5年を迎えたマイJB74ジムニーシエラのクーラントを交換した。
本来ならスズキ純正のスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)の交換タイミングは7年なので3回目の車検のタイミングで良いのだが、いくら7年もつといっても、さすがに7年だとにクーラントが汚れそうだし、汚れが冷却水路の中を循環するのも嫌なので、クーラントの汚れチェックもかねて交換することにした。
結果、あまり汚れてなかったので、7年でもいいじゃん!ということだったのだが、一度自分の目でクーラントの状態を確認できスッキリしたので、精神衛生的に気持ちよく車に乗れます。ちょい早の交換になってしまったが、ぜんぜんオッケイです!
今回はJB74のクーラント交換方法のブログだが、JB64も手順は同じです。
JB64/JB74のクーラント関連データ
JB64/JB74のクーラント交換時期
JB64/74ジムニーのクーラントには「スズキ純正スーパーロングライフクーラント(青色)」が使用されている。
交換タイミングは下表の通り(JB64/JB74共通)。
交換タイミング | |
新車時 | 7年または15万キロのどちらか早いほう |
2回目以降 | 4年または7.5万キロのどちらか早いほう |
2回目以降の交換タイミングが半分になる理由は、クーラントは構造的に半分ちょっとくらいしか抜けず全量交換できないので、2回目からは半分古いクーラント半分新しいクーラントのブレンド状態になるので寿命が短く設定されているのだ。
JB64/74のクーラント規定量
クーラントの規定量は以下の通り(表面は横スクロールします)。
冷却水 | グレード | スズキ純正スーパーロングライフクーラント(青色) | ||
規定量 | JB64W ジムニー |
MT車 | 4.8L(内リザーブタンク0.5L) | |
AT車 | 4.6L(内リザーブタンク0.5L) | |||
JB74 ジムニーシエラ |
MT車 | 5.0L(内リザーブタンク0.5L) | ||
AT車 | 4.9L(内リザーブタンク0.5L) |
交換では半分ちょっとしか抜けないので、今回JB74ジムニーシエラで補充したクーラントは4Lもいかなかった。
JB64/74ジムニーで使用するクーラント
現在流通しているクーラントには2種類あって、十数年前までの新車に用いられていた「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」と最近の車に用いられているLLCを長寿命化した「スーパーLLC(スーパー・ロング・ライフ・クーラント)」が使用されている。
LLC(ロング・ライフ・クーラント)の寿命は2年なので、車検ごとに交換するイメージだ。色は緑色や赤色が用いられている。
一方で近年主流のスーパーLLC(スーパー・ロング・ライフ・クーラント)は、寿命はメーカーによってバラツキはあるが4〜10年ほど。色は、青色やピンク色が用いられている。
JB64/JB74ジムニーは後者のスーパーロングライフクーラント指定車である(間違って緑色や赤色のLLCを入れても問題ないが、交換タイミングはLLCに準じた2年毎になるとサービスマニュアルに記載あり)
今回はスズキ純正スーパーロングライフクーラントを準備した。
最もクーラント使用量の多いJB74 MT車でも4L入らないので、2L入りを2個準備すれば十分である。
抜いたクーラントの廃棄方法
クーラントに含まれるエチレングリコールはとても毒性が強い物質なので、そのまま下水や外に流すことはできない。
正しく廃棄しましょう。
廃棄方法といしては次の通り。
クーラントの廃棄方法
- ガソリンスタンドもしくは整備工場で引き取ってもらう
- クーラント凝固剤で固めて燃えるゴミ
今回48Rは抜いたクーラントを適当な入れ物につめてガソリンスタンドに行くのも面倒なので、凝固剤で固めて燃えるゴミで捨てることにした。
抜いたクーラントに凝固剤を規定量投入して混ぜて放置すると、ゲル状に固まる。
この状態なら可燃ゴミでOK(地域によってOK/NGがあるかもしれないので、念の為、自治体の廃棄ルールは確認してください)。
ただ、今回ひとつだけ作業ミスって、オイル受けでクーラント固めると最後の掃除が面倒!
オイル受けに燃えるゴミのゴミ袋を被せてやればそのまま捨てられて良いよ(48Rは後の祭りで掃除が面倒だった。とほほ)。
また、オムツの吸水ポリマーでクーラントを吸い取って燃えるゴミに出しても良い(JB23の時はこの方法で捨てていた)。
まあ、おしっこ吸わせて燃えるゴミに出すのも、クーラント吸わせて燃えるゴミに出すのも、焼却炉からしたら同じよね。
オムツのほうが凝固剤よりコストは高いのだが、スーパーやドラッグストアなど、どこでも買うことができる。
JB64/JB74ジムニーのクーラント交換方法
難しくはないのだが、エンジンが熱い時は水温も高いので気をつけて下さい。また、エア抜き不十分はオーバーヒートに繋がる危険もあるので慎重かつ確実に。
作業時間:60分
作業難易度:★★☆☆☆
必要工具
クーラント補充用に以下があると便利です。
- ペットボトル
- ビニールテープ
ペットボトルを半分に切って、ビニールテープを巻いてクーラント補給口に隙間なくハマるようにする。
ペットボトルの口からクーラント漏れないよう、ちょいキツくらいがちょうど良い。
ちなみにクーラント交換の専用品もあるが、ちょっと高価だしクーラントなんて滅多に交換するものではないので、サンメカなら買うほどの工具ではない。
48Rも昔ミニバイクのレースしてた頃は毎週末エンジン載せ替えてたので(練習用とレース用エンジン分けてた)、エア抜き作業を楽にするために持っていたのだけど、引退する時バイクとまとめて処分しちゃった。
クーラントの補給口にぴったりだし、ファンネルに栓をできるのでクーラントがファンネル内に余ってもこぼれることなくファンネルを外せるのがメリット。
ペットボトルだと外すとき最後にペットボトル内に残ったクーラントがこぼれてしまうのだが、ま、古布などを当てて作業すればよいだけです。
その他消耗部品
ラジエターキャップも消耗品なので、適宜交換してください。
ウチの12年落ちのJB23ジムニーはラジエターキャップの劣化でリザーバータンクが空になる事件が発生したが、ラジエターキャップ交換で解決した。
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安いものなので、トラブル前に、10年くらいでキャップは交換したほうが良さそうだ。
手順①ラジエーターから古いクーラントを抜く
最初はラジエーターキャップは締めたままで作業する。
ラジエーターを下から覗き込むと、白いラジエータードレンコックが見える。
これを手で半時計周りに回すと、ラジエーター下部からクーラントが排出される。
排出が始まったら、ラジエーターキャップを取り外すとクーラントの排出の勢いが増す。
クーラントは適用な容器で受けましょう(先にも書いたが、このとき受けにビニール被せておけば、クーラント廃棄後の掃除の手間が省ける)。
5年53,000km走ったクーラントはけっこう綺麗。スラッジは見えないし、透明感あり油っぽさもないのでオイルリークなどもなさそう。新品のクーラントと比べると少し色が濃いので多少汚れはあるかもしれないが、まだまだ十分に使えそう。
マニュアル通り「7年または15万キロ」で問題なさそうである。
排出したクーラントは前述した凝固剤で固めて可燃ごみへ。
手順②クーラントの補充
クーラントの排出が止まったら、ドレンコックを閉じて補給口にペットボトルを挿入する。
最初はエンジンをかけずに入れられるところまでクーラントを入れる。
ラジエターの上側のホース(アッパーホース)を揉んだりして、初期エアも抜く。
手順③クーラントのエア抜き
クーラントを入れただけでは、山あり谷ありの冷却水路内のエアは抜け切らない。この残っているエアをクーラントの循環を利用してラジエーターのクーラント補給口に集めて抜いてやる必要がある。
クーラントを循環させるのにエンジンをかけてウォーターポンプを動かすのだが、このとき次の点に注意してください。
エア抜きのポイント
- 補充に使ったペットボトルを挿しっぱなしで3〜4cmくらいクーラントを入れておく(エアが抜けた分クーラントが勝手に入る)
- ヒーターは最大温度「H」
- サーモスタットが開くまで暖気運転で水温をあげる(サーモは82℃くらいで開くので、水温計で確認するか、ラジエーターファンの始動を目安に)
要は、ヒーターユニットにもラジエーターにもしっかりクーラントが循環して冷却水路内に残ったエアを排出できるようにする。
サーモが開いてラジエーターまでクーラントが循環するようになると補給口付近にエアが集まってくるので、またアッパーホースをモミモミしてエアを抜き出していく。
ペットボトルにクーラントを入れておくとエアが抜けた分勝手にクーラントが補充されるのだが、ペットボトルにたくさんクーラントが残っていると最後外すときにこぼれるので、クーラントはちょっとずつ継ぎ足しながらエア抜きをする。
ラジエーターファンが何回作動してエアが出てこなくなったら、エア抜きは完了。
この時点では完全にはエアが抜けてないが、通常走行でクーラントが温まると膨張してリザーバータンクへクーラントが流れるが、そのとき残存エアも排出されるので問題ない。ちょっとぐらいのエア入りではすぐにはオーバーヒートしないので、この時点では大体のエアが抜けていればOKである。
手順④リザーバータンクのクーラント入れ替え
リザーバータンクは10mmボルトを外せば取り外せる。
中を水道水で軽く洗って、リザーバータンクの「FULL」の線のちょい上まで補充する(エンジンが冷えたらクーラントが収縮してエンジン側に引き込まれるので、「FULL」より水位が下がる)
手順⑤走行後にリザーバータンクを再点検
先述のように、走行してエンジンが温まるとエンジン内のクーラントが膨張してリザーバータンクへ移動し、このときラジエーターキャップ周辺に集まったエアも一緒に排出される。また、エンジンが冷えるとリザーバータンクからエンジンへクーラントが戻るが、エアが抜けた分クーラントがエンジンに引き込まれるでのリザーバータンクの水位が下がる。
何度か軽く走行して(いきなり100kmとか走行しないでね)、リザーバータンクのクーラントが減っていたら補充する。
基準としては、エンジンが完全に冷えた状態で「FULL」の状態であればOK。
クーラント交換作業は以上です。
お疲れ様でした。
JB64/JB74ジムニー クーラント交換まとめ
特に難しい作業はないのだが、冷却水は水冷エンジンの肝なので、エア抜き作業は確実に。
また、排出したクーラントは毒性の強い物質なので、適切な方法で廃棄しましょう。
今回、5年乗ったクーラントの状態をこの目で確認し、さらに交換までして車も心もリフレッシュ!これで次のクーラント交換まで安心して乗れます。
メンテナンスの参考になれば幸いです。
他にも「JB74ジムニーシエラ(☜クリック)」カテゴリーで様々なジムニーに関する記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。