200系ハイエースのジャッキアップ&ウマの掛け方を解説する。
ジャッキアップ&ウマはタイヤ交換や下回り作業でに必須なので、マスターしておくと何かと役立ちます。
もちろん、重い車を持ち上げる作業なので、一歩間違うと重大な事故になりかねない作業。そこらへんの安全対策についても詳しく解説しました。
車載ジャッキを用いてのタイヤ交換方法については、別記事で解説しています。
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※2023/11/27更新※
ジャッキアップやウマの使い方自体はそう難しくない作業だが、一歩間違うと死亡事故に繋がります。
本記事ではジャッキアップ&ウマの使い方について解説しているが、作業に自信がない人はお店に任せるのが吉だと思います。
この事故も、外したタイヤを車の下に敷いておくなど、一重二重のセーフティネットがあれば、命は助かったのかもしれません。
200系ハイエースのジャッキアップ&ウマの位置
正しい位置にジャッキ&ウマをかけないと、車にダメージが及ぶだけでなく、ジャッキが外れたりして思わぬ事故につながる危険があります。
ガレージジャッキの位置
取扱説明書にも書いてあるが、フロントはサスペンション支持メンバーにガレージジャッキをかける。
ジャッキをかける位置は斜めの凹凸がついているので、すぐにわかるはずだ。
リアはデフ玉にかける。
デフオイルのドレンボルトを傷つけないように注意しよう。
フロント側のウマの位置
フロント側のウマの位置は、車載ジャッキをかける場所のすぐ横(車体外側方向)の黄丸の部分が良い。
リア側のウマの位置
リーフスプリングの支持部はいかにもウマをかけたくなる感じだが、サービスマニュアルでは支持禁止となっている。
フロアジャッキとウマについて
おすすめのフロアジャッキ
3トンクラスのデュアルポンプのフロアジャッキだと、車重のあるハイエースでも軽々持ち上がるので、作業しやすい。
小型のフロアジャッキも所有しているが、こちらはハイエースを持ち上げるのはちょっとしんどい感じである。
もちろん、大型のジャッキは軽々持ち上がる代わりに重量と保管スペースの問題はあるのだが、それがクリアできるならフロアジャッキは3tクラス一択である。特に重量のあるハイエースはなるべく大型のジャッキのほうが安心して作業ができると思う。
(小型のフロアジャッキは軽自動車の整備で使うくらいで、実際にハイエース持ち上げるのは怖い)
ウマ(ジャッキスタンド)
フロアジャッキは持ち上げるための道具であって、潜り込んで整備する道具ではない。かならずウマをかけましょう。
ウマはエマーソンのを使っている。
黒部分を持ち上げてさっと高さを決められるし、ロックは自動でかかるので、ピンを刺して高さをロックするタイプより作業しやすい。
フロアジャッキの下敷き
フロアジャッキは絶対にスムーズで平らな床で、フロアジャッキが転がる環境でしなけらばならない!
理由は下記。
なにもかけない状態でジャッキアップすると、ジャッキポイントが後方へ移動することになる。
これって、ジャッキアップする車が動こうとするので、めちゃくちゃ危険!最悪、ジャッキが外れてエンジンやプロペラシャフトにダメージを与える可能性もある。
というわけで、下の画像のように、ジャッキポイントの前後方向位置は不変で、フロアジャッキが移動するのが正解。
とはいえ、コンクリート舗装のガレージならまだしも、アスファルトではスムーズにフロアジャッキが転がってくれないし、最悪アスファルトに傷をつけてしまう。
そんなときは、大型のホームセンターで売ってる縞鋼板(足場の滑り止め鉄板)の裏面を使うのが良い。
これを敷くと、ちゃんとフロアジャッキが前進してくれて、安定したジャッキアップが可能。
ちなみに、縞鋼板はネットでも購入可能。
48Rは厚み3.2mm 縦横900mm x 400mmを使用している。これも重たいが、安全のためとアスファルトを痛めないために毎回使用している。
ハイエースのジャッキアップ&ウマ(ジャッキスタンド)の掛け方手順
作業自体はそんなに難しくないが、ジャッキやウマが外れると命に関わる事故になる可能性もあるので、作業は慎重に。
ざっくりした作業の流れは以下の通り。
ハイエースのジャッキアップ&ウマの掛け方手順
①サイドブレーキを引く(リアがロック)
②MTならギアをローまたはバックに入れる。ATなら「P」
③輪止めをかける
④ジャッキアップする
⑤ウマをかける
⑥(タイヤを外す作業の場合は)外したタイヤを車体下に敷く(万が一の保険)
では、以降で詳しく解説する。
フロント側のジャッキアップ作業
まずは輪止めを確実にセットする。
取説のジャッキ指定位置、フロントサスペンションの支持メンバー部分にフロアジャッキを当てる。
デュアルポンプのフロアジャッキなので、軽々上がります。
ウマをセットする。
ジャッキを下ろす時は慎重に。ハンドルを一気に左に回すと車体が急に落ちるので、1度刻みでコントロールするくらいの感覚で、慎重にハンドルを回して、ゆっくり車体を下ろす。
しっかりとウマが指定位置にかかったら、ジャッキアップ完了。
タイヤを外す場合は、外したタイヤは車体下に敷くようにしよう。
万が一ウマが外れても、タイヤ幅分、空間を確保することができるからだ。
リア側のジャッキアップ作業
リアはデフ玉にジャッキをかける。
ウマをセットする。
注意点としては、フロアジャッキを下げるとサスペンションが下がってタイヤが降りてくるので、ウマは気持ち高めにセットする(デフ玉でジャッキアップしているので、サスペンションがストロークした状態になっているため)
ウマをセットしたら、慎重にフロアジャッキを下げる。
リア側のジャッキアップ完了。
まとめ
慣れると簡単な作業なのだが、重い車を持ち上げるわけだから、一歩間違えると大事故になりうる作業。手順、注意点を守って慎重に作業しましょう。
最後にくり返しになるが、全体の作業の流れと注意点をまとめて締めたいと思います。
ハイエースのジャッキアップ&ウマの掛け方手順
①サイドブレーキを引く(リアがロック)
②MTならギアをローまたはバックに入れる。ATなら「P」
③輪止めをかける
④ジャッキアップする
⑤ウマをかける
⑥(タイヤを外す作業の場合は)外したタイヤを車体下に敷く(万が一の保険)
ハイエースのジャッキアップ注意点
①平坦な場所でジャッキアップする
②フロアジャッキはきちんと転がる環境でジャッキアップする
③ジャッキアップ中に車が動かないように、タイヤは確実にロックする
④フロアジャッキで上げたあとはウマをかける
他にも「ハイエースカテゴリ(☜クリック)」で色々と記事書いてます。よろしければ、そちらもどうぞ。