ジムニーには上から「XC」「XL」「XG」と3種類のグレードがラインナップされているが、4人乗り想定であれば、一番下の「XG」は後部座席の安全性が低く全くおすすめできません。
なぜXGの後部座席が危険か、その理由について詳しく解説します。
XCとXGの主な違い
XGはジムニーの中でも一番安いグレード。
トップモデルのXCと比較すると25万円ほど車両価格が安いので、余計な装備がついていないシンプルなジムニーが欲しい人やカスタムのベースに一定の人気があるグレードである。
両者の細かい違いはスズキのHPに細かく記載されているので、本記事ではサラリと大きな違いのみ解説する。
エクステリアの違い
■XC
■XG
エクステリアの大きな違いは
- XCはアルミホイール、XGはてっちんホイール
- XCはLEDヘッドライト、XGはハロゲンヘッドライト
- XCはウインカーサイドミラー、XGは通常のサイドミラー
まあ、XGもシンプルで悪くないよね。てっちんホイールのデザインもジムニーの武骨なイメージに合っているし、ハロゲンヘッドライトは着雪に強い。
また、サイドミラーにウインカーがないのも、レトロ系カスタムをするには好都合だよね。
インテリアの違い
■XC
■XG
内装についてもXGは簡素な作りになっている。主な違いをあげると
- XCはハンドルにオーディオやクルコンスイッチあり、XGはハンドルスイッチなし(クルコンもない)
- XCはインパネにメッキパーツで高級感、XGはメッキ装飾なく簡素
- XCの前部シートは撥水加工の表皮、XGのは撥水加工なし
- XCの後部シートは左右分割リクライニングかつヘッドレスト付き、XGは一体型リアシートかつヘッドレストなし
インパネのメッキ装飾やハンドルスイッチがないXGだけど、JA系ジムニーのようなシンプルな雰囲気も悪くない。
まだまだ細かいところでXCとXGに差異はあるのだが、パッと目につきやすい部分としてはこんなところ。
総じて、XGは簡素ながら25万円も安くなるので、余計な装備装飾がいらない人には良い選択肢である。
ただ、XGには重大な装備の欠如もあり、使い方によっては全くおすすめできないので、次章で詳しく解説します。
4人乗るならXGを買ってはいけない理由
その理由は、後部座席は追突されると死亡もしくは頭部に重大な損傷を負う可能性が高いから。
なぜそのような事になるかというと、ジムニーXGの後部座席には、下の画像のようにヘッドレストが付いていない。
この椅子で追突されたらどうなるか、想像できるよね?
もっと想像しやすいよう、後部から追突された時の試験映像をみてみよう(同一質量の自動車が停車中の自動車に時速約32kmで衝突した際の衝撃(速度変化時速17.6km)を再現)。
これはジムニーの運転席の後面衝突試験映像なのだが、追突されたら頭ががぐわんと後ろに持っていかれるのをヘッドレストが受け止めているのが見てとれる。
さて、もう一度XGの後部座席をみてみる。
ヘッドレストがないと頭部がやばい!!
追突時、ヘッドレストがないので頭部が背もたれを超えて後ろに持っていかれるし、さらに頭部を勢いよくリアゲートにぶつける可能性も高いだろう。
こうなると首の骨が折れるかもしれないし、折れなくても後遺症が残るような重度な鞭打ちになる危険性もある。
身体のパーツで一番重要な頭が保護されてないのである。
前方向の衝突は自分が気をつければある程度防げるかもしれないが、交差点や渋滞の最後尾での追突事故はいくら気をつけていても防ぎきれるものではない。相手が居眠りやわき見運転で突っ込んでくるリスクは常にある。
そんなとき、追突に対して危険な車に人乗せられますか?
ただでさえ軽自動車は追突に対して危険と言われているのに、いわんやこんな簡素なヘッドレストのないシートなんて。おそらく、渋滞のわき見運転15km/h程度で追突されても、頭部をリアゲートに打ちつけて危険でだろうし、首も激しく鞭打ちになるに違いない。
(ちなみに、前部座席ならXCもXGも同じ構造のシートなので安全性は同じ(シート表皮が違うだけ)。ブログタイトル通り4人乗りに対しての注意喚起です)
ヘッドレストは頭部を守る重要な保護装置で運転席/助手席には装着が義務化されている。なのに、なぜか後部座席には「ヘッドレストの装着義務」がないので、安価な車ではコスト削減のために着いてなかったりするのだ(ジムニーXG以外でも、ごく少数ついてない車も存在する)
ちなみに前部衝突でも、前方向に体持っていかれたあと後ろに跳ね返るので、やはりヘッドレストはあったほうが良い。
参考までにジムニーの安全性については、別記事で詳しく解説しています。
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JB64/JB74ジムニーの衝突安全性について徹底的に調べてみた結果
車の安全性って気になりますよね。特に軽自動車のような小さな車ってちゃんと安全性が担保されているのか不安に感じる人も多いのではないだろうか。 巷ではジムニーのラダーフレームは頑丈と言われているが、車体は ...
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というわけで、後部座席の頭の保護ができていないXGは、4人乗りとして使用するなら全くオススメできません!
ヘッドレストは頭を守るもの!
正しく使いましょう
ヘッドレストは字の如く頭を休める役割と、追突時に頭部を守る保護装置の役割がある。
ジムニーXCグレードの後部座席にはヘッドレストはついているが、高さ調整式になっていて一番低い状態だと大人の頭ははみ出してしまう。
ヘッドレストは必ず正しい高さに調整して使いましょう。シートベルトと同じくらい重要ですよ!
4人乗りとしてジムニーXGを買ってはいけない理由まとめ
XGは値段が安いし内装がシンプルで、カスタムのベースとして買うのは全然アリだと思っている。ただ、後部座席がとくに危ない車なので、XGは基本二人乗り運用がよいでしょう(XGの後部座席はエマージェンシー、4人乗るならXCまはたXLがおすすめ)。
また、ヘッドレストがついているグレードでも正しくヘッドレストを調整しないと、頭部保護装置として十分に働いてくれない。後部座席に人を乗せるときは、万が一に備えてヘッドレストの調整も忘れずに!
他にも「JB74ジムニーシエラ(☜クリック)」カテゴリーで様々なジムニーに関する記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。
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