ワークマンをご存知だろうか?
いわゆる作業着屋さんなのだが、そこのレインウェアが意外や意外、MTBに調子が良いと聞いた。そんなに高くないものだし、「ブログ読者さんの人柱に」と、試しに一着買ってみた。
MTBダウンヒルに使うとなると、転倒が前提なので、そんなに高いレインウェアは使いたくない。とはいえ、スポーツとしての動きは激しいので、野暮ったいホームセンターなどの作業カッパだと、動きにくかったり、ウェアがバタついたりで使い難い。
今回試してみたワークマンのレインスーツは、転倒で破いても惜しくない価格設定と、まあまあな防水透湿性能、動き易いデザインとストレッチ性で非常にバランスの良い製品。
自転車乗りにはオススメできますよ。
どんなレインウェア?
モデル名はワークマンR-006 透湿レインスーツSTRETCH。
ワークマンと言うと野暮ったいデザインでレインウェアと言うよりは作業カッパみたいなイメージだが、このレインウェアは(かっこ良いかは置いといて)今風のアウトドアウェアのような見た目である。
気になる防水性能だが、カタログ上は耐水圧10000mm。
ゴアテックスなどの高機能素材は30000mm程度なので、及ぶべくもないが、10000mmも耐水圧があれば、まあ及第点。
一応、耐水圧10000mm以上は「強い防水性」に分類されている。
購入してみてレインウェアを観察してみる
レインウェアには収納袋付き。
収納サイズはコンパクト。ホームセンターの作業着カッパより小さい。
そして生地は手で引っ張ればわかるくらいのストレッチ性能。
ペラペラ生地ではなく、ある程度の厚みはあって、MTB使用でもすぐに破けることはなさそうだ。
止水ジッパーは嬉しい。この価格帯のホームセンターカッパは「普通のファスナー+フラップ」で野暮ったい見た目だが、止水ファスナーのおかげでオシャレ感がでる。
フードは丸めて収納可能。
マウンテンバイク用途だと、ヘルメット被るのでフードはいらないばかりか、後輪が巻き上げた泥がたまるので、むしろデメリット。内側に畳めるのは非常に助かる。
もちろん、普通の自転車通勤などではフードは必要。必要によって出し入れできるのはありがたい。
袖口はベルクロで絞ることができる。
裏地はなし!
高級品のゴアテックスの3レイヤーみたいな一枚物だ。
とはいえ、ゴアほど透湿しないので、激しい運動では蒸れるだろう。
安物だが、生地の縫い合わせにはちゃんとシールテープ加工がされている。
なんちゃって3レイヤーではなく、ちゃんと縫い目からの浸水も考えられている。
裾の縁はゴム加工されており、捲り上がらないような工夫も。
パンツはシンプル。腰はゴムと紐でフィッティング。
裾はボタンで絞ることができる。絞れば泥の侵入を防ぐことができるし、チェーンにも干渉しない。
全体的に、しっかりした作り込み。
安い割に、今時のアウトドア用レインウェアと同様の作りだ。
実際に使ってみて
先日の土砂降りのウィングヒルズのマッドレースで早速使う機会があった。
テストとしては、これ以上ないくらいの豪雨の中でのレース。このコンディションで大丈夫なら、もう心配ないだろう。(→参考レースレポ記事)
フィット感
スリムなカッティングだが、プロテクターは普通に着用可能。
背中、肩、肘、胸、骨盤サイド、ケツ、膝とフルプロテクターだが、十分にプロテクターを着用する余裕はある。
十分なストレッチ性能で、フルプロテクター着用でも、動きにくさは一切感じない。
それでいて、サイクルポジションに合ったタイトフィットな立体裁断で、ウェアが風でばたつくこともない。
タイトで隙間も少ないので、ウェア内部への泥の侵入も随分と減った。
ちなみに、当方、175cm62kg、脊椎、胸部、肩、肘プロテクター着用でLサイズ。
防水性能
レース当日はコースが川になるくらいの大雨だったが、丸一日の使用で雨が染み込むことはなかった。
ただ、ちょっとウェア内部は汗で濡れ気味だが、外からの浸水ではないので、冷たさやビショビショになるような不快感はなかった。
撥水性に関しては、期待外れ。早々にベタッと水滴がつくようになってしまった。まあ、撥水しなくなるのと防水は別の話。撥水しなくても、防水は問題なく水の侵入はなかった。
ちなみに、自分のレースの後、エリートクラスの観戦のため、2時間ほど土砂降りの山中をウロウロしたが、それでも特に防水性能に問題はなかった。
総じて、十分な防水といえる。
やるな、ワークマン。
2019/03/17更新
ワークマン制作の防水テスト動画がアップされていた。
優秀〜
耐久性能
身を張った耐久試験も実施。
泥の上で滑ったり転がったりする程度では、破れはおろか、生地に傷もなかった。わりかし強い。
防水持続性
何ヶ月、何年防水が保つのだろうか。
買ったばかりなので、自分でインプレッションはできないが、これを教えてくれた先輩ダウンヒラーはこのレインウェアを一年以上着ているし、コースマーシャールで一日中外に突っ立っている。
それでも使い続けているので、結構保つのではないだろうか?
これは、自分でも一年ほど使い込んだら耐久性に関して記事更新をする予定。
**2017/09/17更新**
6回ほどマッドコンディションの富士見を走りまくった。
ウェアの磨耗が激しいMTBダウンヒルの泥んこコンディションのテストなので、かなりのシビアテストだ。
いまのところ、防水性能は落ちてないし、破けたりもしていない。
十分な耐久性。
また来年あたり、追加の耐久性レポします。
まとめ
この価格帯(4900円)としては、十分な性能!
防水、着心地に関しては4900円にしては上出来。
マッドレースではウェアの泥掃除が煩わしくてスーパーストレスフルなのだが、このウェアは十分な防水性能で、洗車場の放水を体で浴びて泥を洗い流しても全然平気。お掃除簡単。
走行中も濡れて寒くなることもないので、本当に雨のレースが楽になった。
いや、マッドのストレスから解放されたので、むしろマッドパーティなトンデモ路面を楽しめるようにすらなった!
多少蒸れるので、ロードバイクや登山のような持久系の長時間運動には向かないが、短時間のダウンヒル競技や、例えば運動強度の低い通勤通学なら十分使える性能だ。
何より、転びまくるマッドレースで気兼ねなく使える価格というのが、ダウンヒラーには嬉しい(笑)
いや〜良いモノ教えてもらって、マッドレースを楽しくなりました。