ハイエースは非常に盗まれやすく、盗難車ランキングのTOP10の常連である。。
理由としてはハイエースを盗難して海外へ密輸する大規模な窃盗団が暗躍しているからだ。
丈夫でよく走り修理もしやすいことから、発展途上国を中心に海外でとても重宝されているハイエース。当然、高値で取引きされているので、ハイエースは窃盗団に大人気で盗難のマトになっている。
自分のハイエースも被害にあったらどうしよう。。と考えると夜もおちおち寝てられない!
というわけで、ハイエースがどれくらい盗まれやすいのか調査しつつ、対策について考えてみる。
盗難件数ランキング
まずはここ最近の盗難車ランキングを調べてみた。
(データ元は一般社団法人 日本損害保険協会)
最近の盗難傾向から過去に振り返りながら、ハイエースの盗難件数の推移を見ていこう。
2020年〜2022年
昔はハイエースはTOP3だったが、最近はやや盗難率が下がってきた。
とはいえ、まだまだ安定してTOP10には入っているので油断できない車である。
また、ざっくり見るとほぼトヨタ車で占められており、いかにトヨタが海外で人気なのかがわかる(盗難車は国内で売っても足がつくので、ほぼ海外で売り飛ばされる)
2015年〜2017年
下の表は盗難台数が少ないが、11月の1ヶ月間の盗難件数である。
ここ3年はプリウス、ランクル、ハイエースが上位を独占している。
だいたい上位の3車種で、盗難車全体の45%もの割合。
集中して特定車種が狙われているのがわかる。
2012年〜2014年
さらに遡ってみる。同様に11月のみの盗難件数。
2012年、2013年はハイエースが1位。
特に2013年のハイエースの盗難車構成比23.9%は凄い数字。実に盗難車の4台に1台はハイエースということになる。また、11月の単月で148台もの台数が盗まれているので、年間ではおよそ1,800台弱。
どんなけ窃盗団に人気やねん。。
2009年〜2011年
もっと遡ります。
この期も圧倒的盗難台数のハイエース。
安定して単月で100台前後のハイエースが盗まれているので、年間では1,000台超のハイエースが消えていることになる。
データから、ハイエースオーナーの悲鳴が聞こえてくるようだ。。
2006年〜2008年
2006年のハイエースの順位は低いものの、2007年と2008年は1位獲得のハイエース。
そのほかに目を向けると、この期はベンツがランクインしている。販売台数は多くないベンツなのに盗難ランキングに入選するなんて、盗難率はかなりものだったのかもしれない。
2002年〜2005年
2002年〜2005年にまで遡ると、ハイエースはランクインしているものの、TOP3からは脱落。
これは今の200系ハイエースがデビューしたのが2004年で、それ以前の100系ハイエースはそこまで窃盗団に人気がなかったと思われる(それでもTOP10入りなのでそこそこの盗難需要はあった)。
考察
ざっと振り返っても、200系になった今のハイエースの盗難件数の順位は高過ぎで、安定して盗難件数TOP3にランクインしているし、2007年から2013年にかけては7期連続王座防衛と不名誉な記録まで打ち立てている。
窃盗団にとても人気のある車種なので、日本で最も盗難に気をつけなければいけない車種だろう。
とはいえ、2020年以降は盗難件数がかなり落ち込んできたので、窃盗団の的から外れつつあるのかもしれない。
盗難されたハイエースの末路
盗難されたハイエースは海外に密輸されるのだが、どんな姿にされるかご存じだろうか。
それがコチラ。
切ってコンパクトに畳まれたハイエース。。
密輸コンテナに少しでもたくさん積むため、こんな姿にされてしまうのだ。また、この状態にすると「車」ではなく「部品」という扱いになるので、関税も安くなる。
自分の愛車がこんな姿になって発見されたら卒倒するわい。
現地で溶接して組み立てるらしいが、そこまで手間をかけても盗難ビジネスが成り立つくらい、海外ではひっぱりだこのハイエース。
多少過走行だろうが、海外では修理しながら50万キロは走らせるので、部品の需要も高い。まさに部品までしゃぶられるハイエースなのだ。
盗難対策
盗んだ車で暴走するチンピラならまだしも、プロの窃盗団相手にどれだけ効果があるかわからないが、盗難対策をまとめてみた。
破ろうと思えば破れるセキュリティでも、まずは盗みやすそうなハイエースから盗られると思うので、盗難対策の効果はあるはず。
絶対に安全なセキュリティはないだろうが、2重、3重に対策して少しでも盗難抑止力を高めるとこが重要だ。
イモビライザー
物理的な鍵の一致だけでなく、電子的なキー照合システムを追加したのがイモビライザーだ。
ハイエースの場合、2012年(平成24年5月)以降のハイエース3型後期から標準装備された。
(ハイエース公式HPより)
48Rのハイエースは4型なので、もちろん標準装備されている。
イモビライザーは盗難対策に効果ありということで、一気に普及が進んだ。事実、EUではイモビライザーは義務装着なのだが、導入されてからは明らかに盗難台数が減少傾向である。
ハイエースも、イモビライザーがついていない3型前期以前が狙われやすいので、盗難対策にある程度効果はある。
イモビライザーを破るイモビカッター
ところが2010年頃からイモビカッターと呼ばれる呼ばれる装置を使ったが増えだした。
イモビライザーのシステムを逆手にとって、車のOBD2アダプターから車の電子キー情報そのものを書き換えてしまって、手持ちのキーで解錠してしまう手口だ。
しかも、いまやイモビカッターはインターネットで簡単に購入できるので、イモビライザーがついているかといって全く安心はできなくなってしまった。
スマートキー車に恐怖のリレーアタック
ハイエースのオプションで選択可能なスマートキー。
いちいち鍵を取り出さなくてもドアの解錠・施錠ができたりエンジン始動もできるので、一度使うと手放せないアイテムだ。
しかし、近年はリレーアタックという手口での盗難が増えてきている。
スマートキーから微弱な電波が発せられており、これを車がキャッチすることで解錠やエンジン始動ができるようになっている。
リレーアタックはこの微弱な電波を利用する手口で、ドライバーが車から離れているスキに、持っているスマートキーから増幅した電波をリレー方式で車まで飛ばして解除する。
詳しく説明は下記ニュースサイトで。
恐ろしや。
スマートキーの電波にはイモビライザー情報も含まれているので、イモビカッターも使うことなく解錠、エンジン始動ができてしまう。
というわけで、スマートキーなら、どんな車でも解錠されてしまうわけだ。
これが普及すると、素人でも簡単に解錠できてしまうので、今後盗難台数がまた増えないか心配である。
リレーアタック対策には、スマートキーの節電モードはご存知だろうか?
トヨタ車なら簡単なボタン操作で電波をシャットアウトできるので、リレーアタック対策に有効だ。
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ダミーセキュリティ
特に仕掛けはないが、それっぽい雰囲気のダミーセキュリテイを導入している。
一定間隔で点滅するだけのLEDライトとGPSステッカー。
詳しくは別記事で書いている。
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千円くらいの投資で、「なんか仕掛けがある感」がでているのが面白い。
ダミーセキュリティの良いとこは、価格が安い、コストがかからない、アラームの設定や誤作動に悩まないこと。非常にストレスフリーで導入しやすいのがメリットである。
とはいえ、プロ相手には通用しないので、こそ泥対策と思っている(ないよりはマシ程度の期待感)。
Air Tagで追跡
また、万が一盗難された場合に備え、AirTagで追跡できるようにもしている。
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AirTagには欠点もあるのだが、うまく工夫することで効果を発揮でいると思っている。
駐車監視機能付きドラレコ
コムテックの駐車監視機能つきのドラレコを使っている。
でも実はドラレコにステッカーを貼っているだけで、駐車監視機能はバッテリーに負荷がかかるのでキャンセルしているのはこのブログだけのお話。
ま、これも実質はダミーだが、犯人からは映像に撮られるリスクも背負うことになるので、ある程度の抑止力はあるだろう。
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車両保険
それでも盗難が不安な方は、万が一に備えて車両保険(盗難保険)に入るのがおすすめ。
盗難されても車両保険をかけていた額は手元に入るので、買い替え資金にすることができる(48Rも現在280万円ほどかけている)。
無料の一括保険見積もりサイトなら車両保険込みで最安値の保険会社を選ぶことができるので、保険の見直しも含めてぜひどうぞ。
というか、どんなセキュリテイもプロに狙われると簡単に破られしまうと言われている。
防衛より、盗まれてしまった後の安心のほうが大事なのかもしれない。
キャラバンに乗り換え
盗難対策としては、けっこう本気(半分ネタ)。
上のほうに書いた盗難台数のデータを見直してほしい。
なんと、キャラバンは全然ノミネートされていない。販売台数はハイエースの1/3程度なので、いかにキャラバンは人気がない安全ということがわかるだろう。
ちなみにキャラバンについては別記事にて色々書いている。
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もしキャラバンに乗り換えても良いならご参考になれば幸いです(やっぱハイエースってなるかもしれないが)。
物理ロック
ハンドルロックやホイールロックも盗難対策では定番グッズ。
48Rは比較的セキュリティの高いマンションに住んでいるので、これらのグッズは使ってないが、すこしでも犯人に「めんどくさそうな車」と思わせるには有効かもしれない。
ほんとうは出先でもハンドルロックくらいはするべきなのかもしれないが、そこまではやってないです。はい。
GPSサービス
もしも盗難されてしまっても、ココセコムなどのGPS追跡サービスがあれば車を見るけることができるかもしれない。
窃盗団はGPS追跡対策で、盗難車はすぐにアジトに運び込まず、GPS追跡の有無を確認するため一度コインパーキングなどに放置すると言われている(アジトがバレるのは致命的なので)。
その間にココセコムの緊急対処員が駆けつけられたらラッキー!
ココセコムは今まで累計1000台以上の車を救出しており、かなり効果は高いと言える。
ココセコムの詳しい料金体系はコチラ
ココセコムについては、48Rも真剣に導入を健闘している。
油断しないこと
当たり前のことなのだが、超重要なのであえて書いておく。
少しの気の緩みで、あっという間に車を盗まれてしまうこともある。キーを挿しっぱなしで車を離れるなんて言語道断。少しの間だけでも鍵を抜いて施錠することが重要。
盗難総数の3%ほどは、鍵の付けっ放しを狙われているのだ。
さらに、車両保険は自分に過失がある場合は支払われないケースもある。
高額な車両保険をかけていても、過失で1円ももらえないなんて、目も当てられない。
まとめ
最近はハイエースの盗難は下火傾向とはいえ、まだまだ盗難車ランキングTOP10にランキングされているので油断はできない。
また、標準装備のイモビライザーはある程度の抑止力はあるものの、破る方法もあるので盗難を完全に防げるものではない。
やはり、すこしでも盗難されないようにするには、2重、3重の用心をするしかない。
48Rは防犯に対してはそれほど力を入れていないのだが、この記事を書いていて不安になってきたので、ココセコムの導入は検討している。
また、最終的に頼りになるのは車両保険。
転ばぬ先の杖、盗まれぬ先の車両保険、盗まれてしまった時に一番頼りになるのはやはりお金なのだ。
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ハイエースへの買い替えを検討しているなら、愛車の売却方法はお決まりですか?
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ブログ筆者48Rの場合、トヨタディーラーより40万円も高い査定額でした。
ディーラーの査定だけだと、絶対損します。