自転車 道具ネタ

Dura Aceグリスでハブメンテ ~カップアンドコーンベアリングの玉当たり調整~

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先日、リアホイールが酷いくらい振れてたので、ショップに修理に送って

返ってきたホイールをチェックしてると、ZEEハブのベアリングがゴリゴリなのに気が付いた。

 

いや、もうゴリゴリというか、ガリガリ。ガリガリ。

なんだか、回してるだけでハブが消耗しそうだし

ベアリングの悲鳴が聞こえてきそうで、さすがにハブのメンテをすることにした。

(使用歴は購入してから20日走行ノーメンテ、マッドも1日という感じ)

 

ハブベアリングの種類

カップアンドコーン

カップアンドコーンと呼ばれる玉受けと玉押しの間にベアリング玉を配置するタイプ

素人でも高価な特殊工具を必要とせず、分解メンテができる。

その反面、作業が面倒だったり、調整にコツがいる。

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ベアリング圧入タイプ

ベアリングの取り外し、圧入に高価な特殊工具が必要だけど、面倒な玉当たりの調整がない。

基本、交換すればいつでも新品同様の回転に戻る。

48Rの場合、オートバイのホイールベアリングを年一で交換してたので

こっちの方式のほうがなじみが深い。

PHO_Hub_240_Explosion_620x327px

 

 

今回はシマノハブなので、面倒な①のタイプ。

 

ま、自転車のベアリング圧入工具は持ってないし、個人で使用頻度の低い特殊工具を所有するのも

作業回数を考えると効率が悪いので、それを考えると①の方式も悪くはない。

 

必要なのは時間と根気と1000円のハブレンチだけ。

 

ちなみに、シマノハブはどのグレードでも基本構造は同じなので

XTRだろうが、DeoreだろうがDuraACEだろうが、どのハブも作業は同じである。

 

必要工具

・ハブレンチと呼ばれる薄いスパナ

 

・スパナレンチ(モンキーレンチ)

 

・プレミアムグリス(旧DuraAceグリス)

 

・パーツクリーナー

 

・キッチンペーパー

 

デュラエースグリスは容器タイプとチューブタイプが売っているけど

チューブタイプのほうが細かい場所にグリスアップしやすい。

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名前はロードバイクのコンポだけど、MTBでの使用も問題なし。

 

 

カップアンドコーン型ハブの構造

まずは分解する前に、パーツリストで構造を理解すると

あとの作業が俄然やり易い。

スクリーンショット 2015-11-16 22.36.13

 

簡単に説明すると、アクスルシャフトの違いこそあれ(QR 10mm or 12mmスルーアクスル)

回転しないシャフト部にベアリング玉を介して、回転するハブ外周部が接続されている。

 

ZEEハブではないが、こちらの絵を参考にするとわかりやすいかな。bearing_cup_cone31

シャフトとハブ外周部はベアリング玉を除いては一切お互い接触しておらず

すなわち、全荷重がベアリング玉にかかっており、その荷重を受け止めたうえでスムーズに回転しなければならない。

 

シャフトにはコーン、ハブ外周部にもカップと呼ばれるベアリングの玉受けがあり

これとベアリング玉の状態が回転状態を決める重要ファクター。

カップとコーンのクリアランスを調整して、最適な回転が得られるように調整するのがキモとなります。

 

 

 

 

作業

まずはシャフトのロックナットを緩める。

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ディスクブレーキ側。こちら右端がロックナット。その内側がコーン。

 

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フリーボディ側

 

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モンキーレンチとハブレンチでロックナットを緩める。

 

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ロックナットを外したところ。シャフトについている部品がコーン。

 

コーンを取り外す。

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そうすると、フリーボディ側からシャフトを抜くことができる。

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いよいよベアリング玉とご対面。

ブレーキ側。

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フリーボディ側。こちら側は玉が乗せてあるだけなので、ポロポロ落ちる。注意。

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ベアリング手前にあるパーツはダストシール。

 

 

ダストシールは変形しないように、そっとマイナスドライバーでこじって外す。

変形させてしまうと、隙間が空いて再使用時に泥が侵入しやすくなるよ。
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うぎゃぎゃ、泥侵入しまくり。

そりゃ、ゴリゴリするわいな。

 

 

キッチンペーパーの上に部品を並べて、パーツクリーナーで洗浄。

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ドロドロ。。。

 

 

ベアリングと玉受けはガリガリでアウト。IMG_4691 IMG_4703

さすがに交換します。

 

ところで、シマノの部品の発注はサイクルベースあさひのオンラインショップが便利。

パーツ一個から注文可能。

 

 

クリーニング&部品交換をしたら、逆の手順で組み付け。

ブレーキ側は簡単。

 

ここでDURAエースグリスをたっぷりとぬって組み付ける。

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余分なグリスは泥や埃からベアリングを守るシールの役割も兼ねるので、はみ出すくらいたっぷり塗る。

 

 

フリーボディ側はベアリング玉が独立しているので、ちょっと面倒。

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ここもたっぷりグリスを塗って、グリスを糊がわりに、ベアリング玉を一個一個置いていく。

グリスが少ないと、玉がこぼれて作業しにくい。

 

続いてシャフトの挿入。

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最後にコーンとロックナットを締めて完了だけど、ここがハブメンテのキモ。

 

ロックナットを締めるまえに、コーンを締めて、玉当たりと呼ばれるクリアランスの調整をする。

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締めすぎると回転が悪くなるし、緩いとガタがでる。

48Rの場合はいろいろネットを調べた結果、気持ちガタがあるかな程度に合わせている。

車体に組んで荷重がかかったときにちょうどクリアランスが適正になるらしい。ま、気持ちの問題。

 

 

調整が済んだらロックナットを締めて作業完了。IMG_4708

 

 

根気さえあれば誰でもできる。

自分でメンテすると、愛着も湧くよ。

 

 









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