フルサスのDJバイクはディレイラーつけて簡単なトレイルも走れるようにして運用していたのだが、結局ほぼトレイルにはいかず、極たまにトレイルに行ったとしてもDJバイクのサドルポジションでは坂道登れなさ過ぎて投げ捨てたくなるので、シングルスピード化して純DJバイクにすることにした。
今回コグはリバースコンポーネントのシングルスピードキットを使ったのだが、フルサスMTBのシングルスピード化に必須なテンショナーまで買うお金に余裕がないので、元々付いていたディレイラー流用テンショナーで解決。
やはりDJとして使うなら、シングルスピードで十分よね(世の中のDJバイクの99%はシングルスピードだし)。
シングルスピード化するバイク
シングルスピードにするのはポリゴンのTrid ZZというフルサスのDJバイク。
フレームから組んだのだが、ディレイラー付きで乗ってはみたものの、パンプトラックしか走らずスタートの助走くらいしか漕がないのでほぼ中間ギアしか使っていない。
軽量化にもなるし、今回はシングルスピードにすることに!
フルサスMTBのシングルスピード化に必要なもの
シングルスピード用コグ
シングルスピード用のコグはリバースコンポーネンツのシマノHGフリー用を購入。
見た目良し、スペーサーが細かく設定されておりチェーンラインが出しやすい、コグは13-18Tまで1T刻みと20Tまであるのでギア比のセッティングも出しやすいうえ、価格もリーズナブルな神キット(キットは13Tが付属)。
また、カラーバリエーションも豊富だ。
ちなみに、26インチDJバイクでの基本のギア比は2.0。もうちょいスピードが欲しいなら、2.0〜2.2の範囲で調整する感じだ。
フロントのチェーンリングが30Tならリアコグが15Tでギア比2.0、リアコグ14Tなら2.14だ。
(DJ界隈を調べると、ギア比2.0が基本と書いてありつつも、DJバイク完成車のギア比を調べると2.1~2.2くらいが多いかも)
表計算ソフトでギア比表も作ってみたので共有しておく(縦軸がチェーンリングの歯数、横軸がコグの歯数)。
セルの塗りつぶしは下記で分類している。
■基本の2.0のギア比
■少し重め。2.0だとペダルが回りすぎるときに。
■ダージャンには結構重い。下り系ジャンプコース向き
今回はフロントのチェーンリングは32Tのままシングルスピードキットの13Tで最初組んでみたのだが、やはりちょっと重たいので後から15Tを購入して組み直した。
街乗りなら13Tが良かったのだが、街乗りしないしパンプの助走なら15Tのほうが良いかな(14Tのセッティングも気になるところ)
チェーンテンショナー
フルサスMTBをシングルスピードにする場合、サスペンションが沈み込むとチェーンリングとコグの距離が伸びチェーンライン長も伸びるため、チェーンテンショナーは必須である。
↑下のガイドプーリー二つが動いてチェーンラインの伸びを吸収する。
ただ、今回はお金がないので元々ついていたディレイラーをチェーンテンショナーとして流用する。
ディレイラーだってサスペンションが沈んでチェーンラインが伸びても、下の二つのプーリーが動いて調整してくれるのだ。
余談だが、世の中にはテンショナー不要でシングルスピードにできるフルサスフレームも存在する。
Canyon stiched 720はBB同軸のシングルピボットなので、サスペンションが沈んでもチェーンリングとコグの距離が変わらずテンショナー不要なのだ。
また、ハードテイルは言わずもがなチェーンテンショナー不要である。
ただ、これらのバイクはテンショナーが不要な分、チェーンテンションを適正にするにはリアアクスルの位置を調整したり半コマチェーンなどを利用する必要がある。
フルサスMTBをシングルスピードにする方法
長い前置きはここまでにして、ここからは実際の作業を紹介する。
作業時間は1時間くらいかな。
必要工具
- スプロケット外し工具(シマノHG用)
- スプロケット周り止め
- モンキーレンチ
- チェーン脱着工具
- ケーブルカッター
- 5mm六角レンチ
- (必要なら)リアアクスルを外す六角レンチ
手順①カセットスプロケットを外す
まずは車体からリアホイールを外す。
次に専用工具でスプロケットを外す。
手順②シングルスピードキットを組み込む
リバースコンポーネンツのキットはチェーンリングの位置によってスペーサーで細かくチェーンラインを調整できるようになっている。
現車合わせでチェーンリングとコグが一直線になる位置に合わせてスペーサーを組み込む。
最後にロックリングを40Nmで手ルクレンチで締める。
手順③シフトケーブル、シフトレバーの撤去
シングルスピード化で使用しないシフトレバーとシフトケーブルは取り外す。
シフトケーブルは次の手順で細工して再利用するので、捨てないように。
手順④ディレイラーをチェーンテンショナー化
先ほどのシフトケーブルを短く切断する。
シフトケーブルのタイコをディレイラー本体に差し込む。
ディレイラーをコグの位置に合わせてシフトケーブルを固定する。
チェーンラインが一直線になっていてスムーズにクランクが回ることを確認する。
手順⑤チェーン長さの調整
このままでも一応乗ることはできるが、シングルスピード化で28Tの大きいギアを使わなくなったので、チェーンを詰める事にした(ディレイラーがもう少し伸びていたほうがカッコ良いし)
チェーンの切り方/繋ぎ方はコチラの記事参照。
-
-
チェーンの交換方法(シマノコネクティングピンの切り方繋ぎ方)【MTBメンテナンス】
シマノのコネクティングピンタイプのチェーンの切り方、繋ぎ方を解説します。 工具さえあれば、チェーン交換は簡単です。 チェーン交換に必要な工具 チェーンカッター チェーンフック チェーンカ ...
続きを見る
チェーンを4コマほど詰めて完成!
シングルスピード化(ディレイラー流用テンショナー化)まとめ
今回短く切ったシフトケーブルを使う方法はMTB仲間に教えてもらったのだが、ディレイラー本体だけでケーブルを引く発想が素晴らしい!
48Rは最初ハイギアの調整ネジでなんとかチェーンラインを出そうとしていたのだが、この方法だと長いネジに交換してもダメだったので、仲間にこの方法を見せてもらったときは、思わず「これだ!」と声が漏れてしまった(笑)
やはりDJバイクとしてはシングルスピードで充分だし、バイクもシンプルになりやって良かったカスタム(さらに外したシフターは息子のシングルスピードMTBの多段化で使い回します!)走りに関しても、ちゃんとチェーンライン出ているしテンショナーとして機能しているし、かなり良い感じだ。
また、応用でゲレンデ専用のダウンヒルバイクやエンデューロバイクをシングルスピード化しても面白いかもしれない。
機材のシンプル化のメリットあるし、あえてシングルギアの不便さの中で工夫して走るのも、自転車の楽しみ方のひとつだと思う。
この方法だとどんなディレイラーもテンショナー化できてしまう。パーツのグレードアップで使わなくなったディレイラー、倉庫で眠っている10速などの旧規格のディレイラーでも充分なので、圧倒的コスパが良いですよね。
[temlink post_id="29420"]