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【初心者向けMTB選び】最初の1台を買うときの3つの注意点

MTBを始める時、初心者が最初の1台として何を選べば良いか悩ましいよね。

48RとしてはMTB業界が盛り上がったほうが嬉しいので、どんどん新規のMTB乗りが増えるのは大歓迎(実際友人スノーボーダーの夏の遊びとしてけっこう進めている)。

とはいえ、初心者が最初のMTBを購入するとき、あまり入門に適していないバイクを買う例もちらほら見かけるのも事実。自分のお金なので好きなバイクに乗るのも良いのだが、少しでも安全に永くMTBを続けてもらえたらという思いで、初心者のMTB選びの注意点について書かせて頂きます。

(前提として、MTBでゲレンデやトレイルを下りメインで楽しみたい初心者に向けて書いてます。クロスカントリーや林道サイクリング的な人はブラウザ閉じてください)

 

 

初心者MTBを選ぶときの3つの注意点

クロスカントリーバイクを買ってはいけない

MTBという乗り物はとにかく細分化されており、下りに特化した順にDHバイク、エンデューロバイク、オールマウンテンバイク、トレイルバイク、ダウンカントリーバイク、クロスカントリーバイクと様々なカテゴリーに分かれている(この並びの逆順で登りに特化している)。

で、ロードバイクやっている人がMTBを始めるときに陥りやすいのが、ロードバイクのように軽量なバイクこそえらいというノリで、クロスカントリーバイクを選ぶパターン。

クロスカントリー競技に真剣に打ち込みたいのなら止めはしないが、MTBの醍醐味である下りをヒャッハーしたいなら、クロスカントリーバイクは全く向いてないどころか危険なバイク。

クロスカントリーという競技は登り下りのあるコースを周回する競技で、コース自体には登り区間と下り区間があるのだが、圧倒的に登りでタイムを縮めた方が1周のタイムが速いので、バイクはとにかく登りを重視したバイクになっている。そんなバイクで山を降ると、ヘッド角立ってて安定性はないわ、シートが高くハンドル低い前傾姿勢で下りは怖いうえ下手をすればドロップオフで前転するわで、恐怖しかない乗り物である。初心者がクロカンバイクでジャンプを跳ぼうものなら、散るかどうかの運ゲーだ。

さらにクロスカントリー向けのタイヤもとにかくグリップしない。軽量を追求したノブの低いペラペラタイヤはブレーキをかけようものなら一瞬でロックして滑るし、コーナーでは少しバイク傾けただけですっころびそうになるし、ウェットになろうものならゼログリップで足払いをくらったようにひっくり返りる。初心者は上手くなる前に怪我する可能性が高い。

MTBという乗り物は転ぶととにかく痛く気持ちが折れそうになるので、初心者でも転けにくいバイクを買うのが重要です(初心者のお父さんが、クロカンバイクっぽいレンタルバイクで転けて骨折するパターンを何回かみてきた)。転ければその分練習時間減るので、上達は遅くなる。

 

かくいう48Rも最初のMTBはクロスカントリーバイクで、初めてMTBコースの下りは恐怖体験!ダウンヒル初日で見事な前転をかましました。。

まあ、48Rの場合はMTBをやりたかったのではなく、山ボードのアプローチ用にクロスカントリーバイクを買ってこれはこれで快速で良かったのだが、その後そのバイクで下りを楽しもうとして酷い目に遭ったという流れです。

クロカンバイクで下りは怖いよ〜。

でも、その後速攻で下り全振りしたDHバイクを手に入れたら、アホみたいに脳汁出まくるくらい楽しめるようになりました。

 

余談だが、最近のクロカンワールドカップでは下りも過激なコースなので、ダウンカントリーバイクという前後120mmストロークでヘッド角もカリカリのクロカンバイクよりは寝かせ気味で下りもある程度スピードを出せるバイクも増えてきた。

上級者がフローなトレイルを楽しむ分には良い選択だが、120mmストロークで岩や根っこの区間もすっ飛ぶにはそれなりのスキルが必要です(48Rはこの手のバイクは怖くて飛ばせない)。

 

 

ハードテイルは買うな!フルサス必須(重量は気にするな)

次に前後にサスペンションがついたフルサスか、前輪にしかサスペンションがついていないハードテイルにするか問題。

これも答えが出ていて、初心者には圧倒的にフルサスをお勧めする。

ハードテイルは安く購入しやすいので初心者が最初の1台として選びがちなのだが、初心者がリアサスのないMTBで下るとバイク跳ねるしグリップしないしで危ないうえ、衝撃がもろに身体にくるダメージであっという間に燃え尽きてしまう。

初心者お父さんがハードテイル乗ろうものなら、水曜日まで疲れが抜けないだろう。

 

一方で世の中にはハードテイルでも速い人達が存在するが、彼らは特殊な訓練を受けていて、初心者がハードテイルからMTBを始めてたどり着ける境地ではない。ハードテイルというジャンルは、上手い人達があえて乗る縛りプレイと思った方がよい。

2,3年MTB乗ってある程度ライディングスキルが見につくとわかります、ハードテイルダウンヒル勢が狂気の沙汰であることが。

 

というわけで、初心者は前後サスの安定感で安全にスピード出せて身体へのダメージも少ないフルサスを買うべき。

MTB初めて最初の数回はコースを下るのもままならないので、まずは安全に下れるバイクで練習した方が上達も10倍早いです(フルサスのほうがお金はかかるが、その分下りは10倍楽しめるようになるのでお釣りがくるくらいの満足感は得られます)。

ほんと、お金は多少がんばってフルサス買ってください(ローンでもいいし)。

 

また、フルサスを選ぶ場合、エントリーグレードだと軽量パーツがついていなくて重量の重さを気にする人もいるかもしれないが、そんなこと1mmも気にする必要ない。第一に下りを走る時は軽量のメリットなんてないし、むしろ重たいバイクのほうが挙動が安定するくらい。トレイルの登りはさすがにしんどいかもしれないが、競技でもない限り早く登る必要もないわけで、まったり押し上げしてもよいくらいなのだ。

 

 

フルサスの種類の選び方としては、ストロークが長いほど安定感は増すが重くなって登りはしんどくなるので、自分の走るシーンに合わせてストロークを選ぶのが良いかと思う。

シーン別フルサスストロークの選び方

  • 自走トレイルがメイン → 130mm~140mmストローク(トレイルバイク)
  • 自走トレイルもゲレンデも走る → 140mm~160mmストローク(オールマウンテンバイク)
  • ゲレンデがメイン、ゲレンデオフシーズンはトレイル行きたい → 160mm~180mmストローク(エンデューロバイク)
  • 激しめのゲレンデメイン(富士見パノラマ/ウイングヒルズ)→ 200mmストローク(ダウンヒルバイク)

 

 

最後に一言この節の主旨とは逆意となるが、ハードテイルに関する別角度の意見も書かせていただく。

実際、ハードテイルにはハードテイルの魅力があってコアなファンが多いのも事実。リアサスペンションのないシンプルな車体は独特なかっこよさがあり、あえてサスペンションのないバイクを乗りこなすことに楽しみを見つけるのも全然ありだと思う。

MTBは絶対的なライドレベルで楽しむものではなく、先週より上手くなった!という相対的なスキルアップゲームでも楽しめるスポーツである。初心者が楽に安全に早く上達するならフルサスが絶対有利なのだが、あえてハードテイルを乗りこなすのもMTBの楽しみ方のひとつだと思う(でも、前節のクロスカントリーバイクだけは怪我するのでやめとけ)。

 

 

中古のハイエンドより最新バイクのエントリーグレード

フルサスは高いので中古バイクで探す人もいるかと思うが、ハイエンドバイクでもちょっと古くなると全くお勧めできない場合もあるので、中古の購入は要注意。

というのも、最近のバイクはロングリーチかつヘッドアングルが寝ていて下りを安定して走れるジオメトリー(ロング&スラックジオメトリー)になっているが、ちょっと古い中古バイクだとこのトレンドに乗れてないバイクも多い。たとえハイエンドバイクであろうと、古臭いジオメトリーのバイクだと買う意味がない。

 

例えば、SPECIALIZEのENDUROというモデルで2019年のモデルと2020年のモデル(2025年現在も継続販売)を比べてみると、これだけの違いがあるのだ

 

■2019 Specialized ENDURO

昔人気のあったエンデューロバイク

 

■2020 Specialized ENDURO

現在のロング&スラックジオメトリーの主流を作ったバイク(もっと以前にはMondrakerというブランドがロングリーチのバイクを出していたが、一部には人気があったが主流にはなれず。その後MTB会の横綱Specializedがロング&スラックなバイクをリリースすると、他のメーカーも一気にこのジオメトリーに追随した)

 

■ジオメトリー比較

2019 ENDURO 2020  ENDURO
サイズ M S3(=M相当)
ホイールサイズ 29インチ 29インチ
ヘッドアングル 66deg 63.9deg
リーチ 440mm 464mm
ホイールベース 1190mm 1246mm

ジオメトリーなんて、10mm違うと乗り味に差が出てくるし、20mmも異なるとフレームがワンサイズ違うくらいの差になる。

最近のバイクはヘッドアングルを寝かせてホイールベースを伸ばしリーチを長くすることで、スピードを出したときの安定感や下りでも前転しにくいジオメトリーになっている。2019年以前のENDUROは明らかにヘッドアングルは立っているしリーチやホイールベースが短く、現代のMTBに比べると安定性が低いバイクとなっている。

だいたい2022年以降になると各メーカーロングスラックなジオメトリーになっているので買っても問題ないが、それ以前のMTBはリーチが短かったりヘッドアングルが立っていたりで、ハイエンドといえど古臭いジオメトリーで手をだしてはいけない。2019年ごろに120万円したバイクより、最新のエントリーグレードの40万円のバイクのほうが速く安全に下れると思います。

 

ちなみに、各メーカーのジオメトリーを比較する際、各メーカーサイトを行ったり来たりするのが大変なので、48Rはオリジナルのジオメトリーまとめ表を作っている。下記記事で共有しているので、バイク選びの参考にしてみてください。

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初心者にお勧めなMTB

最後に現在購入可能な初心者にお勧めMTBを紹介します。

 

Specialized Status 2 170

かなりロング&スラックに振ったジオメトリーに前後170mmストロークのサスペンション。さらに取り回しの良いマレットホイール(前輪29インチ、後輪27.5インチ)の組み合わせで、ダウンヒルやバイクパークメインで楽しめるバイク。

 

 

Specialized StumpJumper 15 Alloy

150mmのちょうど良いストロークにペダリング効率の良いサスペンションで、トレイルメインで楽しみつつ、ゲレンデライドも楽しめる1台。スペシャライズドの人気MTB。

 

 

Trek Slash 8 Gen 6

前後170mmストロークにマレットホイール、さらに衝撃吸収に有利なハイピボットデザインで、ゲレンデを攻めるのに最適な1台。ハイピボットのMTBは重いしチェーン抵抗は増えるので、トレイルの自走登りにはあまり向いてません。

 

 

Rock Mountain Altitude Alloy 30

170mmストロークのエンデューロバイク。170mmとストロークは長いが、低重心でバイクを振り回しやすく、登りやすいジオメトリーでトレイルも楽しめるという守備範囲の広いバイク。

 

 

Kona Process 153 29

コスパの高さで定評のあるKona Process 153 29。お値段は2025年モデルで30万円切りの297,000円(税込)

安いとはいえゲレンデを楽しむには十分なパーツがついているし、ツボを押さえたジオメトリーはゲレンデからトレイル、意外とジャンプも飛びやすく色々とそつなく楽しめる1台。

 

 

他にも初心者向けMTBはたくさんあるが、購入しやすく飽きたら売却もしやすい定番バイクからチョイスしてみました。

 

 

 

初心者向け 最初の1台を買うときの注意点まとめ

初心者がMTBを買うときの注意点をまとめます。

メモ

  • クロスカントリーバイクは買うな
  • フルサスがお勧め
  • ジオメトリーが古臭いバイクは買うな

以上3点を守れば大きく外すことはないでしょう。

初心者にとってMTBコースを下るのは難しいので、難しいMTBを買ってしまうとかなり遠回りすることになる。最初からロング&スラックなジオメトリーのフルサスエンデューロバイクかオールマウンテンバイクを買っておけば、初心者でも数回通えば下りも楽しめるでしょう。

また、このブログではフルサス推しなのだが、ハードテイルを買ってその後フルサスに買い替える人も少なくないので、結果的に最初からフルサスを買った方が安上がりだったパターンもある。ハードテイルも楽しいので止めはしないが、将来フルサスに乗り換える可能性もあるか?まで考えて購入しましょう。

以上、48Rの独断と偏見のMTB選びでした。




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