ハイエースの燃料流量、消費燃料を計測するようになって1年ちょっと。
運転のたびにエコドライブをして流量計と燃費系とにらめっこするようになって気がついた「燃費改善ネタ」や「燃費の気になるウワサ検証」をまとめました。
別に難しいことはなく、ちょっと気をつけるだけで車の燃費は簡単に10%以上は改善します。
例えば、年間10万円燃料費を払っているとしたら、10%改善で1万円もの節約。
環境的にもCO2排出低減にも繋がるので、エコドライブはぜひマスターしていただきたいです。
燃費改善のヒント集
ヒント①エンジンの暖気が終わるまは燃費が悪い
水温計も併用しているのだが、エンジンの水温が適正に上がるまで、車はアイドリング時のエンジンの回転数を上げて水温を上げようとする。
ハイエースの場合、水温が低くアイドリングの回転数が高いうちは2倍の燃料を吹いていた。
これがチョイ乗りでは燃費が悪くなると言われる理由である。水温が上がる前に目的地につくような使い方だと、燃費ガタ落ち。
ちなみにハイエースの適正水温は85~90℃。ここまで水温が上がるまでは、アイドリングの燃料噴射量多い。
燃料流量計では、暖機後のアイドリングの燃料噴射量は30ml/min台程度だが、暖機中は70~100m//minも燃料を吹いていた。
歩いたり自転車でも事足りるような距離なら、車は控えよう(健康のためにも)。
ヒント②冬場は燃費が悪い
これも理由はヒント①の水温の話と同じ。
特に冬場は水温上がるまで時間がかかるので、暖気が済むまでの燃費悪化量が大きい。冬場のチョイ乗りだと極端に燃費が悪くなるので、燃費半分なんて話もザラだ。
また、空気圧計を取り付けてわかったのだが、冬場はタイヤの内部温度が低く空気圧が低い(ボイルシャルルの法則)。これもタイヤの転がり抵抗悪化が悪化し、燃費が悪くなる原因。
外気温変化による影響で、びっくりするくらい空気圧は変わるのだ。
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冬場は他の季節以上にチョイ乗りは避けたほうが良い。
ヒント③不用意にアクセルを深く踏まない
アクセルを深く踏んでいる時と、ちょい踏みのときでは燃料の噴射量が全然違う。2倍燃料を吹いても、2倍の加速にはならない。
じわーっと加速したほうが、絶対お得。
アクセルベタ踏みの急加速では500~700ml/minくらいの燃料を吹いているが、そっとアクセルを踏むと200~400ml/minくらいの消費量で加速できている。
そして、市街地では急加速しても大して早くならない。ちょっと加速でリードしても、だいたいすぐに信号に捕まるので、急加速は無駄に終わることが多いからだ。
というわけで、アクセルはじわ〜と踏んで、燃料消費を抑えよう(でも、交通の流れを妨げるような超ゆっくり加速は論外だが)。
ヒント④無駄な加減速をせず、一定速度運転を心がける
「80km/h一定速度での巡航」と、「80km/h前後で加減速を繰り返した波状走行」とでは、前者のほうが燃費が良い。
ニュートンの運動の第一法則では、「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」というやつだ。
つまり、質量は外から力が働かない限り等速度運動をしようとするので、「一定速度」での運転は燃料消費量が少ない。エンジンは空気抵抗と転がり抵抗分のエネルギーを出力すれば良いわけだ。
ところが加減速を繰り返す波状走行ではどうだろうか?
質量に運動エネルギーを付与しなければならない。運動エネルギーはニュートンの運動力学によって、次のように記述される。
運動Energy = 1/2 x 質量 x (速度)の2乗
運動エネルギーは速度の2乗に比例するので、速度を上げるにはかなりのエネルギーを消費する。運動方程式では、速度2倍に加速するのに必要なエネルギーは4倍必要と言っている。
加速中の燃料噴射量はかなりもの。高速道路での巡行時の塩嶺噴射量は200ml/min台だが、加速時には500ml/minまで跳ね上がる!
そして減速するときはエンジンブレーキやフットブレーキで運動エネルギーを捨てている。せっかく化石燃料を燃やして20%程度の熱効率で熱エネルギーを運動エネルギーに変換したのにだ。
というわけで、高速道路ではなるべく一定速度の運転を心がけよう。
また、ちょっと前が詰まっても減速せずにすむように、車間距離も大きくとることを推奨する(安全にもつながる)。
とはいえ、一定速度の運転は意外と難しいので、クルコンを使えば楽チン。
ハイエースの後付けクルコンの取り付け方法はこちらの記事でまとめている。
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ヒント⑤高速道路の合流はむしろさっさと加速する
さっきは不用意にアクセルを踏み込まないと書いたが、必要な加速はさっさとした方がよいし、燃費は悪化しない。
必要な加速とは、例えば高速道路の合流や信号の少ない郊外道路など、一定速度巡航に移るまでの加速だ。
物理法則では、2tonの車を80km/hに加速するのに必要なエネルギーは加速時間に寄らない。ならばさっさと加速したほうが交通の流れを妨げない。
ヒント⑤は燃費向上には寄与しないが、燃費重視していつでもノロノロ加速しても、燃費向上には繋がらない場合もあるというお話でした。
街中の急加速はすぐに前に詰まったり信号に引っかかったりで不要だが、高速道路の合流はガツンとアクセル踏んですぐに速度をあげよう(その方が安全でもある)。
ヒント⑥予測運転でアクセルを早めに離そう
アクセルを踏んでいる時と、離しているときで全然燃料消費量が違うし、アクセルを離している時は「燃料カット」が作動して燃料流量がゼロになるからだ。
60km/h巡航時で150ml/minくらいの消費量だが、「D」レンジでもアクセルオフ状態だと燃料カットが作動する。
先の信号が赤になっているのが見えたら(もしくはタイミングが予測出来たら)、すぐにアクセルから足を離して惰性で走ろう。
但し、後続車がいるときに惰性でトロトロ走るのは迷惑なので、常識範囲内で!
ヒント⑦「Dレンジ」でもエンジンブレーキ時は燃料カット
ハイエースの場合、エンジンブレーキで燃料カットが作動するようになっているが、いつでも燃料カットが作動しているわけではなく、車のコンピュータで制御されている。
燃料カットの作動は、4型以降なら瞬間燃費系の表示で瞬間燃費が30km/lを振り切るので、簡単に判別可能。
ギアによって燃料カットが入る条件が異なっており、48Rのハイエースでチェックした限りでは次の通り。
ポイント
・「Dレンジ」は40km/h以上のアクセルオフで燃料カット
・「3速」では35km/h以上のアクセルオフで燃料カット
・「2速」では30km/h以上のアクセルオフで燃料カット
・「1速」では20km/h以上のアクセルオフで燃料カット
平地と下り坂でも若干作動条件が異なるようだが、だいたいこんな感じ。
よくATではシフトダウンしてエンブレで燃料カットをしようと言われるが、40km/h以上ならシフトダウンせずとも「Dレンジ」でも燃料カットされている。
エンブレで運動エネルギーを捨てるほうが燃費が悪化するので、減速度が必要な時以外の燃費目的のシフトダウンは無駄だろう。
余談だが、OBD2接続による燃料流量計では、燃料カット時の流量は正しく表示されない(ハイエースの場合。他の車は知りません)。
流量計ではエンブレ時でも燃料を吹いている表示だが、実際には別制御で燃料カットフラグがたつと燃料供給はカットされている。
OBD2の燃料流量計は、車速やエンジン回転、アクセル開度からのコンピュータからの計算値なので、別制御による燃料カットは反映されないのだ。
(燃料流量計をとりつけた最初は、ダウンシフトのエンブレで燃料消費爆上げでびっくりぽんでした)
ヒント⑧停車時は「D」より「N」のほうが燃費が良いがデメリットも多い
燃料流量計によると
ポイント
アイドリング停車時の燃料消費量は
・「D」でフットブレーキでアイドリング停車で30ml/min
・「N」でフットブレーキでアイドリング停車で20ml/min
※十分に暖気してエアコンオフ条件
停車時は「N」のほうが燃費が良いことにはなるが、100分停車してやっと1Lの差、ほぼ無視できると言ってよいだろう。
また、「N」での停車は、事故にもなりうるミスが起こる可能性もある。
間違えて「N」でアクセルオン→空吹かしで進まない→回転数高いまま慌てて「D」に入れて急発進→追突
のような事態もありうるので、筆者48Rは停車時は「D」レンジでフットブレーキ停車を推奨。
ちなみに、アイドリングストップのついてないハイエースで手動アイドリングストップはやめよう。
めちゃくちゃ手間がかかるし、エンジン始動は大電流を使うのでバッテリーの負担も増える。アイドリングストップ車は専用バッテリーがついているので大丈夫だが、非装着車での手動アイドリングストップはバッテリートラブルの元。
バッテリー交換になれば、燃料節約効果なんて簡単に吹き飛んでしまう。
ヒント⑨エアコンの消費燃料について
エアコン使うと燃費が悪化すると言われているが、はたしてその燃料消費量はどのくらいだろうか?
ハイエースの場合、燃料流量計測した結果、だいたいエアコン作動による燃料消費は15~20ml/minだった(設定にもよるが、夏場に24℃設定オートエアコン使用時)。
つまり、1時間エアコンを使うための必要燃料は0.9L~1.2L程度。エアコン我慢による燃料節約効果は低い。
たかだか1時間150円程度のためにエアコンを我慢するのは身体に悪い以外なにものでもない。集中を欠いて事故の元。
燃費のため暑さを我慢せず、気にせずエアコンを使おう。
48Rが使っている燃料流量計
レーダー探知機に燃料流量計がついているので、それを利用している。
このレーダー探知機、車のコンピュータと通信ができるOBD2アダプターで接続しているので、燃料流量だけでなく様々な車の情報を引っ張ってこれるスグレモノなのだ。
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まとめ
今回は燃料流量計をつけてみて分かった燃費に関するネタをまとめてみた。
エコドライブでは当たり前に言われている内容も含まれているが、燃料流量を計測してみて改めてエコドライブの重要性を実感することができた。
また、アイドリング時のギアポジションやエアコンネタなどは、思ったほど燃料節約効果が大きくないことが分かった。いままで貧乏性でエアコン使用時の燃料消費をついつい気にしてしまっていたが、計測してみて長年の胸のつかえが取れた思いだ(笑)
皆様のエコドライブの参考になれば幸いです。
エコで安全なドライブを楽しみましょう。
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ブログ筆者48Rの場合、トヨタディーラーより40万円も高い査定額でした。
ディーラーの査定だけだと、絶対損します。