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【車軸ズレ補正】JB64/JB74ジムニーのラテラルロッド交換方法【両ピロボールメタルワークスナカミチ】

48RのJB74は1インチアップしているのだが、1インチアップ程度では車軸はややズレているものの車体からはみ出るほどではなかったので補正はせずに乗っていた。しかしながら、ピロボールのラテラルロッドに変更することでステアリングのレスポンスが良くなるということで、今回メタルワークスナカミチの両ピロの調整式ステンレスラテラルロッドに交換、ついでに微妙にズレていたアクスルも調整した。

結果、ステアリングに対する応答が良くなり、峠道に行くとついついペースが上がりがちに(楽しい!)

リフトアップに対する補正はもちろん、両端ピロボール化はノーマル車高でもハンドリングが良くなるので、おすすめカスタムです。

 

 

ラテラルロッド補正の必要性

リフトアップすると車軸(タイヤ)が左右にずれる原因と補正方法については別記事で詳しく解説している。

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45214-77R00

 

 

ラテラルロッドの種類

アフターマーケットのラテラルロッドはほぼ全てが全長調整式になっており、リフトアップ時の車軸補正に対応している。

構造としては、エンドがそれぞれ右ネジ左ネジになっており、車体に取り付けたままでもロッドを回転させることで全長を調整することが可能である。

 

また、ラテラルロッドのエンドはサスペンションがストロークする際に捩れ方向の力が加わるので、捩れを許容するジョイントでなければならない。

このエンドには次の種類がある。

  • ゴムブッシュ
  • ウレタンブッシュ
  • ピロボール

ラテラルロッドは車軸の補正だけでなく、タイヤの横力を車体に伝える役目もあり、ブッシュの剛性はハンドリングキャラクタに影響する。

それぞれ特性に違いがあるので順に解説する。

 

ゴムブッシュ

純正にも採用されているゴムブッシュ。

特徴としては、柔らかいゴムのブッシュなので、ロッドの捻れに対する動きが良く、衝撃も吸収して柔らかい乗り味。

一方でレスポンスはウレタンブッシュやピロボールに劣るが、逆に無用に細かい横揺れを車体に伝えないのでコンフォートな乗り味になる特徴を持っている。

 

ゴムは劣化するのでいつかは寿命を迎えるが、JB23純正ラテの場合は12年くらい経っても大きな不具合はなかった(それでも交換したらシャッキリしたが)

 

 

ウレタンブッシュ

ウレタンとはいわゆるプラスチックの一種である樹脂素材で、柔軟性を持っているのが特徴である。

柔軟性があるとはいえゴムよりは剛性が高いので、ブッシュとしての捩れは許容しつつも剛性を確保することができる。

メリットとしては剛性アップによるステアリングレスポンスアップが期待できるし、48Rは経験したことないがジムニー持病のジャダー対策にも有効らしい。

デメリットとしては、ブッシュ剛性が高く捻れにくいので、サスの動きをやや阻害する傾向がある。

なので、オフロードより街乗り派でシャッキっとしたステアリングレスポンスが欲しい人に向いている。

 

一般的な物性としてはゴムより耐久性は高いが、環境によっては加水分解で劣化が早まったり、粗悪なウレタンブッシュは加水分解しやすかったりするので、評判の良いものを選んだ方が良い。

 

 

ピロボール

ピロボールとは、軸を通す穴が空いた球状の金属球ライナーをわずかなクリアランスを持つ球面ハウジングで支える構造になっている。ガタは一切ないのに捩れ方向にはスムーズに動くのが特徴である。

捩れ方向にはスムーズなのでサスペンションの動きは良くなるうえ、ガタがないのでステアリングレスポンスに優れるエンドである。

デメリットとしては、価格が高いことや路面の細かい振動まで伝えてしまうので乗り味としては少々硬めになる。また、耐久性に関しても注意が必要で、油切れや砂の侵入でピロボールの摩耗が促進され、ガタが発生する要因となる。予防として定期的なクリーニングやグリスホールからの給油が必要など、メンテナンスが必要になる。

また、ガタがない分衝撃をダイレクトに車体に伝えてしまうため、車体側にダメージが蓄積しやすい。オフロードなら車体にガンガン衝撃が入るので、オフロード走行の多い人は両ピロは避けたほうが良いだろう。

 

ちなみにピロボールには金属球とハウジングの間にPTFEライナー(極薄のフッ素樹脂ライナー)を用いた無給油タイプのものがある。これはPTFEライナーの自己潤滑性により給油メンテナンスが不要であり給油式ピロより耐久性に優れる特徴があるが、さらに高価である。

とはいえ、ピロボールは滑り接触面の摩耗が進行してガタが発生したら寿命です。定期的にラテのロッド部を手で揺すってガタがあるか、異音が発生するか点検が必要。

 

SNSのジムニー界隈では人気の高いピロボールラテラルロッドだがカスタムショップはピロボールのメリットしか言わないので、ちゃんとデメリットも把握したほうが良いです。

 

 

エンドは組み合わせもあり

先に説明したそれぞれのエンドにはメリットデメリットがあるので、それらを組み合わせて特性を変えるのもあり。

よくあるのがピロボールとウレタンブッシュの組み合わせ。

両ウレタンだとサスペンションの動きが悪いといったデメリットを片ピロにすることで捩れ方向の動きを許容しサスペンションの動きを良くしつつ、両ピロほど乗り味が硬くない仕様だと思う。

 

エンドは捩じ込み式になっており単品で交換もできるので、色々試すのも面白そう。

 

 

購入したのはメタルワークスナカミチ
ステンレス両ピロボールラテラルロッド

色々なパーツでお世話になっているメタルワークスナカミチさんの両ピロ 全長調整式ステンレスラテラルロッドを前後購入。

メタルワークスナカミチさんはステンレスの溶接が綺麗なのと、エンドのピロボールもミネベアの無給油タイプを使っているので品質はバッチリ。

両ピロにしたのは、48Rはオンロードがメインなのでハンドリングのレスポンス向上を狙ってのこと。

 

 

ピロボールにゴミが侵入しないよう、ワイルドグースさんのピロボールブーツも購入。

メタルワークスナカミチでもピロブーツは販売されているのだが、ワイルグースさんのブーツのほうが半額くらいで入手できるのでコチラを選択(節約節約)

 

ナカミチさんのピロボールに被せてみたところ、ピッタリ!

カラーにブーツがぴったり密着しているので、ピロボールの寿命が飛躍的に伸びそう。

 

 

ラテラルロッド交換調整方法

必要工具

・ラチェットレンチ

・長めのブレーカーバー(スピンナーハンドル)

・17mmソケット

・19mmソケット

・17mmメガネ

・トルクレンチ(100Nと160N)

・モンキーレンチ x 2

・糸と重り

 

 

手順①車軸のズレ確認

まず最初に1インチアップしたJB74の車軸のズレを確認する。

糸の先に錘をつけ、フェンダーに糸をテープなどで固定して、糸とタイヤサイドウォールとの距離を測定して車軸のズレを確認する。

測定した結果は下表の通り。

糸とタイヤの距離
フロント 10mm 6mm
リア 11mm 5mm

 

リフトアップした分、ラテラルロッドの円運動により車軸が若干右よりになっていた。とはいえ、ズレてはいるが、車体からはみ出していないので保安基準的には問題ない(厳密にいうと、車軸がずれている分リーディングアームも1Gでわずかな捩れが発生していた)。

これらをラテラルロッドの長さを調整することで車軸をセンターに持っていく

 

 

手順②リアラテラルロッドの取り外し

リアのラテラルロッドの両端は17mm。

 

左側はボルトのみなので、そのままラチェットのみで取り外すことができる。

 

右側はボルトナットで固定されているので、周り止めのレンチが必要だ。

 

取り外したラテラルロッドのボルト。

かなり錆びてるね。。。

せっかく交換するんだから、新品用意すれば良かった(時すでに遅し)

ちなみに、ラテラルロッドのボルトは品番46215-77R01が2本。

 

 

手順③リアラテラルロッドの取り付け

ピロボールのカラーにはグリスを塗布し、ブーツとの密着性を高めて防水防塵性をアップさせる。

このとき、ピロボールには絶対グリスをつけないこと。メタルワークスナカミチさんのピロボールは無給油タイプなので油膜潤滑は必要ないし、グリスを介してゴミが入るとかえって耐久性が下がってしまうからだ。

 

ピロボール両端にカラーをつけて、車体にセットする。

穴の位置が合わない場合は、ボディを横に押せば簡単に合わせられる(ラテラルロッドがないと、ボディは簡単に横揺れする)

 

ラテラルロッド両端のトルクは95Nm。

 

取り付け方の注意点としては、右側(運転席側)のピロは右ネジにしたほうが良い。ステアリングロッドも前から見て右側(助手席側)が右ネジなので、揃えていたほうがロッドの長さの調整をするときに迷わないし、ロックナットを緩める方向も同じなのでメンテナンスしやすい(手前の転がるように回すと短くなる、で統一する)。

ま、偉そうに書いておきながら、後でステアリングロッドを調整するときにラテと逆になっているに気がついて、慌てて右側を右ネジに取り付けなおしたのだが。

 

また、片ピロの場合はホーシング側をピロのした方が良いようだ(理由までは見つけることができなかった)。

 

 

 

手順④フロントラテラルロッドの取り外し

リアより難儀するのがフロントのラテ交換。

リアのラテラルロッドのボルト径はM12なのに対し、フロントはM14なのでとにかく硬い!

 

ボルトを緩める前に、ボルトの後ろのβピンをプライヤーで外しておく。

フロントのラテラルロッドが外れるとハンドルが効かなくなるので、絶対にラテラルロッドが外れないようにされている。

 

19mmのボルトを緩めるのだが、これが硬いのなんの。スペース厳しいが、できるだけ長いレンチで緩める。

リア同様、ちょっと錆びてます。ちなみにJB23は前後ともM12のボルトだった。JB64/JB74でフロントだけM14になった理由として、ジャダー対策で剛性アップを狙っているのかもしれない。

 

ここもついでに新品に交換するなら品番「45214-77R01」と「45215-77R01」が1本ずつ。

 

手順⑤フロントラテラルロッドの取り付け

取り付けはリアと同じ。カラーにはグリスを塗布してピロブーツとの防水性を高めるようにしている。

フロントの締め付けトルクは160Nm。

これまたトルクレンチを振るスペース厳しく、規定トルクをかけるのが超大変。。

 

 

手順⑥アクスル軸のズレ調整

前述の糸と重りで基準を作って、アクスルのズレを調整する。

全長調整式ラテラルロッドなら、左右のロックナットを緩めてロッド本体を回転させると長さを調整可能だ。

ピロボールエンドのネジピッチは1.5mmなので、左右合わせてロッド1回転につき3mm長さが変化するのを頭に入れて、調整確認を繰り返してアクスルを度センターに合わせる。

 

アクスルのズレを調整できたら、ロッドが回転しないように固定しながらロックナットを締める。

 

 

手順⑦ステアリングのズレ補正

フロントアクスルの長さを調整すると、ラテラルロッドとステアリングロッドの関係性が崩れるので、ステアリングのセンターがズレる(まっすぐ走っててもハンドルが少しきれた状態になる)。

JB64/JB74から直進安定性を高めるためステアリングをセンターに戻すパワステアシストが働いているので、直進状態でステアリングホイールが傾いていると手放しで真っ直ぐ走らなくなってしまうので、必ずステアリングセンター調整が必要だ。

ステアリングのセンター調整については、別記事にて。

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インプレとまとめ

実は前後同時交換ではなく、先にリアだけ交換して1,000kmほど走って、その後フロントも交換した。

まずリアのみ両ピロに交換したときの乗り味だが、これは失敗した!と思った。オフロードでリアの足の伸びは良くなった感じはあるのだが、フロントに対してリアだけボディが捻れるように車体が振られる感じがあり、とても違和感のある乗り心地になった。リアだけ振られてとても煩い。

 

で、次にフロントも両ピロラテラルロッドに変更。

さっそく走り出してみたところ、リアが忙しく動く症状が影を潜め、乗り味に硬さは残るものの前後のバランスが取れた乗り心地に。そして特筆すべきはステアリングレスポンス。峠でハンドルを切ればスッと鼻先がインに向かっていくし、ハンドルからの情報量も増えてグリップしている感じや、タイヤが滑り出しそうな感覚もわかりやすい。これは楽しい!

乗り心地については、ちょっと硬質な感じにはなってしまったが、極端な悪化はなく許容範囲と感じている。また、フロントがゴムブッシュ純正ラテ、リアが両ピロラテの組み合わせより、前後ラテとも両ピロしたほうがバランスが整うのか乗り心地が良く感じる(よく言われる足回りのチューニングはトータルバランスが大事というのを肌で実感)。

 

純粋な乗り心地という意味では前後純正ラテラルロッドの方が路面の角を丸く感じる乗り心地で良かったが、両ピロラテラルロッドのステアリングレスポンスの良さは、乗り心地悪化を差し引いても余裕でお釣りがくるほど気に入った。

車を操ることに楽しみを見出せる人なら、絶対気にいると思います!(逆に景色を見ながらのんびりドライブを楽しむ派なら両ピロにする意味はないと思います。ピロのメンテやゴミ異物の侵入に気を使うし)

 

足回りのカスタムは違いを体感できるので面白いね!

 

 

他にも「JB74ジムニーシエラ」タグで色々ジムニー 記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。









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