DIY系のブログをやってると、ちょくちょく頂くのが工具の質問。
毎度毎度同じような回答なので、この機会にジムニーやハイエースのDIY整備に必要な工具について、どんな工具を揃えるべきか、解説します。
100均やホームセンターの激安工具でも整備できなくはないが、精度が悪くボルトのかかりが悪く、最悪ボルトをナメたりなんてことも。
信頼できる工具を使うことでこういったボルトのトラブルを未然に防ぐことができるし、さらに気に入った工具を使うことでクルマいじりもさらに楽しくなります♪(サンデーメカニックにとって重要)
サンメカ歴20年以上(一時期はミニバイクレースに没頭)、職業柄プロメカニック(レース系)とも付き合いがあり、人より多少工具の知識もある48Rが、オススメの工具セットについて紹介します。
工具は「単品」で揃えるか、「工具セット」で揃えるか
この記事はクルマいじり初級者向けに書いてる前提で、圧倒的に「工具セット」で揃えることをオススメします。
工具セットのメリットは次の通り。
工具セットのメリット
1.単品で買い揃えるより遥かに安い
2.一気に工具が揃う
3.工具箱の収まりが良い
1.は超重要よね。どこのメーカーの工具セットも単品よりセットのほうが安い価格設定だし、セール時期だと単品の合計金額の半額以下!なんてことも。
これから工具を揃えるなら、絶対に「工具セット」がオススメ。
2.の一気に工具が揃うというのも、最初バラで工具を揃えているうちは、「あ、このサイズのソケットない!」や「ドライバー長過ぎて狭いスペースで回せない!」なんて現場で起きがち。その度に工具屋に走るのもめちゃくちゃ手間なので、工具は一気に揃えたほうが良い(16歳の時は金なくて工具セットなんて買えないから、このパターン多かった(涙)大人なら、大人買いしましょ)
3.も見逃せないメリット。
工具セットだと工具箱に専用トレーが付くので、工具一つ一つの収まりがとても良いのだ。
工具を買い足すと専用トレーが邪魔で新しい工具を置きにくい時もあるのだが、最初の内は整理整頓ができるメリットのほうが遥かに大きい。
工具はたくさんの種類があるので、整理整頓しないと無くしやすいし、専用トレーだとあるべきところに工具がないと忘れ物にも気が付きやすいもの。
一方で、工具セットのデメリットは全て同じメーカーの工具になってしまうこと。
こだわる人はレンチはスタビレー、握りものはKNIPEX、ドライバーはPB、モンキーレンチはバーコなど、工具ジャングルごとに使いやすい工具を選びたくなる。こういうこだわりがある人には工具セットは向かない。
また、単品で揃えて行くことになるので、割高にもなる。
ちなみに、48Rは単品派(下のInstagram画像はスライドできます)。
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大学生の時バイク部所属していて、ガレージの工具は使い放題だったので自分で工具セットを買う必要なく、自分用にコツコツ気に入った工具を買い足して2年くらいかけて揃えました(五階百貨店の大谷商店に通ってたクチ)
単品でも、セールや特価品を狙えば案外安く手に入ることもあります。
また、単品とはいえ、ラチェットセットやドライバーセットなど、工具ごとのセット販売を利用するのも手です。
↑は大谷商店で購入したFACOMのラチェットセット。6,600円だったかな。
工具セットは「チェストタイプ」か「両開きケース」か?
チェストタイプとは引き出しがついてて、上開きのフタがある工具箱。
両開きケースは箱型のケースが両開きに展開するタイプ。
両方使った48Rの独断と偏見で書かせてもらうと、「チェストタイプ一択」
両開きケースは持ち運びしやすく機動性はあるものの、追加工具を置く場所がほとんどなく、拡張性に欠けるのが難点。
クルマいじりしていると必ず工具が増えてくるので、両開きケースでは工具ぱんぱんで閉じれない!なんてことも。
一方で、チェストタイプの工具セットは一段フリーの引き出しがあるので、ある程度の工具追加に耐えうるスペースがある。
また、チェストタイプのほうが工具が増えたときにも整理しやすく、作業性も良い。
チェストのデメリットは重いことだが、メリットを考えると48Rは我慢できる範囲だと思ってる(流石に車と工具の置き場所がかなり離れていると、両開きケースの選択肢も出てくるけど)
チェストの段数は、基本整備プラスアルファの工具なら3段タイプ、将来的にエンジンまで弄りたいなら特殊工具が増えるので、4段タイプのチェストが良いだろう。
重量は3段チェストに工具フル積載で25kgくらい、48Rがレースしてた時の黒の4段チェストはフル積載で45kgもあって、持ち運びはかなり大変。。
オススメ工具セットについて 〜大事な車は信頼できる工具を使おう〜
コスパ重視、品質重視の2セット紹介します。
コスパ重視ならSK11 整備工具セット 133点組 SST-16133RE
工具の値段の差って、精度やメッキの品質、強度が効いてくるのだが、SK11はそれらが趣味で使う分には充分な品質かつ入数が多くてコストパフォーマンスが高い。
基本工具は網羅されているし、最近の車やバイクで多く使われているTORX(トルクス)も揃っている。付属のビットセットではスクエアビットまで入っていて、どんなボルトネジ類でも困ることはないだろう。
また、あると嬉しい首振りギアレンチ付き。
ラチェットが入らない狭いスペースでも。ギアレンチがあれば効率的に作業できるので、あると重宝する工具だ。
また、これより安い工具セットだと、チェストの引き出しにベアリングなく、工具入れると引き出しがスムーズに動かずイライラするのだが、SK11はベアリング入りの引き出しでチェストも良いものが使われている。
初期費用を抑えつつ、サンメカに必要な工具をひと通り揃えるなら、超オススメ。
ワンランク上の工具セットならKTCがオススメ!
国産工具メーカーのKTCは、プロメカニックも愛用する高品質な工具。
SK11に比べると単品ではかなり高い価格設定の工具だが、KTCの工具セットの割引率はハンパなく、セットで買うのかお買い得(KTCは沢山の工具セットがあり、セットによって割引率が異なるので注意)
入数はSK11より少ないものの、基本工具はしっかりと抑えられいる充分なセット。
KTCの工具は2002年ごろから「21世紀バージョンツール」として順次モデルチェンジをしており、老舗工具メーカーながら、設計は新しいモノが多いのが特徴。21世紀バージョンツールは他社を研究して生まれた使いがっての良いものばかり。ドライバーはレンチにしても握り心地良く力を入れやすい。
トルクスソケットがないのが残念だが、それを差し引いても充分な内容かつ高品質で、趣味用途で一生物として買うには充分満足できるクオリティだ。
拡張性のある4段チェストならコチラのセット。
チェスト上段の引き出しが3分割されていて、とても使い勝手が良い。
但し、工具箱だけで23kg、鬼重たいので注意が必要だ。
KTCでさらに高品質な工具セットが欲しければKTCの高級工具ライン「NEPROS」という沼もある。
お値段は目ん玉飛び出るが、KTCが本気で世界一を目指して作った工具は、ため息が出るくほど美しく、高精度で強く使い易い。
ハイエンドに興味のある方は是非。
また、KTC沼にもっともっとハマりたいなら、「KTCものづくり技術館」の見学も激しくオススメする。
世界一の実用工具メーカーKTCのモノづくりの精神を肌で感じることができる施設だ(48Rも15年くらい前に行きました。あ、ワタクシメKTCの回し者じゃありませんよ、ただのファンです)
その他の必要工具
基本工具セットに、さらにいくつかの工具を揃えておくとさらに整備の幅が広がり、色々なメンテナンスやDIYカスタムに対応できる。
内装剥がし
車のDIYには欠かせないめちゃくちゃ使用頻度の高い工具。
安物は折れたりするので、安心のKTCをオススメします(ちょっと高いけどAmazonレビュー高し!)
トルクレンチ
足回り関係はキチンとトルク管理したい。
トルクレンチは良いものならトーニチ、コスパの良いものならSK11がオススメ。
トーニチはモーターサイクル競技用のトルクレンチを推す。
トルクレンジがワイドで使い勝手が良いのだ。
トルクスソケット
最近ブレーキ周りやハンドル周りなど、素人には簡単にイジらせたく部分に使われることの多いトルクス。
T20〜T40あたりが使用頻度高いので、揃えておくと良いだろう。
トルクスソケットはコーケンのZEALを勧めておく。
ZEALは山下工業研究所というソケットレンチ専門メーカーの上級ライン。マジでソケットなら世界一の強度品質です。
オイルフィルターレンチ
オイルフィルター(オイルエレメント)交換には必須のオイルフィルターレンチ。
プラグレンチ
プラグの取り外しには専用ソケットが必要。
これも山下工業研究所のZEALがオススメ。
プラグソケットはプラグ保持機能が付いているのだが、磁力タイプよりバネクリップで保持するタイプが良い。磁力タイプは工具箱内で金属系のゴミを拾いがち。
電動ドリル
DIYで作業していると、社外パーツの取り付けなど意外と穴開けの頻度が高いもの。
充電式の電動ドリルも持っておきたい工具の一つ。
メンテナンス以外にも、組み立て式家具のネジ締めにも重宝します。
オートポンチ
ドリルとセットで必要な工具。
ポンチで位置決めしないと、正確な穴開けはできません。
コンパクトラチェットハンドル
これは個人的なオススメ工具。
工具セットのラチェットハンドルは通常はスタンダードなサイズが入っているのだが、コンパクトなラチェットって振りやすいし軽いしで、買ってしまうと、ついついこればかりは握っているものだ。
48RはFACOMの1/4サイズのラチェットに3/8のリペアキットをぶち込んだ魔改造(定番改造?)を使ってるけど、絶版でもう買えないので、いま買うならネプロスか山下工業研究のZEALかな。
コンパクトかつヘッドの送り角小さめがポイント(72枚ギア以上)。買うと使いやすくてコンパクトばかり使ってるよ。
逆にロングハンドルのラチェットって、重いわハンドル送るのも大変わで、あまり使わないです(ワタシクメは工具箱型の肥やしでした)
T型ハンドル or スライドヘッドハンドル
ここまで書いちゃうと、これも書きたくなってしまった。
主にバイクも整備したい人向けだけど、T型ハンドルはオープンなスペースがあれば早回しできて、めちゃくちゃ重宝する(指で弾いてクルクル回すヤツ)
T型ハンドルは収納性悪く工具箱でスペース取りまくりなので、スライドヘッドハンドル + エクステンションバーでもほぼ同じ使い心地。
48Rもコイツの使用率かなり高め。
エアゲージ
空気圧チェック用のエアゲージは、電動ポンプと一体になったものが空気の補充ができて便利。
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小さな電動ポンプでも、空気をちょっと継ぎ足すくらいなら十分実用的。
まとめ
個人でクルマいじりを楽しみたい人は、まずはちゃんとした信頼できる工具を揃えましょう。
良い工具を使うことで、効率良く確実な作業ができ、ますますクルマいじりが楽しくなります。
今回紹介したSK11はコスパ高く、KTCは納得の精度と強度で使いやすい工具です。
ちまちま単品で揃えるより、工具セットで一気に揃えることをオススメします!