東京から白馬へのアクセスする場合、白馬村の観光情報を見ると中央道と関越道のアクセスが記載されていて、どちらで行くか悩ましいと思った経験はないだろうか?
それぞれのルートにはメリットデメリットがあるのだが、観光情報ではそんなこと一切書いてないので、17年白馬に通っている48Rが独断と偏見でそれぞれのルートのメリットデメリットを書いてみる。
白馬観光のお役に立てれば幸いです。
東京から白馬へのルート
東京から白馬へ車で向かう場合、「中央道+長野道」または「関越道+上信越道」の2通りのルートがある。
引用:八方尾根HP
どちらかのルート沿いに住んでいると迷わないのだろうが、どちらにもアクセスできる地域に住んでいると、その選択は悩ましい。
かく言う48Rも中央道と関越道の真ん中辺りに住んできるので、自宅から白馬駅まで検索するとどちらのルートも数分の違いしかなく、検索するタイミングで中央道が推奨されたり関越道が推奨されたりという感じである。
とはいえ、17年間の白馬通いで散々どちらのルートも走りまくったので、ルートごとの特徴も大体理解している。
今回はその経験からそれぞれのルートのメリットデメリットを解説する。
中央道 vs. 関越道
東京〜白馬のルートについての特徴
移動距離について
移動距離についてはその人の出発地点によって異なるので、今回は中央道周りは中央道起点の高井戸ICスタート、関越道周りは関越道起点の練馬ICをスタートとした(表が見切れている時は、横スクロールできます)
高速道路 | 一般道 | 合計 距離 | 高速料金 | |
中央道高井戸IC〜白馬八方BT | 215km | 51km | 266km | 5,150円+210円 |
関越道練馬IC〜白馬八方BT | 203km | 45km | 248km | 5.690円 |
距離で言うと、高速道路も一般道も関越道周りのルートのほうがやや短く、高速料金も安い(関越の高速料金は白馬長野有料道路の通行料210円を含んでいる。ちなみにこの道路は22:00~06:00は無料。さらに2025年2月からは完全無料化)。
とはいえ、中央道が遠回りといえるレベルではなく、東京からの総走行距離を考えると誤差レベルな差だと思う。
つまり、距離に関してはやや関越道周りが近いが、大差ではない。
走りやすさについて
次に勾配やカーブなど、走りやすさについて。
48Rの周りでは中央道周りのほうが走りやすいという意見を聞くのだが、ちょっとだけデータで深掘り。
Googleマップのルート検索を地形アプリにエクスポートして標高断面図を作ってみたので比較してみる(地形図アプリにはトンネルは反映されずそこは48Rが赤線でて修正しているので、精度はあまり高くないですが、大体の雰囲気は伝わるかと)。
高速道路区間
中央道+長野道 vs. 関越道+上信越道
どちらのルートもそれなりに山岳区間を含んでいるが、標高断面図で表すと下表の通り(図はクリックすると大きくなります)。
■中央道 高井戸IC〜長野道 安曇野IC
■関越道 練馬IC〜上信越道 長野IC
これを見ると、中央道は関東平野と甲府盆地以外はアップダウンが多く、全体的に山を走っている区間が多い。とはいえ、カーブはそれほど急ではなく緩いアップダウンとカーブが連続するという感じの高速道路である。
一方、関越道は藤岡JCTからちょっと先の吉井ICまでは関東平野なので、前半はほぼ平坦な区間(しかも関越は片側3車線で走りやすい)。藤岡JCTを抜けると急な上り区間に入り、佐久平までは高速道路としてはかなり急登区間である。しかも松井田妙義ICから先は特に勾配が急な上にカーブも多く、走りにくい印象。とはいえ、佐久まで抜けてしまうと、あとは緩やかなアップダウンとカーブしかないので、比較的走り易い。
というわけで、どちらもそれなり山岳区間があるので、走りやすさでいえば甲乙つけ難いと思う。あえて言うならば、全体的に山岳区間が多いのが中央道周り。山岳区間は短いが、急登急カーブを含んでいるのが関越道周り。
ちなみに、重ねるとこんな感じです。
一般道区間
(中央道周り)安曇野IC〜白馬 vs. (関越道周り)長野IC〜白馬
次に一般道区間の標高断面図の比較。
■長野道 安曇野IC⇒北アルプスパノラマロード⇒国道148号⇒白馬
■上信越 長野IC⇒国道19号⇒オリンピック道路⇒白馬
これは走りやすさで行ったら中央道周りルートの安曇野ICから白馬へ抜けるルート。北アルプスパノラマロードという高瀬川沿を走るルートは平坦でカーブも少なく、とても走り易い。木崎湖手前から白馬に抜ける区間だけちょっと山道になるが、それ以外は山間部の平地を走っている。とはいえ、安曇野や大町の生活道路でもあるので、やや信号は多いし交通量もやや多い。
安曇野ICから白馬までの所要時間は1時間程度。
長野市から白馬村をつなぐオリンピック道路は、長野オリンピックの時に長野長野市から白馬へ1時間へ抜けられるように整備開発された道路である。山間部を抜けるルートだが、急な登りやきついヘアピンカーブなどはなく、山道としてはかなり走りやすい道路である。また、山間部を走るルートなので信号が少なく、ペース良く走れるのも特徴である。しかしながら、それなりにカーブや坂はあるので、車酔いに弱いなら安曇野ICからのアクセスが無難。
長野ICから白馬までの所要時間は45分程度。
最後に両ルートを重ねると下グラフのようになる。
48Rの場合、中央道でも関越道でも所要時間は変わらない位置に住んでいるが、一般道の信号が嫌いなので、快速なオリンピック道路を通れる関越道周りが好き。
交通量について
距離以上に重要なファクター。なんせ、どちらのルートも渋滞で大きく移動時間が左右されるので。
下りの渋滞ポイント
下の渋滞に関しては、土曜の朝は中央道なら高井戸IC〜相模湖ICで20kmの渋滞、関越道なら所沢IC〜東松山ICで15km前後の渋滞は定番である(三連休や夏休みなら、さらに渋滞距離は1.5倍)。これを避けるため朝6時、遅くとも6時半には高速に乗ることをお勧めする(たまにの旅行なんだから、早起き頑張って!)。
また車中泊民なら金曜の夜に移動すれば渋滞知らずである。
(関東民は東京脱出が鬼門になるのが辛い、、)
上りの渋滞ポイント
上りの渋滞に関しては季節性がある。
関越道は白馬方面だけでなく、群馬や湯沢方面のスキー場からの帰り客も合流するので、日曜午後のスキー渋滞は不可避。ひどい時は藤岡IC⇒練馬ICに2時間かかるので、スキーで疲れた上での長時間渋滞はかなり身体にこたえるものである。
一方、冬の中央道周辺は観光客が減るので(草木は枯れ落ち雪は少なくただ寒いので)渋滞少なく、帰りはスムーズである(とはいえ、年末年始は帰省による民族大移動が起こるので、それなりに渋滞する)。
スキーシーズン以外の春〜秋にかけては中央道周辺の高原地に人気が集まるので、逆に渋滞がひどくなるのが中央道。特に中央道のボトルネックである小仏トンネルを先頭とした渋滞は何度もビタ止まりするほど流れが悪く、大月ICから小仏トンネルまでの30kmちょっと抜けるのに2時間かかる日もあるほどである。
一方、この時期の関越はスキー客がいないので渋滞は冬に比べると大幅に少なく、渋滞しても距離は冬に比べると短く、そこそこ流れのある渋滞なので、ストレスは小さい。
まとめると
渋滞を避けたいなら
- 冬は中央道周りが渋滞少ない
- 春〜秋は関越周りが渋滞少ない
天候について
冬になると降雪があるので、ルート選択が重要になってくる。
基本的に中央道ルートと関越道ルートでは降雪のタイミングが異なっていて、冬型で雪道が多くなるのが関越道周りのルート。冬型が決まれば長野県北部で降雪が多くなり、オリンピック道路はほぼずっと雪道となる。また大寒波の時にはさらに雪雲が流れてくるので、佐久平あたりから白馬までずっと雪道で神経をすり減らしながらのドライブなんてこともある。雪道に慣れていないなら冬型の時は関越道周りを選ばないほうが無難である。
一方、中央道は関越道〜上信越より南側に位置するため雪が少ないのが特徴で、冬型の気圧配置でも安曇野ICまでは乾燥路であることが多い、一般道も大町までは降雪していないことが多いので、冬型の時は比較的安心なルートである(木崎湖ローソンから青木湖までは降雪地帯で道も急登なので、注意が必要だが)とはいえ、こちらのルートは南岸低気圧の時は注意が必要。冬の南岸低気圧は南ほど降水量が増えるのと標高の高い中央道は雪が降りやすく、そんな日は大月ICあたりから安曇野までずっと雪道ということも少なくない。また、中央道は南岸低気圧で通行止めになる可能性も高い(南岸低気圧も強烈なら関東平野大雪で関越も止まります。あくまで関越道ルートのほうが南岸低気圧の降雪に強いと言う感じ)
下は典型的な南岸低気圧の降雪時の高速道路状況。関東平野と甲府盆地以外はチェーン規制がかかっているが、中央道は雪に弱いので標高の高い諏訪あたりで通行止めになっている。
さらに南岸低気圧の降雪が強まると、中央道全線が死にます。
↑この状況でも、関越は全線チェーン規制とはいえ、白馬までの道が通じているのがすごい。
高速道が通行止めになると詰むので、南岸低気圧の時は関越道まわりルートのほうがまだ高速が生き残る確率が高い。
一方、冬型の気圧配置の場合は下マップのように中央道周りルートの安曇野ICまではチェーン規制なし。対して関越道周りは坂城ICから先がチェーン規制となり、こんな日はオリンピック道路もずっと雪道となる。
まとめると
雪道を避けたいなら
- 西高東低の冬型なら中央道周りルートで雪道を避ける
- 南岸低気圧の降雪なら関越道周りルートで雪道を避ける
(南岸低気圧が強烈なら関東平野も雪になるが、それでも関越ルートのほうが強い)
また、白馬村内は里でも一晩で40cm積もることもあるので、スリップや視界不良には十分注意してください。
景色について
旅行なら移動中の景色も楽しみたいもの。
ダイナミックな景色でいうと、圧倒的に中央道に軍配が上がる。
なんせ、中央道は東京から行くと、関東平野から望む富士山、甲府盆地から雄大な南アルプル、小渕沢あたりからは急峻な八ヶ岳の峰々、安曇野から白馬にかけては北アルプスの大展望、さらには木崎湖、中綱湖、青木湖の仁科三湖というようにビューポイントが多いのが特徴。
関越道〜上信越道路もそれなりに山の景色は美しいが、比較をすると中央道周りには勝てない。とはいえ、一度は見てもらいたいのがオリンピック道路で通過する小川村の山桜。
新緑の4月の山々にたくさんの山桜が咲き誇り、背景には残雪を纏う雄大な北アルプルの大絶景。
4月中旬くらいが見頃だが、オリンピック道路をドライブしながらでもたくさんの山桜を眺めることができる(美しさに目を奪われるが、運転には気をつけてね)。
中央道 vs. 関越道
東京から白馬への車アクセスまとめ
長々とそれぞれのルートに48Rの独断と偏見も交えて書いてきたが、最後にまとめます。
中央道周りルートの特徴
- ラインどりは中央道⇒長野道⇒安曇野IC⇒県道306(北アルプスパノラマロード)⇒国道147⇒国道148
- 安曇野ICから白馬まで1時間程度
- カーブが少なく走りやすいが、やや交通量が多く信号も多い
- 西高東低の冬型の気圧配置でも、白馬村手前大町付近までは雪がなく走り易い
(ただし、南岸低気圧では降雪が多くなる) - スキーシーズンは渋滞が少ない
- 春〜秋は中央道小仏トンネルを基点とした上り線の渋滞がひどい
- 全体的に景色の良い道が多い
関越道周りルートの特徴
- ラインどりは関越⇒上信越⇒長野IC⇒県道35号⇒国道19号⇒県道31号(オリンピック道路)
- 長野ICから白馬まで45分程度
- 山間部を走るのでカーブは多いが、交通量は信号は少なく流れは良い。
- 西高東低の冬型の気圧配置では雪道が長くなる。
- スキーシーズンは湯沢方面からのスキー帰り客も加わるので、関越上り線の渋滞がひどい。
- 中央道ほどの絶景ルートではないが、4月の小川村の山桜は一見の価値あり。
以上、白馬旅行の参考になれば幸いです。
また、白馬のグルメ情報は別記事でまとめているので、こちらも白馬旅行のご参考にどうぞ。
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rettyや食べログのような口コミサイトとは対極の、筆者48Rによる独断と偏見の白馬グルメ情報。 白馬に通いだしたのが2008/09年シーズンからなのだが、2015年には村内にマンションを購入し、ここ ...
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