かれこれ6年使い続けているKarakoramスプリットボードバインディングのインプレッション。
Karakoramのスプリットボードバインディングのメリットといえば、ソリッドボードに近いライディングフィールと使い勝手の良さが両立されていること。非常に気に入っており、発売当初からずっと使い続けている。
今回の記事は、48Rの所有するKarakoram Primeについてのインプレッション。
最新のバインは「Prime X」だが、Xは「Prime(無印)」の発展系で大まかな使い勝手は同じだし、現在も「Prime」も併売されているので参考になると思う。
お役に立てれば幸いです。
Karakoramとは
アメリカの小さなスプリットボードバイン専門メーカーだ。
製造はmade in USAで、小さなファクトリーでスプリットボードが好きなスタッフによって製造されている。
小さなメーカーなので、アイディアから製品化まで非常にスピーディーな印象。なにか良いアイディアがあれば、次のシーズンには製品化されている。
彼らは会社を大きくすることより、最高の製品を作ることを第一に考えている。
48Rも某メーカーで開発エンジニアをしており、趣味の道具の開発が仕事だ。彼らに共感する部分も多く、最高の製品作りを第一に考えるところはとても好感がもてる。
Karakoramのスプリットボードバインディングのインプレ
とても特徴的なつくりだが、スプリットボードのためによく考え抜かれたとても理にかなった作りになっている。
karakoramのモードチェンジについて
モードチェンジは簡単
カラコラムの良さはモードチェンジの早さと作業の簡単さである。
Ride Mode 2.0 from Karakoram on Vimeo.
動画のように、簡単な作業でモードチェンジできる。
48Rは昔「割れまくり」というイベントでスプリットボードのハイク&ライドのレースで優勝したが、このモードチェンジのメリットを活かしまくりであった。
ピンなどの失くす可能性のあるパーツもないのもありがたい。
セッティングはめんどう
非常に左右のボードの結合力が強い反面、各パーツのセッティングはシビア。
バインのネジを緩め、ガタを追い込む方向に力を加えながら、もう一度ネジを締めるなど、セッティング作業が多い。
一度セッティングしてしまえば使用中に緩むことはない。
購入時は現場でスマートに使えるよう、お家で落ち着いてセッティングしよう。
雪詰まりには弱い
非常にタイトでシビアなセッティングのため、雪が詰まるとスプリットボードの合体ができない。
48Rは対策として、ブラシを持ち歩いている。
伸びるリールを取り付けて、パンツのベルトループに吊るせばいつでも使えて便利。
VoileやSPARK R&Dでも雪つまりでモードチェンジできなくなるので、スプリットボーダーなら是非とも一つは持ちたいアイテム。
Karakoramのライディングについて
ソリッドボードに近いライディング
結合時、スプリットボードクリップやバインディングが「左右のボードを挟み込む方向に力をかける」ので、非常にタイトに合体するからだ。
ライドモードインターフェースのごついアルミ合金のプレートは、ライドモードの剛性に一役かっている。
そういえば、このごついアルミプレートの軽量化として、カーボン製ベースプレートも昔開発していたようだが、いつのまにかフェードアウトしたようだ。残念。。
総じて、ライディングフィールはかなり良いです。
ハイクモード
ハイクモードのアレコレについて
剛性感ありハイクはしやすい
非常にかっちりしていて、左右のガタがないのでハイクはしやすい。特に不具合なし!
斜登行もエッジを効かせながらガシガシ登れる。
個人的には登りでスキーヤーのシールハイクに遅れをとることはない。
バインは軽いが、インターフェースは重い
カタログではKarakoramのバインはとても軽いが、インターフェースはアルミ多用でかなり重い。
Voileインターフェースに比べると200g近く重いので、バインが片側100g軽くてもチャラだ。
重い。やっぱ前述のカーボンベースプレートが欲しいぜよ。
ヒールライザーはちょっと使いにくい
これ、ヒールライザーを上げたり高さ調整は簡単なのだが、解除する時はポールではなく「手」が必要なんですよ!
最新のPrime Xでは変更されているようなので、改善されていると期待。
エアフォーム トゥストラップは軽くて使いやすい
上位モデルに搭載されている伸縮性のある素材のトゥストラップ。
ラチェットがなく、伸縮性のみで固定する。一度サイズを調整すれば、ストラップを操作することなく、靴を履くようにつま先を押し込めば履けるので、とても便利。
固定力も問題なく、ライド中につま先が外れたり、浮いたりするようなことはない、
見た目通り、超軽量。
ブンリンクランポンと併用可能
もちろんメーカー公認ではないが、直登力最強のブンリンクランポンを取り付けられる。
直登力ありまくりの板固定式のクランポンなので、シールでどこまでも登るぜ!というユーザーにはありがたい。
純正クランポンはイマイチ
古いSPLIT30での画像で失礼。とはいえ、最新のPrimeでも基本は同じ。
Karakoramのクランポンは板ではなくバインに固定するので、ヒールライザーを使った時は刃が下まで下がらず効きが悪くなってしまうのが欠点。
反面、歩く時は踵をあげるとクランポンも上がるので、クランポン装着時のシール歩行はしやすい。
一長一短だが、クランポンを装着するのは険しくなってからなので、常時効いてくれる板固定式のほうが48Rは使いやすいと思っている。
そうそう、Karakoramのクランポンのメリットとして、バインに固定するので、上の画像のようにバイン+クランポンで稜線を歩くことができる。この時は八方の丸山ケルン先からバキュームのエントリーポイントまでバイン+クランポンで歩いた。
ヒールロック便利だが、解除に難あり。
動画では非常に簡単にロックしているが、ブーツをバインにはめた状態だとヒールレバーに指がかからずレバーを下ろせないから、ヒールロックの解除がやりにくい。
対策として、ヒールレバーに細引きをつけているが、それでも操作性は良くない。
極限の状況でも使用された実績
Karakoramはスプリットボードとしては極限の滑降でも使用された実績がある。
ジェレミージョーンズ先生による北極圏やアラスカ、南極遠征など、一般スノーボーダーよりはるかにシビアな条件下だ。
我々程度が文句があろうことがあるか、いやない(反語)
そういえば、ザビエル師匠もPlumを使う前はKarakoram使っている時期があって、南極遠征の時はKarakoramだった。
48RもPrimeの前身のSplit30も含め6シーズン使っているが、現場トラブルはゼロだ。
まとめ
以上、使い勝手などについてまとめてみた。
高価なスプリットボードバインディングだが、がっちりとした結合でライディングフィールは良いので、滑る楽しみを第一に考えるユーザーにはマッチしている。
一方でハイクモードに関しては短所もあるし、Spark R&Dなどの製品は軽くて使い勝手も良いので迷うところではあるが、48Rは滑走パフォーマンスに重きをおいているのであまり気にしてない。
その他、メカメカしいので、非常に男の子ココロをくすぐるのも魅力的です(笑)
余談だが、Karakoramインターフェース向けの自作スプリットボード作成記事はコチラ。
-
猿でも作れる自作スプリットボード 〜 Which Even Monkies Can Make〜
スプリットボードを3台自作した48R流作成方法のご紹介。 48R流は、失敗が許されず一番難度が高くて面倒な板のカットを外注することと、打ち込み簡単なインビスキットを使うことで、日曜大工より簡単レベルで ...
Karakoramのインターフェースはスタンス、アングル調整がしやすいので、自作スプリットボード向けでもあります。