毎年5月になると首都圏から近いということもあって多くの人がやってきます。斜面のスケールで言えば、富士山は日本有数のビッグスロープ。
まっさらな超巨大バーンに自分のシュプールを残す。うーんマンダム(YSHR風に)
やはり登山シーズンの混雑を考えると、滑り手であれば富士山を楽しむには春がベスト。
しかし、一歩間違うと死亡事故にもなりかねない危険な山である。去年もバックカントリーで滑落事故!って話も聞きました。
そこで富士山に挑戦したい!って人のために気を付けるべき点やコツなどをまとめたいと思います。
主に48Rの経験や周りの意見を参考にまとめてみました。
間違いや、他にもこんな注意点があるなどございましたらご指摘下さい。追記致します。
①時期
あまり早いとカチカチ注意です。
一般的にはGW〜6月中旬くらいでしょうか。
GWだと、かなり暖かい日を選ばないと8合目以上はカチカチでしょう。6月になるとブルドーザで除雪した溝ができるので、落下注意。
ベストは五月中旬〜下旬です。
②ルート
富士山には4つの登山口があります(富士宮、御殿場、須走、富士吉田)
富士宮ルート
五合目の標高が一番高く(2400m)、一番簡単です。剣ヶ峰(最高峰)も近い。
南面なので雪も緩みやすいです。雪はやや少な目かな。
初めてならこのルートがおすすめ
須走口ルート
五合目(2000m)は低いですが、登りの斜度が緩くシール登行可能。
やや硬い時もあるのでスキーアイゼンはあったほうが良いです。
斜面は超巨大な一枚バーンです。どこでも滑れます。雪多い!
吉田口ルート
五合目は2300m。48Rは行ったことないけど、吉田大沢は良いらしい。北東向きの沢なので、少し遅めの5月下旬くらいが良い。
御殿場口
なんと標高1440mからスタート(笑)下まで雪がついていないことも多いのでバックカントリー向きではない。
③高度順応
富士山は日本最高峰。簡単に高山病になります。高度障害に対する強さはかなり個人差があるように感じます。
なるべく高山病を避けるため、できればアタック日の前日に入山して5合目で寝ましょう。
④睡眠
めちゃくちゃ大事です。寝不足は高山病になりやすいです。また、体力の面からも睡眠は需要です。
アルコール飲むと睡眠が浅くなるし、高山病にかかりやすいので前日の宴会は控えめに(^^;
⑤アプローチ
各登り口は駐車場からしばらく登山道歩きます。スキーのゲレンデブーツだとかなりしんどいです。
歩く距離によってはアプローチ用に運動靴を用意するのもあり。
⑥ゆっくり登る
体力温存だけでなく、急激な高度変化は高山病になりやすいので少し遅いかな程度で登りましょう。
とはいえ、天候の急変に対するマージンという意味でも遅くとも12時にドロップしたいところ。11時着を目指して、所要時間を逆算して出発しましょう。
⑦水は重要
水不足は高山病になりやすいのでこまめに飲む。
寒いので飲むとどうしてもトイレの回数増えますが水が不足すると高山病になりやすいです。
48R的には1.5〜2Lは持ちたいところ。
女性はトイレをする隠れる場所がないので、ツェルトなどで隠してもらいましょう。(富士宮ルートなら少し岩陰あります)
⑧アイゼン、ピッケル
5月とはいえ、気温は氷点下で曇るとあっという間に雪面は氷になります。また、朝は気温低く雪面はカチカチです。富士山はずっと一定斜度が続くので、滑落したら止まらない。。。
というわけでアイゼンワークは重要。転ぶと何百mも滑落します。ほんと気をつけて。
⑨ハイク道具
富士宮からはシールを使える斜度ではないのでアイゼンが基本。
須走からは条件良ければシールとスキーアイゼンで山頂まで行けます。
ボードの人はシューを持たずアイゼンで登るほうが軽量です。上部はアイゼン歩行になると思うのでスノーシューとボードを担ぐのはしんどいです。
斜度が緩いうちは、板は背負わずにスリングとカラビナで引っ張ったほうが楽です。
5月下旬にもなると夏道(登山道)が出てくるので、雪渓を避けて登山道をスニーカーで歩くのも手です。
事前に情報を収集して臨機応変に効率良く歩きましょう。
⑩滑り
放射状に斜面が広がっているので、間違った方向へ降りると帰りは延々トラバースすることになります。
ガスに巻かれたりして、滑る方向が分からなくなったときはこまめにGPSで位置を確認しましょう。
とにかく大斜面なので、でっかく楽しみましょう!初めてなら、広すぎる斜面と雄大な景色のスケールに圧倒されると思います!
⑪お釜滑降
標高差200mです。
標準なら30分ほどで登れる距離ですが、ここは日本最高所。
高度障害も出る可能性があるので、倍の時間を見て予定を組んだほうが良いでしょう。無理に滑ると下山が遅くなるので注意。
⑫撤退
曇ったり陽が傾いたりすると、あっという間にカチコチになります。
ヤバいなと思ったら早めに下りましょう。
高山病にかかったときも同様です。休んでも回復しません。高度を下げるしかないです。
⑬最後に
やる気さえあれば誰でも楽しめる山です。頑張ってください!
富士山バックカントリーの様子は動画でどうぞ。
去年のTKちゃんと須走口の動画
一昨年の嫁ちゃんとの富士宮口の動画
去年の写真。
有名な富士山の遠近法マジック。六合目から山頂を撮った写真なんだけど
凄く近く見えて、なかなかたどり着かない。
須走の大斜面!とにかくデカい!
日本一の大スロープではなかろうか。
下山後は魚啓がオススメ!