ボディサイズが大きく運転しにくいと思われがちなハイエースだが、実際運転してみると、不思議と運転しやすいことがわかる。
最初はその運転席の位置などに戸惑うかもしれないが、すぐに慣れて、その後は狭い道や駐車でもスイスイ運転できたりする。
ハイエースの経験のない方は「ほんまかいな?」と思われるようだが、ボディサイズや小回り性能を、一般的なファミリーカーの5ナンバーサイズのミニバンと比較すると、決して「運転しにくいボディサイズではない」ということがわかる。
というか、むしろハイエースのほうが小回りがきいて運転しやすい。
今回の記事は48Rが以前から唱えている「ハイエースは運転しやすい説」を検証してみよう。
運転のしやすさとは
大きく分けて次の3つで決まる。
②最小回転半径
③見切りの良さ
では、順番に解説していこう。
①ボディサイズ
これはわかりやすいだろう。
単純に小さな車は運転しやすく、大きな車は運転しにくい。
②最小回転半径
これも意味としてはわかりやすく、よく「小回り性能の指標」として使われる。
大雑把にいって、Uターン時には最小回転半径の二倍の道幅は必要(厳密に言うと、ボディの張り出しなどを考慮する必要があるが)で、最小回転の小さい車ほど小回りがきく。
最小回転半径を小さくするには、「ホイールベースが短い」と「前輪の切れ角が大きい」が重要だ。
③見切りの良さ
簡単に言うと、運転席から「ボディの四隅の位置の把握のしやすさ」だ。
狭い場所で障害物をかわせるか見極めるのに、ボディの隅の位置がわからないと、どこまでが近寄れるか把握できず、とってもストレルフル。
たまに車のボンネット左にポールがついている車を見かけるが、それは左前方の位置把握用の目印。
最近の車はデザイン優先でボンネットが前方が下がっているので、運転席からボンネット先端が見えないからだ。
以上を考慮した上で、ハイエースとミニバンの運転しやすさを検証する。
ハイエース vs. ミニバン
まずはハイエースの標準ボディとワイド、各社のミニバンを比較してみよう。
ミニバン比較エントリー車種
エントリーは5ナンバーサイズ売れ筋の「トヨタのノア」、「日産のセレナ」、「ホンダのステップワゴン」の3車種、3ナンバーサイズは爆売れの「トヨタのアルファード」。
うちの嫁くんがハイエースを運転していると「よくそんな大きな車運転するね」と言われるのだが、実際にはどうだろうか
ボディサイズと最小回転半径の比較
表にまとめてみた。
全長[mm] | 全幅[mm] | 室内長[mm] | 室内幅[mm] | ホイールベース[mm] | 最小回転半径[m] | |
ハイエース標準ボディ | 4,695 | 1,695 | 3,715[荷室3,000]*1 | 1,520 | 2,570 | 5.0 |
ハイエースワイド | 4,840 | 1,880 | 3,715[荷室3,000]*1 | 1,705 | 2,570 | 5.2 |
ノア | 4,695 | 1,730 | 2,805 | 1,470 | 2,850 | 5.5 |
セレナ | 4,685 | 1,695 | 3,060 | 1,480 | 2,860 | 5.5 |
ステップワゴン | 4,690 | 1,695 | 3,220 | 1,500 | 2,890 | 5.4 |
アルファード | 4.945 | 1,850 | 3,210 | 1,590 | 3,000 | 5.8 |
*1 ミニバンと比較のため、室内長はワゴンGLを参考。バンは荷室長3000mmの記載
なんてこった!
ハイエースは全長4.7m以下、全幅1.7m以下の5ナンバーサイズのミニバンとほぼ同じ車格。
ファミリーカーの王道たちと同じ車格でいて、さらにホイールベースが短く、最小回転半径は小さい。
つまり、5ナンバーミニバンと同サイズで、さらに小回りが良いのがハイエース。
ノアに至っては、ハイエースよりフットプリント(全長 x 全幅)が大きかった。
さらに超巨大と思われがちなハイエースのワイドボディだが、比較すると3ナンバーミニバンのアルファードより少し幅が広いだけで、小回り性能に関してはハイエースワイドが優れている。
たまに「ハイエース、うちの駐車場に入るかな?」という質問されたりするが、なんてスットコドッコイなんでしょう。ミニバンと同じサイズなのだから、そんなの気にする必要なし!
(ハイエースのほうがミニバンより長く見えるので、気持ちは分からんでもないが)
室内長に大きなメリットのハイエース
さらに室内に至っては圧倒的なサイズ感。
一般的なミニバン勢の室内長は運転席も含めて3m前後。
どうしてもボンネットがあるので、車格の割に室内スペースを確保しにくい。
一方、ハイエースはボンネット部分がなく全長のほとんどが室内長である。また、荷室長(運転席より後ろ)だけでミニバン同等の3,000mmものスペースを有している(運転席まで含めると室内長3,715mm!)
2列目の座席を使ってもまだ1,855mmも荷室長があるので、5人乗って車中泊ベッドも常設という夢のような使い勝手なのである。
ハイエースが大きく見える理由
圧倒的な室内空間とボディ形状によるものだろう。
ハイエースはボンネットがなく、空間効率を優先したスクエアなボディ形状なので、圧倒的に体積が大きい。そのボリューム感から「ハイエース=デカい」イメージを持ちやすいのだろう。
また、街中で職人さんが使っているハイエースでは、荷物がとんでもなくたくさん載ったハイエースも見かける。
荷室長3mあるので、「どんだけ積んでるね!」ってツッコミたくなる積載量。
こういう「荷物が桁外れにたくさん積める」という印象も、ミニバンよりデカい車というイメージを増長していると思われる。
実は運転しやすいハイエース
さて、ここからは48Rが唱えている「ハイエースは運転しやすい」説について検証していく。
ハイエースは見切りが良い
さて、5ナンバーサイズのミニバンと同じ車格で小回りの良いハイエースだが、さらに運転しやすくなる要素が「車体サイズの見切りの良さ」だ。
ハイエースはそのスクエアなボディ形状のおかげでボディの四隅の位置が把握しやすく、障害物をギリギリかわすのが苦にならない。
一方、ミニバンはその小さなセミボンネットが、とにかく見切りを悪くしている。
どのミニバンもレンタカーで乗ったことがあるのだが(職業柄、レンタカー移動が多い)、運転席からボンネットの先端が見えないのである。
(黄丸の補助ミラーもついていたりするが、それも見にくい)
これでは障害物に対してどこまで寄っていけるのか把握するのが難しく、左前の障害物をかわすのがとても難しい。
ハイエースと同じ全長ながら、ミニバンは壁に寄っていけないので、実質ハイエースより大きな車格と同じようなものである。
狭い場所で見切りの悪いボンネットほど、鬱陶しいものはないのだ。
一方でハイエースはボンネットがないので、右前方は運転席のちょっと前だし、左前方は「ガッツミラー」と呼ばれる車体前部の四角を移すミラーが左前方端の目印になっているので、見切りがとても良い。
ガッツミラーがボディより飛び出しているので、壁寄せなどはとても良い目印になっている。
また、ハイエースは運転席の位置が高いので、まわりの状況も見やすい。
バックに関しては、ミニバンもハイエースも同等な印象。車体後部のピラー位置が車体後部端なので、見切りは良い。
死角に関しては、ハイエースのほうが運転席の窓が高いので左右に対しては大きいが、ミラーで確認すれば大丈夫な範囲。
ハイエースは小回りが効く
先ほどのボディサイズ比較表にも記載しているが、最小回転半径がもっとも小さいのがハイエース。
全長[mm] | 全幅[mm] | 室内長[mm] | 室内幅[mm] | ホイールベース[mm] | 最小回転半径[m] | |
ハイエース標準ボディ | 4,695 | 1,695 | 3,715[荷室3,000]*1 | 1,520 | 2,570 | 5.0 |
ハイエースワイド | 4,840 | 1,880 | 3,715[荷室3,000]*1 | 1,705 | 2,570 | 5.2 |
ノア | 4,695 | 1,730 | 2,805 | 1,470 | 2,850 | 5.5 |
セレナ | 4,685 | 1,695 | 3,060 | 1,480 | 2,860 | 5.5 |
ステップワゴン | 4,690 | 1,695 | 3,220 | 1,500 | 2,890 | 5.4 |
アルファード | 4.945 | 1,850 | 3,210 | 1,590 | 3,000 | 5.8 |
見切りの良さと最小回転半径の小ささから、狭い道で切り返し繰り返して向きを変えたり、狭い隙間に縦列駐車で車をねじ込んだり、ミニバンより圧倒的に運転しやすいのがハイエース。
元は職人さん御用達の働く車なので、狭い現場でも車で入っていける使い勝手が優先されているのだろう。
これらの理由から、総じてハイエースはミニバンよりはるかに見切りが良くて運転しやすい。
ハイエースの運転の注意点
良いところばかりではなく、ちょっとしたクセもある。
巻き込み
運転席に対して、車体の後部端がかなり後ろの位置なので、運転席位置からみた内輪差が大きいのがハイエース。
内輪差に対しては、ミニバンより気持ち10cmほど大きくかわしてちょうど良いくらい。
縦列駐車
小回り性能は悪くなく、車格も5ナンバーサイズだが、運転席の位置がミニバンに比べて車体前方のハイエースは微妙にハンドルを切るタイミングが異なる。
小さなズレで上手く駐められない縦列駐車のが縦列駐車。
ま、どちらにしても、慣れの問題の範疇。慣れるとむしろハイエースのほうが運転しやすくなる。
まとめ
ハイエースをファミリーカーにしていると、運転しにくいイメージから「奥さんがかわいそう!」「奥さんこれ運転するの!?」とまで言われるハイエース。
しかし、一般的にファミリーカーとして使われて、奥さんも普通に運転しているノアなどの「5ナンバーサイズのミニバン」と比較すると、むしろハイエースのほうが運転しやすいことが「車体サイズと小回り性能」からわかる。(もちろん、私の経験でもハイエースはミニバンより運転しやすい)
ボディサイズや運転のしにくさでハイエースを避けていた人は、もう理由にならんですよ。
子育て世代にはぜひミニバンではなく、是非ハイエースを。
運転のしやすさと、圧倒的な室内空間できっと満足します(笑)
他にも「ハイエース」タグで色々と記事書いてます。よろしければ、そちらもどうぞ。
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ブログ筆者48Rの場合、トヨタディーラーより40万円も高い査定額でした。
ディーラーの査定だけだと、絶対損します。