我が家は盗難車種ランキング上位のハイエースを所有していたり、セカンドカーのジムニーは自宅から離れた月極駐車場を利用していることもあって、常に車盗難の不安を感じている。
これまでも雀の涙程度の盗難対策はしているのだが、今回はさらに追加対策として、Appleの失くしもの追跡タグのAir Tagを車にとりつけてみた。
今回の記事は、Air Tagを盗難対策として運用して感じるメリットデメリットについて共有します。
注:ハイエースは海外需要が高く盗難されやすいことは有名ですが、昨今はジムニー、ジムニーシエラの盗難も増えてると近所のスズキディーラーのお話でした。
Air Tagの機能
AirTagを使ったことがない人向けに説明すると、ざっくりAirTagの機能は次の三つ。
- 現在位置の確認
- 捜索モード
- AirTagから音を鳴らす
これらをiPhoneの「探す」アプリで使用することができる。
現在位置の確認は、アプリ上でAirTagの位置が地図上で確認できる機能。
捜索モードは近くにAirTagがあるが詳細位置がわからない時に使う機能で、AirTagから発せられる電波を利用してスマホ画面上でエアタグまで導いてくれる機能(iPhone11以降対応)。
ラスト1mを切るとAirTagに近いほどiPhoneのバイブ機能の振動が大きくなるなど、感覚的にもAirTagの位置を知らせてくれる。
それでも見つからない場合は、もう一つの機能であるAirTagから音を出して耳を頼りに見つけることも可能だ(とはいえ、けっこう小さな音なので、どこから鳴ってる?とすぐに音源がわからない場合も多いが)
ざっとAirTagの機能はこんなところ。
家で迷子になりやすい(48Rだけ?)財布に入れたり車のキーに仕込んでおけば、すぐに見つけ出してくれる神アイテムである。
次章以降では、そのAirTagを車に仕込んで盗難車対策として使えるか、1年近く運用した結果を共有する。
盗難車の追跡として使えるか?
失くしたものを探す上ではこの上なく便利なAirTagだが、盗難車追跡ツールとして使用する場合、車の位置をアプリで追えるなどメリットもあるが、他にデメリットも発生する。
ここでは車にAirTagを仕込んで盗難車対策として使用した場合のメリットデメリットについてまとめる。
盗難車対策としてのAirTagのメリット
盗難車の現在位置を確認できる
AirTagを車に仕込んでいれば、iPhoneの『探す』アプリで瞬時に現在位置を確認することができる。
万が一盗難されても、位置情報さえ分かれば自分で追いかけることもできるし、SNSで「この付近でxxxx ナンバーのジムニー目撃ありませんか?」と情報求めたり、警察に駆け込んで位置情報提供したり、盗難された車が見つかる可能性はなにも位置情報がない場合に比べて格段に上がるだろう。
AirTagのバッテリー残量が少なると通知される
いつの間にかAirTagのバッテリーが切れており、盗難されてたときバッテリーがなく追跡できませんでした!とならないよう、AirTagのバッテリが低下するとiPhoneに通知が届く仕組みになっている。
また所有物一覧でもバッテリー残量が低下したエアタグにはバッテリー残量のフラグが立つ。
AirTagの電池はどこのコンビニやスーパーでも売っているCR2032。
ちなみに、CR2032はJB64/74ジムニーやハイエースのスマートキーのバッテリーと同じなので、48Rは常に車に共通予備電池として常備している。
安価
AirTagは一個当たり実勢価格4千円台前半程度(定価は税込4,980円)とお手頃な価格設定である。
また、まとめ買いをすると1個当たりの単価はさらに下がって、アマゾンでの販売価格は
13,588円 ÷ 4 = 3,397円
まで1個あたりの単価を下げることができる。
一方、盗難車対策としておなじみのココセコムの料金は下表の通り。
機能やサービスはココセコムのほうが格段に上なのは間違いないが、加入料金で既にAirTagが購入できるし、月額1,320円でさらに車が勝手に移動された場合に通知が届く盗難監視オプション(月額880円)をつけると、月当たりのコストは2,200円にも跳ね上がる。
エアタグは後述するデメリットはあるものの、コスト面でいえば、AirTag圧勝である。
とはいえ、セコムかけつけ料金11,000円はちょっと羨ましい。警察より早く危険な窃盗団が潜む根城にセコムの私兵が突入してくれるのである。
AirTagで窃盗団の場所が分かっても、48Rだったら5万円もらっても凸撃できないです(心臓飛び出るよね)。
盗難車対策としてのAirTagのデメリット
ストーカー防止機能により、窃盗犯にAirTagの存在がバレる
AirTagにはストーカーが対象者にAirTagを仕込んで追跡しないよう、持ち主から離れたAirTagが一定時間一緒に移動しているとiPhone画面に通知される機能がある。
↑は娘のAirTagつき携帯を私が持ち歩いていた時に出た警告である。
また、この時に警告音もAirTagから発せられる仕組みになっている。
とはいえ、この時の警告音は小鳥の囀りのような音なので、例えばAirTagをエンジンルームや車の下回りに仕込むことができれば、音は聞こえないだろう。
また、スマホ画面には「無効にして共有を停止することができます」と表示されるが、これは「続ける」をタップするとAirTagの電池の外し方が表示されるだけである。
つまり、AirTag本体が車泥棒に見つけられるまでは、追跡を継続することができるのだ!
車(AirTag)が勝手に移動しても通知されない
この機能がないのは非常に残念なのだが、AirTagはだれが勝手に持ち去っても通知される機能がないのだ。というわけで、車にAirTagを仕込んでいても、盗難された瞬間に間髪入れず気がつくことは不可能である。
家に車を駐車していて日に何度も車が目についているなら、車が消えた瞬間にAirTagで現在位置の確認を行えばまだ盗難車は近所の可能性はあるが、48Rのセカンドカーのジムニーのように自宅から離れた月極に駐車している場合は、数日ぶりに車を使う時に盗難に気がついても『もう手遅れ!』という場合も考えられる。
対策として1日に2回ほどiPhoneの『探す』アプリで場所を確認するという方法もあるが、いつ盗難されるかわからない車を能動的にアプリチェックするのは、48Rの場合はかなり厳しいと感じている(結局、めんどうくさくなってチェック頻度激減)。
また、AirTagの位置情報は最大5人まで共有できるので、家族で車の位置情報を共有するなどして、少しでも早く車が盗難されたことに気がついて追跡できる体制にしておくのもアリだろう。
AirTagが追跡できない環境がある
AirTagの追跡の仕組みはこうである。
世界中の人が使用しているiPhone/iPadは常に位置情報を持っていてそのネットワークをAirTagは利用している。まずAirTagから発せられたBluetooth電波が通りすがりの誰かさんのiPhoneにキャッチされると、携帯回線を通じてAirTagの位置情報をネットに上げる仕組みになっている。また、この時に中継される誰かさんにiPhoneには完全に暗号化されたデータが裏で処理されるだけなので、完全に個人の位置情報プライバシーは担保されているのだ。
GPSなどの衛星電波を使わなくても、世界中に何億といるApple ユーザーの多さの利点を活かした位置情報確認ネットワークである。
ただ、逆言うと近くにiPhoneなどのデバイスがない、またはiPhoneが近くにあっても圏外で位置情報を携帯回線に乗せられない場合はAirTagの位置情報をネットワークに上げることができないデメリットがある。
しかしながら、その場合でもロストする直前までの位置情報は追えるので、「〇〇山の麓を最後にロストした」くらいまではわかる。捜索すべき方向はわかるので、盗難車を捜索する際には有力な情報になる可能性が高いと思う。
以上、AirTagを盗難車対策として使うメリットデメリットでした。
次の章ではデメリットをできるだけ小さくする方法と車泥棒にバレにくいAirTag設置場所を解説します。
ジムニーのどこに設置する?
デメリットのところで説明したストーカー防止の機能を考えると、そのデメリットを殺すには以下の点に注意して設置すると効果的だろう。
AirTagを車に設置するコツ
- 簡単に発見できない場所
- 取り出すには工具が必要な場所
- ストーカー防止の警告音が聞こえない場所
- 複数設置する
- 取り出し不可能な場所は避ける(電池交換できない)
まず簡単に発見されてはすぐに投げ捨てられるので、分かりにく場所に設置するのが大原則。
また、犯人の心理に立ってみると、AirTagがついていることはストーカー防止機能の通知ですぐに気がついたとしても、そのAirTagが全然見つからないと常に自分の位置情報が持ち主または最悪警察などに追跡されているので気が気ではないだろう。
さらにAirTagを複数個設置することで、やっとの思いで見つけたAirTagを投げ捨ててもまだスマホのAirTagに追跡されている通知が消えない。もう一個見つけて投げ捨ててもまだ消えない。。と数の暴力で戦う戦術も有効である。
例えばAirTagの追跡通知が30分も消せないと、窃盗犯は「もう無理!」と車を乗り捨てて逃げてくれる可能性も出てくると思う。むしろ位置情報を窃盗犯にしらせないGPS 追跡サービスに比べ、スマホの追跡表示は犯人にプレッシャーを与える効果が期待できるのだ。
これはもう犯人がAirTagを見つけるか、48RがAirTagを隠し通せるかの戦いである!
AirTagを車に設置するアイテム
AirTagを車内に設置しやすいよう、防水かつマグネット付きの車載用ケースが販売されている。
AirTagにはゴムカバーを被せ、マグネット付きケースに入れて使用する。
これを使えば車の様々な場所にAirTagを仕込むことが可能である。
AirTagの設定場所
48Rがどこに設置したかブログで公開すると防犯の意味がないので非公開とさせていただきますm(_ _)m
とはいえ、読者様が同様の手法をとられる場合を考えて48Rが考える有効そうな場所だけはご紹介。
注意点として、あまりアクセスしにくい場所に設置すると防犯性は高まる反面、AirTagの電池交換がおっくうになります(笑)
サイドドア内張の内側
サイドドアの内張はプラスドライバーと内装剥がしがないと開けられれないので、そこそこ有効と考える(下の画像は運転席側だけど、助手席側に設置したほうがAirTagからの音が窃盗犯に聞こえにくいのでベターと思われる)
内張の外し方は以下の記事を参考に。
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リアゲート内張の内側
ここも内装剥がしがないと開けられれないので、エアタグの仕込みでは良い場所かと思う。
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車載工具付近
ここら辺も運転席から遠くて開けるのに手間もかかるので候補のひとつ(とはいえ、ここは工具なしでアクセスできてしまう)
ダッシュボードの内側
ナビ裏、グローブボックスの裏、メーターの裏など、工具がないと取り出せない位置に仕込むのもあり。
それぞれのアクセスの方法は下の記事参照。
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車の下回り
AirTagのマグネットケースはかなり強力なので、下回りの平なところであれば落ちることなく貼り付けることが可能である。
また、自動洗車機で下回り洗浄を10回はやっているが、いまだAirTagを位置情報を発信しているので防水性能も問題なさそうである(下回りはAirTagには厳しい環境なので、自己責任でお願いします)
エンジンルーム
エンジンルームは車内にAirTagの音が入ってきにくいと思われるので、有効な場所と考える。防水マグネットケースを使えばエンジンルーム内の色々な場所に貼り付けられるので、隠し場所も多いだろう。
一点だけ注意。エンジンルーム内でもエンジン本体周辺、ラジエーター周辺、エキマニ周辺は非常に高温になるため、それら周辺はAirTagの動作不良を防ぐために避けた方がよい。
ラダーフレームの中
ラダーフレームには穴がいくつか空いているので、その中も良いだろう。
例えばラダーフレームの車体後端の穴はリアバンパーを外さないとアクセスできないので、かなり有効である。
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AirTag盗難車対策まとめ
以上、48Rの盗難車対策のご紹介でした。
探し物タグのAirTag自体は盗難車の追跡には向いているものではないのだが、発見しづらい場所に設置したり複数仕込むことで車泥棒と戦うことは可能であると考える。
(先にも解説したが、ストーカー防止の通知機能逆手にとって、窃盗犯とAirTagが見つけられるかどうかの戦いに持ち込めば、窃盗犯がこれ以上の追跡に耐えれなくなって諦めてくれる可能がある)
また、月額料金がかかるGPS追跡サービスに比べ、エアタグは1個3千円台で入手可能で月額料金も発生しないので、コスト面でも優れている。これくらい安ければ、完璧とまではいかなくても、すこしでも盗難車を見つける可能性を高めるため、お守りとして運用してもよいくらいのコストである。
というわけで、48Rは大切な車を守るためAirTag盗難車対策運用を1年弱続けてみたが、これからも継続利用します。
その他、こんな盗難対策もしています。
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