで表している。

まず、フロントトリプルの青のラインに注目してほしい。3 x 11 = 33速だが、各フロントチェーンリングで、ギアレシオが重なりあっている部分が多すぎる(使い勝手を無視すると、真ん中の30Tなくても良いくらい)。

もちろん、1-11速の各ギア比が離れてないので、シフトショックが少ないのはメリットだが、MTBでは平地でだんだんと速度をあげてくシチュエーションが少ないので、あまり重要ではない。下り坂などでは一気にシフトアップするし、登りに差し掛かると一気にギアを落とすからだ。

 

フロントダブルについても、トリプル然り、ギアレシオの重なりが大きい。

 

さて、本題のフロントシングル。

上表の「最大ギア比」と「最小ギア比」を表した「Max/Min range」でみると、フロントトリプルの661.2%に対し、フロントシングルは418.2%と2/3ほどのレンジしかない

しかし、グラフで考察してみると十分であることがわかる。

ロー側の「フロントシングルの最小1速のギア比」は、「フロントトリプルの最小チェーンリングの2速のギア比」相当。

ハイ側の「フロントシングルの最大11速のギア比」は「フロントトリプルの最大チェーンリングの9-10速の間のギア比」相当。

これって十分やん!

ちょっとでも試乗したことがある人ならわかると思うが、フロントトリプルだと、実際のトレイルでは最大、最小のギア比はあまり使用頻度は高くない(22T-40Tで、登り軽くてオモローというのはやるが)。

 

結論

実際にトレイルを楽しむ分にはシマノXTのフロントシングルでも十分

 

 

各社ワイドスプロケット対決 shimano vs. sram vs. Ethirteen

シマノ以外の各社のワイドスプロケットも比較する。

sram、Ethirteenはさらに超ワイドレンジ!

 

まずはギア比表。

 

さきほどと同様の、ギア比のグラフ。 

フロントシングル後発のシマノのだが、XTの11-46Tスプロケットで、フロントシングル先駆けのsram XX1 10-42Tに追いついている。

冒頭の写真のワタクシメのmondraker DUNEも、完成車では10-42T装着。

 

しかし、sramはさらにその先、最新のEAGLEの12速コンポで10-50Tの500%レンジ!

1速から11速まではXX1と同じようなギア比だが、12速で翼を授けるよろしく、一気にハイスピード化している。

 

E thirteenのワイドスプロケットも11速ながら、12速のEAGLE並みの超ワイドレンジ。

各ギア比の繋がり悪そうに見えるが、もともとMTBは数段飛ばしのギアチェンジをよくするので、実際には問題ない。

ちなみに、上位モデルのTRSrと下位モデルのTRS+ではロー側1-3速のギア比がちょっと違う程度(2018年モデルから、TRS+も9-44T化)。

48Rが今回購入したのは下位グレードのTRS+。セールしてたし、この程度の差だったら上位モデル買うほどでもないという判断。

 

最後のグラフ。シマノのフロントトリプルとSram EAGLE 12速 の比較。

スラム12速無双か!

 

最新XTの「フロントトリプルとリアワイドスプロケ11-40T 11速」で比較しても、この結果である。

一昔前の「フロントトリプル、リアスプロケ11-32T」なんか、「捨ててまえ!」レベル。

 

結論

スラムイーグル、Ethirteenのフロントシングルならさらなるワイドレンジ。

(でも、10-42Tの420%レンジでも必要十分。DUNEで経験済み)

 

 

 

 

まだまだあるフロントシングルのメリット

受け入れられるにはワケがある。

いまや主流のフロントシングルのさらなるメリット。

チェーンが落ちない!

「最新チェーンリング」と「スタビライザー付きのリアディレイラー」は優秀なので、富士見パノラマの上級者コースを下ってもチェーンが外れることはない。

たいてい富士見でチェーンが落ちるのは、フロント多段式の人だ。

 

 

軽量化

フロントシフター、フロントディレイラー、多段チェーンリングが必要ないので軽くなる。

リアスプロケットが大きく重くなるデメリットはあるが、差し引きしても軽くなる

 

 

調整、メンテが楽

部品点数が減るので当然。

フロントディレイラーは調整がちょっとズレるだけで変速しにくかったり、ディレイラーとチェーンが擦れたりするが、そんなメンドウとはオサラバ。

 

 

 

まとめ

ここまで読んでいただけたら、もうフロントトリプルなんて眼中にないはずだ。

実際、自分が行くことのある自走ありのトレイルでもフロントシングルで困ることはないし、富士見のダウンヒルレース中、併催のクロスカントリーレースを観戦したりするが、いまや半数以上がフロントシングル

漕ぎが重要なクロカンでさえこの結果。

もはや「フロントディレイラーはオワコン」と結論づけるには十分である。

「あえて言おうカスであると」

 

おまけでSRAMの動画紹介。フロントディレイラーオワコン動画です(笑)

 

 

ん、長くなったので、Ethirteenの9-44Tの取り付けインプレは別記事にします。

E thirteen TRS+ 9-44T 超ワイドレンジスプロケット装着【フロントシングルMTB】

Mondraker DUNEは元々10-42Tの「スラムの11速コンポ」がついていたのだが、さらなるワイドな「E thirteen 9-44Tスプロケット」がセールされていたので、ついつい衝動買いして ...

 









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