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ハイエース購入の前に貨物車(商用車)の定義とは?乗用車との違いを解説する【税金車検】

最近はブログ読者さまから、「ブログを参考にハイエースを購入しました!」などメールを頂き、とても嬉しい48Rです。今回は皆様のハイエースを買う前の参考になればと、ハイエースが分類される「貨物車(商用車)」について詳しく紹介します。

もともとは商用車として設計されたハイエースバンだが、車中泊やアウトドア、バイクのトランスポーターなど、趣味用途で購入する人は非常に多い。

しかし、皆様はハイエースバンが分類される「貨物車」は、「乗用車」となにが違うのかご存知だろうか?(ハイエースワゴンは乗用車だが)

また、ハイエースは法律的には「商用車」ではなく「貨物車」なのだが、よく聞く「商用車」という分類と「貨物車」は何が違うのかなど、正確に答えられる人は意外と少ない。

今回の記事はハイエースバンの「商用車」や「貨物車」について、「乗用車」と税金や車検がどのように異なるのか、詳しく解説します。

 

ちなみに、48Rの車歴はキャラバン(5ナンバー乗用車)、サンバーバン(4ナンバー商用車)、ハイエース1型(4ナンバー商用車)、ハイエース4型(4ナンバー商用車)と商用車ばかり乗り継いでいる(しかも全部箱バン)。

結構な商用車カーライフやね(笑)

昔はユーザー車検もやったり仕事も自動車業界人なので、普通の人より若干商用車に詳しいです。

 

 

 

商用車とは?

商用車とは、平たく言うと「働くためにつくられた車」だ。

ハイエースをはじめとするバン、トラック、バス、タクシーなどが該当し、業務用途での開発・生産された車たちだ。

ただ、法律的に明確に商用車を定義する基準はなく、カーメーカーが業務用途として売り出している車を一般的に商用車と呼んでいる。

 

ちなみに、法律的(道路運送車両法)には自動車の分類は下表のようになる。

  (注)3.軽油、天然ガスを燃料とする自動車については、総排気量の基準の適用はない

赤枠の部分が「標準ボティのハイエースバン」が分類される小型自動車の枠である。

え、小型?

そう、ハイエースの標準ボディは、あんなに大きくて広いのに、法律的には「小型自動車」なのだ。

小型自動車のボディ枠をめいいっぱい活用し、トヨタエンジニアの知恵と努力によりあんなに使い勝手の良い車になっている。

 

 

 

貨物車とは?商用車とは何が違うのか?

さっきの自動車の分類は、クルマの「種類別」と「用途別」でさらに分類される。

これがいわゆるナンバーの分類番号だ。

 

ハイエースバンで趣味用途で一番人気のスーパーGLは、標準簿ボディとワイドボディがあったり、さらにはワゴングレードなどもあるが、ハイエースのナンバーの分類は下表のようになる(表は横にスクロールします)。

ナンバー分類番号 区分 ハイエース
1ナンバー 普通貨物車 ワイドスーパーGL、スーパーロングDX
2ナンバー 普通乗合車  
3ナンバー 普通乗用車 ワゴンGL、コミユーター
4ナンバー・6ナンバー 小型貨物車・軽貨物車 標準ボティのハイエース
5ナンバー・7ナンバー 小型乗用車・軽乗用車  
8ナンバー 特種用途自動車 キャンパーのハイエース
9ナンバー 大型特殊自動車  
0ナンバー 大型特殊自動車のうち建設機械  

ここで定義される「1ナンバー普通貨物車」、「4ナンバー小型貨物車」がハイエースバンが分類される車種である。

ワイドスーパーGLは1ナンバーだし、標準ボディのスーパーGLは4ナンバーになる。

 

さらに4ナンバーの「小型貨物」と1ナンバーの「普通貨物」の違いは

小型貨物(4ナンバー)に分類される条件

・サイズ・・・全長4.7m以下、全幅1.7m以下、かつ全高2.0m以下

・排気量・・・2,000cc以下(ディーゼル車は制限無)

 

ちなみに、これらは車の定義で使用用途まで限定されるものではない。

貨物車のハイエースバンで遊びに行っていいし、乗用車で配達もしても良い(白ナンバーのタクシーは違法など、また別の法律はあるが)。

 

 

貨物車って、実際に乗用車と何が違うの?

貨物車と乗用車の違いを、「車両の構造」、「税金保険車検などの維持費」、「貨物用タイヤ」について解説する。

 

貨物車の定義と構造

ずばり、「物を運ぶための車」が貨物車で、「人を運ぶための車」が乗用車だ。

細かく書くと、次のように規定されている。

貨物車に分類される条件

  • 貨物の床面積が1㎡以上あること
  • 貨物の積卸口の寸法が縦80cm×横80cm以上あること
  • 乗車部分と貨物部分の間に適当な隔壁又は保護仕切等があること
    (最大積載量500kg以下の自動車で乗車人員が座席の背あてで十分保護されている場合は不要)
  • 貨物可能部分の座席は、すべてが折りたたみ式又は脱着式の構造であること

こうした定義のため、乗用車と異なる車両構造になっている。

ハイエースバンの場合、運転席と荷室にしきり棒があったり、後部座席は荷室を広くするために折りたたみ式になっている。

 

また、商用車は働くことが前提で距離を走ることを考慮されているので、クルマの耐久性がとても高い。

目に見えない部分なので分かりにくいが、ハイエースはきちんとメンテンスをすれば50万キロくらい使える。

長寿命で長く乗ってもクルマの価値も下がりにくい点でも、ハイエースは非常に魅力的なのである。

 

 

貨物車の車検や税金について

貨物車は商用車なので、仕事に使うことが前提であり税金面で優遇されているが、安全に運行することが重要なので、車検頻度は高い。

ポイント

・貨物車は乗用車にくらべ税金が安く設定されている

・車検は乗用車が新車時3年、以降2年ごとなのに対し、貨物車は新車時2年、以降1年ごと

これだけだと分かりにくいが、車検頻度が高くとも、税金まで含めたトータルでの維持費は貨物車が安くなる設定になっている。

貨物車のスーパーGLと、乗用車のワゴンGLで税金と車検を計算した結果を下表に示す(クリックすると拡大できます)。

車検費用などは概算だが、1ナンバーに比べても3ナンバーのワゴンGLは維持費が高い。

 

燃費なども含めた詳しい計算は、下の記事で紹介している。

【ハイエース維持費まとめ】結局どれが安いの?4ナンバー1ナンバー3ナンバー【税金保険まとめ】

ハイエースの購入で悩むのが、「購入後の維持費」である。 税金が安い4・1ナンバーか、毎年車検の必要がない3ナンバー、結局どちらがどのくらい安いのだろうか? その疑問を解決するため、48Rは2014年の ...

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元は自分用の維持費計算エクセルなのだが、購入の参考になれば幸いです。

 

 

貨物車のタイヤについて

ハイエースバンは1,000kg積載なので、フル積載だとかなりの重量になる。

したがって、タイヤは同じサイズならより許容荷重の大きい「LT(Light Track)規格」のタイヤが標準装備になっている。

LT規格タイヤを簡単に説明すると、普通の乗用車タイヤに比べ空気圧を高く設定できるので、より大きな荷重に耐えることができるタイヤだ。

例えばハイエースのタイヤの許容荷重は

タイヤサイズ 最大空気圧[kPa] 許容荷重[kg]
190/80R15 107/105 LT(ハイエース) 450 975
195/80R15 96S(乗用車タイヤ) 250 710

 

反面、空気圧が高いのと、高い空気圧に耐えるため重構造のタイヤになるので乗り心地は乗用車タイヤに比べ、とても悪い。

 

よく勘違いされるのだが、貨物車の車検は厳密に言えば「LTタイヤ必須」ではない。

タイヤの許容荷重がフル積載時の車重を満たしていれば車検は通る。

しかし、一般的には車検場の検査員が個別の車重を把握するのが難しく、「あなたのハイエースなら荷重指数100で間に合ってます」のような判断ができないため、LT規格以外は問答無用で車検を通さないパターンが多いのも事実である。

 

タイヤと荷重指数については、別記事でまとめている。

ハイエースのタイヤの荷重指数についてのお勉強 〜貨物用ではなく乗用車用タイヤは履けるのか?インチアップの荷重指数は?〜

今回は、ハイエースのタイヤカスタム(インチアップ、乗用車用タイヤ装着)をする上で、非常にややこしいタイヤの荷重指数の記事です。 ・インチアップ化の扁平タイヤでバースト? ・乗り心地の良い乗用車タイヤに ...

続きを見る

 

 

まとめ

乗用車と貨物車の違いをまとめてみたが、ただハイエースバンは荷室があってナンバーの種類が違うだけではなく、様々な点で乗用車と異なっている。

よく「ハイエースは商用車だから一年車検がちょっと。。。」などと聞くが、総合的に判断すると貨物車は耐久性が高いし維持費が安いし、我々趣味用途でハイエースに乗っているユーザーからしても非常に魅力的である。

アウトドア趣味でハイエースバンを選択するのも悪くないですよ。

 

 

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