ラントリボードとして大人気のWRX Mk-Sと、ラマ先生こと平間和徳さんが対WRXとしてぶつけてきたBC STREAMのラントリボードBRAH。
コンセプトだだ被りの2台を同じコンディションでガチ比較してきたので、結果を報告させていただきます!
(おじさんスノーボーダーの個人的感想です)
比較条件
比較する人
ブログ筆者48Rが比較テストした。
一応ざっくり足前を書いておくと、スノーボード歴は12年のサンデーボーダー(年間滑走日数20日〜30日くらい)
ホームゲレンデは白馬の八方尾根で、パウダーや地形で遊ぶフリーランがメイン。
カービングは2020年シーズンに足試しとしてJSBAの検定を受けて、2級→1級→Tech1までトントン拍子で合格。Tech2は未受験だったけど、Tech1で加点5程度なので、Tech2は届かないでしょう。
まあ、Tech1は持っているので、ちょっとカービングはできると言えそうです(ちなみに、ガチカービング勢ではないので、F15 R-12の横乗りダックスタンス、ツインチップで合格しました)
ラントリは180系やリバースターン(ヒール、トゥー両方向)、ビッテリーを組み合わせて楽しんでいるレベル。高回転系は苦手です(今シーズン練習中)。
トリックはヘタッぴなので、今回はカービングよりの目線での評価です。
比較する場所
比較は白馬のカービング道場、五竜のナイターゲレンデ。
最初の斜度のある斜面でカービング、後半の緩斜面はグラトリで流す感じで滑った。
ゲレンデの端っこにバンクもあるので、R地形での取り回しや、バンクから飛び出してのトリックもテスト。
ナイターなので、日射や気温変化の影響少なく、同一条件に近い比較ができたと思う。
また、五竜はナイター前にピステンが入るので、先行がやや有利。そうならないようにMk-S→BRAH→Mk-S→BRAHと2回ずつ乗って比較した。
雪のコンディション
三日間降雪がなかったので、雪の状態は硬め。
アイシーってほどではないが、粉雪圧雪でもなく、エッジグリップの差が出そうなコンディション(勘違いバーンならどんな板でもグリップするので、コレくらいがちょうど良さそう)
バインディングは付け替え
どちらの板もバインディングをつけていると比較が楽なのだが、異なるバインディングをつけるとバインディングの性能差も入ってくるので、面倒だがバインは付け替えて比較した(まったくの同一バインを2個持ってないし)
交換作業は電ドラにかなり救われた!
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BC STREAM BRAH vs WRX Mk-S
今回はBRAHが151cm(体重80kgのラマ先生も151)、Mk-Sが152cmで比較した。
スペック比較
WRX MK-S | BC Stream BRAH | |
全長 | 1520 | 1510 |
有効エッジ | 1210 | 1200 |
接雪長 | 1160 | データなし |
トップ幅 | 289 | 295 |
ウエスト幅 | 249 | 254 |
テール幅 | 289 | 295 |
サイドカット | 8.9 | 8.8/8.5/8.2/8.5/8.6 |
セットバック | 10 | 0 |
キャンバー形状 | 可変キャンバー | ダブルロッカー |
スペックは似たり寄ったり。
どちらもセミハンマー形状なので、全長のわりに有効エッジが長く、ターンで安定感がありそう。
ウエスト幅はBRAHのほうが広く、板を立てやすいスペック(筆者48RはF15 R-12なので、ドラグしにくいワイドボードが好み)
キャンバー形状はMk-Sが踏めばノーズとテールが浮く可変キャンバーに対し、BRAHはダブルロッカーで最初からノーズ/テールが浮いている仕様だ。
2台を並べて比較してみる
どちらもセミハン形状。BRAHは角張ったノーズ/テールだが、ノーズやテールが最大幅になる位置はMk-Sとほぼ同じだ。
キャンバーアーチはMk-Sのほうが全然高い。
Mk-Sのアーチの高さが9mmに対し、BRAHは6mm程度。
また、BRAHはロッカーが入っているので、ノーズが浮く位置がセンターに寄っている。
重量はほぼ同一。
Mk-Sが2,581g
BRAHが2,552g
乗って比較する
どちらも良い板でした。
詳しくインプレします。
カービング性能
ゴリゴリのカービングがしやすいのはBRAHのほう。
板が太い分ドラグしにくいし、フレックスもMk-Sよりしっかりしているので、高速でも安定するし、そこそこ荒れた雪面でもつっこんで行けるフリーラン性能もある。
一方でMk-Sもターン性能は高く、とくにターンインの捉えが早いので、切り替えで積極的に体を反対側へ落としていくと、グイーンと気持ちよく遠心力を感じながらターンができる。また、板が良くしなるので、ドルフィンターンも気持ちよく反発をもらってターンすることができる。ただ、ちょっと気になったのはトップテールが柔らかいので、コース端っこのぼこぼこ斜面なんかは弱い印象(ラントリボードなので、そういう場所には積極的には行かないと思うけど)。
ちょっとドラグしてエッジが抜けそうなタイミングもあるが、ヒールサイドターンで手首までビタビタに着くくらい体を倒すのは余裕。
ちなみに、オーリーはBRAHのほうが高い気がした(高さ測ってないので感覚的だけど)。Mk-Sはよくしなるからオーリーのタイミングは取りやすいのだが、パワーは低い?かな。BRAHのほうがタイミング合わせにくいけど、高さはでる。
ラントリ性能
どちらもラントリボードなので、リバースやビッテリーはやりやすいし、ランしながらの180もサラリと決まる。
普段乗っている硬いキャンバーのツインチップより板捌きが簡単で、本当にラントリボード買って良かったとしみじみ思いました(笑)
甲乙つけ難いのだが、リバースターンからのスイッチノーリー180戻しなど、技の繋がりは気持ちMk-Sが良いかも?(気のせいかもレベル)
グラトリ性能
グラトリ性能と言っても、両者で性格が全然違う!
BRAHはダブルロッカー形状でノーズ/テールが浮いているので、ドライブスピンがやりやすい!ラマ先生のような高速のクルクルは当然できないんだけど、ドライブ180や360とか、全然引っかかる気がしない!軽く回る!
フラットで乗ってると、エッジがかかってなくてルーズな乗り味、板を立てるとカービングが性能が高い両極端なBRAH。
Mk-Sはグラトリボードって感じで、プレスしやすいフレックス。よくしなり反発を得やすいので、トップ、テールのしなりを利用する系の技はとてもやりやすい。フレックスがかなり柔らかいので、高回転系とか回転力や高さが必要なグラトリにはパワー不足かもしれないけど、48Rみたいなグラトリちょっとかじってる程度の足前には、まずはプレスが入らないとトリックが上手くつながらないので、これくらいのフレックスだと乗れる範囲が広くて、本当に乗り手を助けてくれる板って感じ。
フラットでの取り回しやすさは、Mk-Sは可変キャンバーとはいえ、ダブルロッカーで最初からノーズテールが浮いているBRAHのほうが良いかな。
プレス&弾きのMk-S、フラットでの取り回しのBRAHって感じ。
どっちが良いとかではなく、好みかな。
WRX Mk-S vs BC STREAM BRAH 比較まとめ
いぐっちゃんのYouTubeと同じような結論だが、まとめるとこんな感じ。
・Mk-Sはカービング性能が高いプレス系のグラトリボード
・BRAHはフラットだとルーズに乗れるけど、板を立てるとキレるカービングボード
両者ともラントリボードなのだが、トリックに寄せるならMk-S、カービングに寄せるならBRAHと思う。
え、48さんはどっち乗るのって?
自分はMk-Sを使います。グラトリ下手なので、技を打ちやすいMk-Sはおじさんを助けてくれます!カービングはBRAHのほうが良いとはいえ、Mk-Sでも十分にカービング楽しめるレベルだし、板の住み分け的にカービングを求めるのは別の板なので(ラントリボードはトリックを重視したい)。
それにしても、今回は同一条件で乗り比べたので、素人の48Rでも板の違いがよく分かって楽しかった。
キャンバーやフレックスの違いが滑りにどう影響するか色々な発見があって、今後の板選びの参考になる、学びのあるテストでした。