スタッドレスタイヤってどれくらい使えるかご存知ですか?
寿命を迎えたスタッドレスタイヤはグリップが低下して使用を続けるのは危険なので、寿命を判断する3つのチェックポイントについて解説します。
スタッドレスタイヤの寿命の判断の仕方
プラットフォームで溝深さを判断する
タイヤには摩耗限界を知らせるスリップサイン(溝の一部が少し盛り上がっていて、これが露出すると摩耗限界)がついているのを知っている人も多いのではないかと思う。
↑これが摩耗限界を知らせるスリップサインで、だいたい残り溝深さ1.5mmになると露出するようになっている。スリップサインが露出するほど溝が減っていると雨の日は水を排水できず危険だし、車検も通らない。
これとは別に、スタッドレスタイヤおよびM+S表記のあるオールシーズンタイヤにはプラットフォームと呼ばれる50%摩耗を知らせるインジケーターもついている。
50%摩耗を知らせるインジケーターがついている理由としては、雪道での性能が大きく関係している。雪道でタイヤがグリップする仕組みとしては、溝が雪を噛みそれを引っ掻く抵抗でグリップしている(雪柱せん断力)。
ところが、溝が摩耗して浅くなっていると十分に雪を溝で掴めないのでグリップが低くなるのである(極端な話、溝がめちゃくちゃ浅かったら雪を掴めずスリップしまくるのは想像しやすいと思う)。
というわけで、残り溝半分を示すスノープラットフォームが露出したらスタッドレスタイヤは寿命です。
48Rのスタッドレスも、今シーズン最後でプラットフォームが露出して終了。
この状態でも結構グリップするから、ブリザックってやっぱりすごいよね(とはいえ、事故った方が高くつくので、来シーズンは新品交換します)
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ちなみに、スノープラットフォームが露出してもスリップサインが露出するまでは一応夏タイヤとしては使えます(スタッドレスはただでさえWET性能低いのに、摩耗限界が近づくとさらにWET性能が低くなっている点には注意が必要だが)。
まとめると、
スタッドレスタイヤの寿命
- 50%摩耗の目安を知らせるプラットホーム
→スタッドレスタイヤとしての寿命 - 残り溝1.5mmを知らせるスリップサイン
→夏タイヤとしての寿命
製造年月日で判断する
もうひとつの目安は製造から5年がスタッドレスタイヤの寿命の目安。
理由としては、ゴムは経年劣化で硬くなることと、硬くなるとアイスバーンの氷表面の凹凸に食い込めなくてグリップが低下するからである。
製造年月日の判断方法としては、すべてのタイヤには製造コードが刻印されており、下四桁の数字で判断することができる。この部分の記載方法は全世界で共通で、最後の2桁が製造年を示しており、製造年の前の2桁がその年の週を示している。
48Rのスタッドレスタイヤも今年で5年使ったので、来年は買い替え予定(ちょうどスノープラットフォームも露出したしね)。
製造コードを確認して、5年以上経過しているようであればグリップが低下している可能性が高いのでタイヤ交換しましょう。
クラックで判断する
タイヤは古くなると劣化してひび割れするが、その程度がひどくなると寿命である。
よくある勘違いとして、クラックが発生した時点でタイヤの寿命かと不安になる人もいるが、表面上だけのクラックであれば大きな心配はない。
以下は日本タイヤ協会(JATMA)が発行しているクラックの注意喚起チラシの抜粋。
引用:JATMA
ゴム表面だけの小さなクラックはタイヤ性能には大きな影響なし。とはいえクラックが進展して内部のコードに達すると寿命であり交換が必要である。
理由としては、タイヤの骨格部材であるコードにはナイロンやスチールなどが使われているのだが、ナイロンが吸水したりスチールが錆びたりすると骨格部材の強度が低下するので安全上とても危険である。また、コード部材とゴムの接着強度も落ちるので、最悪走行中にトレッドゴムが剥離するなど、重大なトラブルに至る可能性もある。
タイヤのクラックが深くなったら寿命なのでタイヤ交換しましょう。
これまた48Rのスタッドレスタイヤだが、5年も経つと微細なクラック多数。とはいえ、上のJATMAの表によるとレベル2程度なので大きな問題はない。
ちなみに、クラックの促進には経年だけでなく環境が大いに影響する。
これまたJATMAの引用だが、下記のような環境は要注意。
引用:JATMA
また、この中ではオゾンが最もクラックに影響を与えるのだが、コンプレッサーやエアコンの室外機の周りは電気火花で待機中のオゾンが増えているので、クラックにめちゃくちゃシビアである(エアコンの室外機の横でタイヤを保管していると、1年でバキバキにひび割れるほど)
また、タイヤ温度が上がるとオゾンとの化学反応が促進されるので、タイヤを日向に置くのも良くない。ベランダ保管の場合は必ずカバーをしよう。
ゴムの劣化を促進させる紫外線も防げるしね。
スタッドレスタイヤの寿命判断まとめ
タイヤは命を乗せているので、寿命を正しく判断して、性能が低下したタイヤは使わないようにしましょう。
タイヤ代をケチったばかりに大きな事故を起こした日には目も当てられません!