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BC Stream DR155WとDR157SQの比較レビュー【スノーボードインプレ】

カービング界隈では絶大なる人気を誇るラマさんこと平間徳則さんのシグネチャーボード「DR」

その中でも特に人気の高い55Wと57SQをじっくり半シーズンほど乗り比べたので、僭越ながら比較レビューをさせていただきます。

 

ちなみに、DR61(旧シェイプ)とDR55Wの比較は過去にさせて頂いてます。

BC Stream DR161とDR155Wの比較レビュー

2年前からカービングにどハマりして、すっかりラマ先生信者の48R。 先生がBC StreamからリリースしているシグネチャーボードDR161を使っていて、さらに今シーズンは気になっていたDR155Wも ...

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比較する人

ブログ筆者48Rが比較テストした。

一応ざっくり足前を書いておくと、スノーボード歴は14年のサンデーボーダー(年間滑走日数20日〜30日くらい)

ホームゲレンデは白馬の八方尾根で、パウダーや地形で遊ぶフリーランがメイン。

カービングは2020年シーズンの2月末から足試しとしてJSBAの検定を受けて、2級→1級→Tech1までトントン拍子で合格。Tech2は3点足りずに不合格。

まあ、Tech1は持っているので、ちょっとカービングはできると言えそうです(ちなみに、ガチカービング勢ではないので、F15 R-12の横乗りダックスタンス、ツインチップで検定やってます)

ラントリは180系やリバースターン(ヒール、トゥー両方向)、ビッテリーを組み合わせて楽しんでいるレベル。高回転系は苦手です(今シーズン練習中)。

トリックはヘタッぴなので、今回はカービングよりの目線での評価です。

 

 

BC Stream DR
57SQ vs. 55W 比較レビュー

板のスペック

DRシリーズのシェイプとスペックは下表の通り。

角張りノーズ/テールの57SQに対して、55Wはとんがりノーズ/ピンテールと対象的なシェイプとなっている。

そして55Wの特徴はなんといってもウエスト幅。実に272mmもあって、足デカ族やダックスタンスでもドラグしにくくなっている(48Rはダックスタンスでカービングする人なので、このウエスト幅はありがたい)

 

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板の形状の比較

 

 

まずはノーズ形状。

57SQはスクエア形状なので、ノーズの最大幅位置からトップ側にかけて面積が大きい。

ロッカーノーズの高さは57SQも55Wも同じくらいとなっている。フレックスはどちらもしなやかと感じるくらい柔らかい(気持ち55Wのほうが柔らかいかな)

後で解説するが、これらのノーズ形状はパウダーでの浮力やスピードに明確に違いを出している。

 

また、テール形状は次の通り。

57SQがカービング特化と言われる所以はこのテール形状にあると思っている。ハンマーヘッドのようにぎりぎりまで有効エッジ長を確保を狙ったテールである。

 

下画像はテールのキックの違い。

(↑48Rは2cmセットフロントしているので、標準位置にバインを付けるともっとテール短くなります)

57SQのほうがキックが低いし、反り上がる位置もテールの最大幅から先なので、範囲も小さい。

そして57SQのテールはかなりしっかりしたフレックス!あおっても硬いし、よく緩斜面で横向きから板を縦に落とすとき、テールをプレスして板を90度回したりするじゃない?そのとき、思わず「おっ!?」と口から出るくらい、テールが想像よりしならないのだ。

 

55Wはノーズもテールもしなやかなフレックスで簡単にプレスできるのに対し、57SQはノーズに比べテールがかなり硬いバランスとなっている。

 

 

 

両極端なカービング性能

DRはカービングができるパウダーボードというポジションだけど、ゲレンデで購買層をみていると、ガチパウダー屋さんはBC STREAMなんて見向きもしないで、やはりDRを買っているのはカービング勢よね。

というわけで、まずはカービング性能について書かせて頂く。

 

55Wは以前もレビューしているが、面が綺麗なバーンでの深周りのカービングターンが得意。

ノーズの捉えが良いので、谷回りからバチーンとエッジ噛ませて板を思いっきり立てたカービングが得意だ。そして板を立てて行ってもウエストが広いのでドラグせず、ぐいぐいと曲がってくれる。短いテールはターン後半の後ろ足の荷重の掛け方でグリップさせたり弾いてトリックに繋げたり自由度も高い。

一方で、自由度は高いものの操るには積極的に板を操作する必要がある板である。かなり太いので切り替え時はエッジが遠く感じるし、切り替えの時に積極的に谷側に身体を落とし込んで谷周りから板を立てないと、思ってたラインより外を回る感じになる(一般的なワイドボードのデメリットそのままある。とはいえ、ワイドボードの切り替えの重さエッジの遠ささえ克服すれば、より板を立てられて限界値が上がるのでカービングではワイドボードはメリットしかないと思っている。ちなみにワイドボードに乗り換えた時トーサイドのほうがエッジが遠く感じるので、センタリングを調整できるバインならトーよりにセットしたほうが違和感少なくなると思っている)

 

一方で57SQは驚くくらい簡単にキレるカービングがきる板になっている(同じDRと名前がついているけど、57SQは全然異なる乗り味)

ターン前半ではでかい四角いノーズが雪面を捉えた瞬間、ノーズがグイっと入り込んでターンが始まり、ターン後半では角張ったテールが圧倒的なエッジグリップを発揮する。

エッジが抜けやすいヒールターンでも、板のグリップ力が強くて最後までバチバチのカービングができるのが快感で、ずっと遠心力と戯れながら斜面を落ちていきたいくらい気持ち良い。

(ちなみにターン後半で後ろ足に乗り過ぎるとエッジ抜けなくて切り替え遅れそうになるので、ターン後半は板のグリップ力に任せてそれほど後ろ足荷重しないほうがバランス良く乗れる。ヒールターン引っ張りすぎてヒールリバースで誤魔化すことしばしば(笑))

 

あ、でもこのエッジグリップが強烈な感覚って、以前仲間から借りたFC-Wと共通するところなのよね。

乱暴に言えば、57SQはエッジグリップの高いセミハンの板に柔らかいノーズをつけてターン前半を曲がりやすくした板という印象。

DRの61から55Wってそれほど大きなキャラクターの変化はなかったのに、57SQは角張りテールのカービング性能が個性を主張しまくりである。

 

ラントリ性能

ラントリに関してはあまり得意ではないので言葉少なめになるのだが、55Wも57SQもノーズはしなやかなので、ノーズを起点としたトリックは打ちやすい。また57SQはエッジングが強く足場が作りやすので、回転系の先行動作も入れやすくそこそこ楽しく乗ることができる(角張りてーるだけど、意外とスイッチでもつんのめったりしないし)

ラマさんのようなエグいラントリはできないが、さらっと180打つとか、リバースターンするとかドライブスピンするなどは、どちらもやりやすい板だと思う。

 

パウダー性能

先に結論を書くが、57SQはそれほどパウダー楽しくない(滑れなくはないけど、もっと楽しい板はごまんとある)

 

でかい四角いロッカーノーズは浮力があるので、低速から板はよく浮くし、荒れたパウダーでも大きいノーズが段差を潰していくので、シュプールを横切るのもそれほど気にならずにパウダーを楽しむことができる。

ゲレパウではそこそこ楽しめた。

が、問題はバックカントリーでよくある沢地や斜面のうねりなど、平板を傾けたコースではなく3D地形の斜面を滑る時。

こういう3D地形に当て込んだ時、件の角張りテールから圧が抜けなくて、ターン切り替えがめちゃくちゃ遅れるのよね。。

 

木の間隔が狭いエリアだと、ターンの切り替えが遅れて入りたいラインに乗れないこともあるので、はっきりって乗りにくい。

 

広いゲレパウだと自由なラインで滑れるのでデメリットを感じにくいのだが、3D地形やツリーランでは後悔するレベルなので、バックカントリーでは使わないほうが良いだろう。

 

 

一方55Wはパウダーでは軽快そのもの。

57SQは大きなノーズが雪面の抵抗を受けて浮いているのに対し、55Wのとんがりノーズはパウダーをかき分けて抵抗感少なく突き進む感じ。

抵抗が少ないのでトップスピードは速く、パウダーの面を撫でるような減速感の少ないターンが快感である。スピードに乗るとホバークラフトのように雪面を縦横無尽に走ることができるのだ。

また、57SQのようなテールの抜けにくさもないので、沢地形では当て込みからテールを抜いてスッとノーズをフォールライン向けて再加速、また逆バンクに当て込み!など、ライン取りは自由自在。

 

パウダーでは55Wですよ。

57SQは特化し過ぎてカービングができるパウダーボードというDRポジションではなく、パウダーでも浮くカービングボードという軸足になっている。

 

地形パークでの比較

48Rはうねうねした地形が大好物なのだが、こういうところでも57SQは勝手にテールが食うので、ずらしコントロールがしにくくて乗りにくい。

55Wは板立ててカービングする板なのだが板を立てないと結構ルーズにつかえるので、3D地形を面で滑るのは意外と楽しかったりするのだ。

 

DR155W vs. DR157SQ
比較まとめ

ざっと色々なシチュエーションで乗り比べてみたが、かなり対照的なこの2台。

55Wはカービングでは板をバチバチに立てれるとメリットしかないし、その操れるようになる練習がゲーム感覚で面白い。パウダーもゲレンデでもバックカントリーエリアでも十分楽しめるくらいパウダーでも使える板である。

一方で57SQはめちゃくちゃカービング特化。グリップやり過ぎではあるがキレのあるターンをDRでしたいならコレである。だがパウダーでは角張りテールに引っ張られるので、パウダーボードとして運用するにはちょっときつい。セミハン乗りたいけど、朝一のパウダーでノーズが沈むのが嫌っていうならアリだと思うけど、48R的にはDRにはオールラウンダーを求めているので、ちょっと期待外れかな(板が悪いのではなく、48Rの目的と不一致ということ)

 

ちなみに、23-24からDRのラウンドボードがモデルチェンジして、57SQの四角ノーズにラウンドのテールを組み合わせてきた。

57SQのターン前半に捉えや浮力の高いノーズにパウダーや地形では乗りにくかった角張テールをラウンド化(フラックスも57SQより柔らかい)することで最適化を計ったであろう形状。

57SQのノーズ/テールの特徴を知ってるだけに、ニヤリと感じる設計であり、オールラウンダーとしてのDRの上位互換でしょう。(なんとなく乗り味想像できるのと、55W以上に私にマッチすることは無さそうなので買わんけど)

 

以上、ざっくりとしたDRの素人レビューでした。

 

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