タイヤの空気圧をリアルタイムで表示してくれるTPMSを取り付けた。
タイヤの空気圧管理は重要な整備とはいえ、実際にはいちいちエアゲージをタイヤに当てて確認するのはメンドウな作業。
それがTPMSをつけているとモニターで一瞬で空気圧を確認でき便利なうえ、適正な空気でいつも走っている安心感も得ることができる。
意外と「取り付けて良かった」と日々実感できるおすすめアイテムです。
TPMSとは
TPMS とはタイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム (Tire Pressure Monitoring System)の略で、タイヤ空気圧を常時モニタリングするシステムである。
空気圧の低下があれは、アラートで運転者に知らせてくれる。
これは2000年にアメリカで起きたタイヤの空気圧低下による事故を受けて、アメリカでは2007年から完全義務化になっており、欧州でも続いて2012年から義務化された安全装置である(海外ではABSや自動ブレーキのように義務化されているのに、日本はその動きが全然ないのだが)
48Rも2012年頃、アメリカでレンタカーのプリウスを運転してしているときに、当時は見たこともない警告灯がダッシュボードに表示されて、翌朝にはタイヤがペッチャンコといことを経験した。
↑が、そのときの警告灯。当時は知識不足で、「なんだコレ?」と思ってました。
余談だが、アメリカはめちゃくちゃパンクが多い。さらに車は重いわ過積載気味の車も多いわで、スローパンクチャーで低内圧走行からバースト多発で、主要道路の脇はタイヤの残骸だらけです。。
そんな日本では導入が遅れているTPMSだが、市販品は色々と販売されているので購入してみた。
ハイエースでも取り付けていてダッシュボードに置くタイプを使用しているが、ジムニーではダッシュボードには追加メーターが並んでいるので、窓に取り付けるタイプを購入。
裏側がソーラーバッテリーになっているので、給電は不要だ。
低内圧走行の恐怖
意外と怖いのがスローパンクチャー(一気に空気が抜けず、徐々に空気が抜けるため低内圧に気が付きにくいパンク)というのはご存じだろうか?
タイヤ関連の事故で怖いのが「バースト」であるが、「バースト=破裂」ということで高内圧をイメージする人が多いかもしれないが、実際にはバーストは空気圧不足による低内圧走行で起きるのだ。
そして一気に空気抜けるパンクなら運転者はすぐに気がついて停止できるが、スローパンクチャーは気がつかずに低内圧走行を続けてしまうリスクがある。
低内圧走行によるバーストのメカニズムはこうである。
低内圧で走行すると、タイヤのたわみ(変形)が非常に大きい状態となる。
ゴムは変形により発熱するので、低内圧走行では通常よりタイヤ温度は上がり、ゴムの強度は低下する。
タイヤは有機繊維やスチールの骨格部材とゴムで出来ているが、タイヤの回転による繰り返し変形が大きい状態で走行を続けると、骨格部材とゴムとの剥離が生じ、さらに走り続けると剥離が徐々に進展していく。そして最終的には、トレッドゴムがケースから剥がれたり、最悪ケースの有機繊維が断裂してしまうのだ。
バーストしたら、車一気に傾き、ハンドルは取られるわ振動は凄いわ、そらー恐ろしいです。高速道路で起きた日にゃ、最悪死亡事故である。
(ちなみに米国でのTPMS義務化の契機になったのは、フォードエクスプローラーのバーストによる横転事故多発によるもの。何人か死人も出ている。ファイヤストンは大量のタイヤを自主回収したが、本当の原因はタイヤの欠陥ではなく、エクスプローラーの指定空気圧が、車重に対してマージンが少なかったことによるものといわれている)
ちなみに、過積載もタイヤの変形が大きくなるので、同様の理由でバーストを引き起こす。
日々の空気圧管理は、安全運行のための重要な整備なのだ。
ジムニーでも、悪路走行によるタイヤカットや石、金属片の刺さりによってスローパンクのリスクはあるので、今回はTPMSを取り付けることにした。
TPMS 取り付け方法
10分程度の簡単作業です。
必要工具
・付属のレンチのみ
手順①バルブキャップをセンサーに交換する
まずはバルブキャップを取り外す。
次に付属の薄型ナットをバルブに通す。
そして空気圧センサーになってるバルブキャップをとりつけるのだが、この時一瞬空気が漏れるので、取り付けは素早く行うこと。
最後に薄型ナットを半時計周りに回して、ナットと空気圧センサーを密着させてロックする。
手順②モニターをフロントウィンドウに貼り付ける
運転者の邪魔にならないよう、フロントウインドウ右上に取り付けた。
モニターと空気圧センサーとのペアリングは自動で行われる。
TPMSの設定
ジムニーで快適に使うため、少々設定をいじる必要がある。
変更したのは下記内容。
TPMSの設定
・空気圧の単位は「Bar」、温度は「℃」に設定
・初期は最低内圧アラートが1.8barに設定されているので、1.4barに変更する
JB74の指定空気圧は前後1.8bar。初期設定だとアラート鳴りまくりでやかましい。
使用インプレとまとめ
走りが変わったりするアイテムではないのだが、付けてると空気圧が一目瞭然なので、安心感が違うよね。
また、空気は気温が上がると内圧上昇するので(高校物理)、気温が高い日は内圧が上がったり、峠の下りを攻めてると前輪のタイヤ温度が上昇して内圧が上がったり、タイヤの走行中の変化が分かり、ドライブの楽しみが一つ増えた感である。
ちなみに、ジムニーでタイヤサイズを変更した際に空気圧はいくつに設定する問題だが、ここらへんの話は別記事でねっとり解説しているので、お時間あれば読んでいただけると幸いでございます。
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4千円程度のアイテムひとつで空気圧点検の煩わしさから解放されるので、意外と取り付けて良さを実感したアイテムでした。
他にも「JB74ジムニーシエラ(☜クリック)」カテゴリーで様々なジムニーに関する記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。