昨年に続き、2年連続で八方尾根スキー場でのゲンテン試乗会に参加してきた。
ちなみに、昨年の記事はこちら。
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GENTEM STICK 2017年モデル試乗まとめ in 八方尾根スキー場 〜おまけでK2 TARO TAMAI SNOWSURFER BOOTSも〜
今回は48Rにしては珍しく試乗会イベントに参加。 思い返しても、イベントの試乗会でチョイノリすることはあっても、試乗会目的でゲレンデに行くなんて、今回が初めて。 今までは板なんて乗れりゃあ十分、板の試 ...
元々板にコダワリがないので試乗会にもあまり興味がなかった。
だが、去年ちょっとした興味本位で参加した試乗会が思いのほか面白かった。同じ日同じ斜面で板を比較すると板ごとの違いが分かり易い。そしてボードシェイプと乗り味の関係が分かるようになったと言うとおこがましいにもほどがあるのだが、それでもシェイプから乗り味がなんとなく想像できるようになると、シェイパーの意図を汲んで乗り方を考えたり試したりと、スノーボードがより楽しくなる。
そんなこんなで、特に個性の強いゲンテンの試乗会は楽しく、2回目の参加と相成ったのだ。
さ、前置きはこのくらいにして、今年も自分メモも兼ねてインプレッションをまとめてみる。
試乗会概要
(ほぼ昨年のコピペ)
昨年同様、ゲンテンが主催する試乗会なので、規模の大きさはショップ試乗会とは比較にならない。
ラインナップの多いゲンテンの全機種(スプリットボードは除く)が試乗可能で、さらに各機種につき2台ずつ準備されている力の入れよう(去年は3台ずつだったが)。
参加費は無料で、1台につき45分試乗可能。バインの付け外しの時間もかかるから、実質長いリフト(スカイラインペアや咲花クワッド)なら2本、八方バンクスの短いリフトなら3,4本といったところ。
その他、ライダーズセッションが開催されており、ゲンテンライダーと60分バンクスでトレインセッションできる。参加費はワンセッション4000円。
試乗会の前に
ゲンテンは種類が多いので、事前にWEBで板について勉強しといたほうが良い。ベテランゲンテン乗りには釈迦に説法のような書き方だが、ゲンテンをあまり知らないと、その多大なるラインナップに迷うこと間違いない。
去年はゲンテンのラインナップの勉強不足でお目当ての板以外は時間を持て余してしまったが、今年は予備知識もありその辺の迷いはなかった。
ただ、お目当てが決まっていても人気機種はほぼ出払っているので注意が必要。
48Rの主観だが、今回の試乗会で人気があって、板が全然戻ってこない機種は以下。
・TTシリーズ
・フローター
・トリニティ
・ベビースティングレイ
・ベビーマンタレイ
・インディペンデントスティック
・プールデッキ
・XY
これらの板は根気強く待たなければ乗れない印象。また、女性客も多かったが、その割にレディース板が足りておらず、そちらも競争率が高かった。
逆に人気なく試乗する人が少なかったのは
・ビッグフィッシュ
・スーパーフィッシュ
・ジャイアントマンタレイ
・スプーンフィッシュ
・マウンテンレーサー
彼らは板置き場で誰にも拾われない時間が長かったように感じる。
申込書は昨年同様WEBから印刷して事前に書いておくと受付がスムーズ。
参加には免許書などの身分証明書が必要。
あ、超重要なことを一つ。
ドライバーは持参しろ!バイン交換待ちが長いよ。あやうく大事なことを書き忘れるところだった。ふぅ。
試乗インプレ
前提条件
スタンスは全て板の推奨位置(全板にマーキング入っている)にセット。
アングルは普段はF12,R-12かF15,R-9くらいで乗っているんだけど、ゲンテンっぽく前振りのF18,R0で試乗しています。
但し、TT classicだけはベテランゲンテン乗り様のアドバイスでF27 R12。
当日の雪質は、寒の戻りのおかげで冬の雪に近い雪質。但し、3月の日射のせいで14時半くらいからは日射で溶けた雪がアイシーになり硬めのコンディションとなった。
ワタクシ、スノボー歴は2009/10年シーズンからなので、今年で7年ほど(しかも2012年までスキーと両刀だったので、あまり乗ってない)の上級者でもベテランでもありません。
未熟者の戯言ですが、自分が購入するときのメモも兼ねているので、乱文、乱筆、乱インプレご容赦くださいまし。
マウンテンレーサーはどこがレーサー?
板取りダッシュに間に合わなかったので、とりあえず余ってた板を試乗。
ゲンテンのショートボードはPENOMENAで全然合わなかったんだけど、今回も自分の好みとは合わず。
短い板きれのような感じで板の撓みを感じにくく反発を活かせないから、短い板なのに取り回しよく使えずちょっと鈍重な感じ。ワイズの広さも気になる感じ。
反発を感じないから、ターン後半の伸びもなく楽しくない。エッジグリップも低め。
バンクスより小さな自然地形で、遅めの速度域でスラッシュ的な遊びをするなら、短くスイングウェイトが軽いメリットが活きてくる気もするが、それなら別にゲンテンじゃなくても、という気もする。
とにかく、「レーサー」というわりに名前負けな板(酷評してごめりんこ)。
ジャイアントマンタレイは快適カービングマシン
これも目当ての板がなく、余りものを試乗。
しかし、太い見た目とは裏腹でカービングキレキレ。びっくりした。
ちょっとターンが切れ上がり過ぎる嫌いがあるが、荷重のかけ方で調整できる範囲。
太いノーズがギャップを蹴散らし、荒れたバーンでも安定してフルカービングできる。バックサイドターンの谷周りから左手の手首までビタビタに雪面につけてカービングできてびっくりぽん。もちフロントサイドも思いっきりぶっ倒せる。そして特筆すべきはその体軸倒した時の安定感。フルカービングで体軸倒したままビターーーっと安定したまま円旋回できる。良くできたサスペンションが付いているかように、同じ斜面なのに他の板よりバーンが平らになったかと錯覚するような安定感。不思議。
メーカーサイトにはマンタレイシリーズは3D地形でルーズな乗り味と書いてあるが、ジャイアントマンタレインは体軸を倒しての深いカービングターンも魅力的な板と思った。
緩斜面の長いバーンでカービングクルージングしたい。
Bigfishは活きの悪い魚
こ、これは歯が立たなかった。
自分では上手くターンできずコケまくり。
キレイなターン弧を描けないし、ターン後半でテールの反発もない。
荷重に対して板の撓みがリニアでなく、あるところから急に硬くなってそれ以上しならない感じ。これも硬い板っきれ乗っているみたい。全然板を振り回せない。
ジャイアントマンタレイで太い板良いかもと思って試乗したが、まったく良さが分からず。ブログ書きながらアレコレ考えてみたが、相当セットバックされているので、前足荷重が足りてなかったのかも。良い位置に乗れないと板の性能って出しきれないもんね。
ツインテールは去年乗ったスピードマスターはキレキレのエッジグリップと抜群の安定性でめちゃくちゃ良かったのだが、こちらのシリーズのツインテールは全く乗り味が違う。
45分借りられるが、20分(バンクスリフト2本)で音を上げた。
TT classicはあいかわらず唯一無二な尖った存在
去年は乗り方がわからず、45分の試乗を3回もした板。
今回はベテランゲンテン乗りのiseさんに頂いてたアドバイスでバインを超前振りにセットしてみて試乗。
するとあら不思議、するするターンがキマル。大きいターン、小さいターン、浅いターン、深いターンが荷重のかけかたで自由自在。サイドカーブがない割に、これもバックサイドで手首まで雪面につくようなカービングターンもできるし、地形をなめるようなずらしのターンも抵抗感なくするすると板が向きを変える感じが気持ち良い。
「TT乗り」と呼ばれる人たちからすると鼻で笑われるレベルだが、去年と比較すると驚くほど乗りやすくなった。
イセさんにヒントを頂かなかったら、今年も乗り方わからず悩みに悩んだことだろう。感謝!
とはいえ、バインのセッティングで改善したとはいえ、スイートスポットの狭い扱いにくい部類であることは間違いない。
イイカゲンに乗ると、板に「そんな乗り方じゃワシは曲がらんで~」と言わんばかりにじゃじゃ馬になるし、特に後傾になっていた踏めなくなると、全然曲がらず暴走気味に(汗)
この日は雪が良かったから乗り易かったが、コンディション次第でとたんに表情が変わることは容易に想像できる乗り味。
また、ナロースタンスの宿命として、荒れたバーンで安定感がない。楽しむにはある程度「きれいな面」は必要。
というわけで、八方がホームのワタクシには少々きつい板。
これを買うには良いターンを求める修行僧になる覚悟が必要か。
今回参考にさせて頂いたアドバイスも貼っておきます。
@48_rider TTでスタンスとアングルは重要だと思います。私はスタンス49cm、アングルF27°-B12°です。ピステン滑りは基本前足加重で、後ろ膝を引付けて、エッジでバーンを切っていくイメージですかね。後傾になると制御不能になるので、ポジションが前のめり位で丁度いいかも。
— Tatsuya Ise (@ISEtatsuya) 2016年3月1日
プールデッキは万能系
今回の試乗会で一番良かった板。
ちょっと硬めのディレクショナルツイン。
板の撓み感、反発、ターンのキレ、バンクスでのいい感じのルーズ感がバランスされた良くできた板。どこでもどんなコンディションでもいけそうな感じだ。
地形ではツインのメリットでスイングウエイトが軽いので簡単に板を横に向けてスライドできる。バンクスのリップグライドがキマルと気持ちいい。
反発と粘りのバランスが良いので小さなアクションで大きく板を動かせるので遊びやすい。ターン後半、オーリーが跳ねる!
欲しい!って思ったけど、仲間から「こういう板ならgentemじゃなくても。。。」という声もあり。。
もっともっと遊びたかったが45分で悲しいお別れ。
マンタレイは白米。
ジャイアントマンタレイが良かったので、こちらも試乗。
カービングのキレが印象的だったお兄ちゃんと比べ、こちらは同じように乗っているのに、エッジグリップは低め(とはいえ、普通にカービングを楽しむレベルではある)。
細い=カービングしやすい、と先入観を持っていたがそうでもないのね。
エッジグリップは低いが、お兄ちゃんほどギュインと小さくターンし過ぎる気難しさはないので、こちらのほうが気を使わずに乗れる。
その特徴的な見た目とは裏腹に、乗り味はあまり個性(光るところ)がない。どういう風に乗るか捉えどころがないが、逆にクセなく乗りやすく無難にどこでも80点狙いな万能板という印象。
白米のように個性はないが、乗り手次第ではどんな味も出せるだろう。
XYはパワフルカービングマシン。
2018年のニューモデル。
グラフィックがかっこよくて気になってた板。アレックス・ヨーダーのプロモデルだ。
ノーズはやや柔らかくてテールが硬い系。体重60kgの48Rではテールプレスがキツイ。
高速カービングでは、カービング後半でタイミング良く後ろ足に荷重すると、遠心力から解放された板が走る走る!硬い板をしならせて反発を感じるのは楽しい!ノーズはやや柔らかいのでターン前半のエッジの捉えも良い。
これも太い板だが、ジャイアントマンタレイ並みにエッジグリップが高い。太い板でも、シェイプ、フレックスでいくらでもカービング系になるのね。
アウトラインもジャイアントマンタレイに似ているが、ターンの性質は全然違う。同じ日に同じ斜面で比べると、XYはターン弧はかなり大きく、硬い板をしならせるため、それなりに遠心力(スピード)も必要。ビッグターン向け。
安定感もあって、そのワイズ、フレックスから荒れパウでも余裕で走りそうな雰囲気。
体重60kgの48Rには少々硬いフレックスで脚力勝負な板だが、なんとか楽しんで乗れる範囲。同じ外人プロモデルでも去年試乗のFLYFISKよりは全然ユーザーフレンドリー。
ライダーの話を横から立ち聞きレベルだが、ユーダー君のテストモデルよりはプロダクションモデルはフレックスが柔らかいらしい。
パワフルな板なので、もうちょっと練習してスピード域を上げて乗ってみたい。
ことしもおまけでK2 Taro Tamai Snowsurf boots
試着のみ。
相変わらず激軽い。そして柔らかいフレックス。
が、去年よりはしっかりした?なんか自分のBurton Almightyとそんなに変わらない。
乗り味だけなら同等かもしれない。
とはいえ、K2はBOAで簡単に締められたり、防水カバーのメリットもあるけどね。
そういえば、鬼頭春菜さんがK2のTTブーツだけどカラー違いを履いていた。もしかして2019年はレディースのK2 HK(春菜鬼頭) snowsurf bootsが出るの?!
最後に
一日7台乗って頭が混乱気味だし、記憶が冷めないうちにキーボードを殴り打ったので乱文乱インプレ失礼しました。
終わってみれば今年も非常に楽しめたゲンテン試乗会。
個性的な板はその乗り味も個性的で、乗り比べるのは非常に楽しいかった。
その中でも自分が欲しいと感じた板はpooldeck、TT Classic、XY。
去年も書いたが、そろそろTT買って乗りこなす修行に励む?
いつの日かTT Classicで気持ち良いターンをキメテ、「今のターンは筆舌に尽くしがたく候」とかブログに書いてみたいぜよ。