ミッシングリンク(シマノではクイックリンク)を使ったチェーンの脱着方法の解説です。
以前紹介したコネクティングピンに比べると、作業が早くて簡単なチェーン脱着方法です。
また、ミッシングリンクには専用工具が必要なのだが(といっても1000円程度で買えます)、記事後半では専用工具を使わない脱着方法も紹介します。
チェーン交換に必要な部品
チェーンの繋ぎ方の種類
チェーンの繋ぎ方には2種類あって、昔ながらの「コネクティングピン」を使う方法と、ミッシングリンクやクイックリンクといった簡単に脱着できる部品を用いる方法の2通りがある。
コネクティングピンとは、自転車のチェーンをピンの圧入で接続する伝統的で確実な方法である一方、ミッシングリンク(クイックリンク)は、リンク本体のパーツをスライドさせて取り外しができるように設計された、より手軽にチェーンを接続・分解できるパーツである。
今回は、クイックリンク(ミッシングリンク)を用いたチェーン切断/繋ぎ方を解説する。
ちなみに、コネクティングピンを用いたチェーンの脱着方法はこちらの記事を参照ください。
シマノのコネクティングピンタイプのチェーンの切り方、繋ぎ方を解説します。 工具さえあれば、チェーン交換は簡単です。 チェーン交換に必要な工具 チェーンカッター チェーンフック チェーンカ ... 続きを見る
チェーンの交換方法(シマノコネクティングピンの切り方繋ぎ方)【MTBメンテナンス】
ミッシングリンク(クイックリンク)の種類
ミッシングリンクはチェーンに合ったものを選ばなければならない。
下表にコネクティングピンやクイックリンクの適合をまとめてみた(表は横にスクロールします)。
| チェーン | コネクティングピン | クイックリンク | ミッシングリンク | |||
| 12速用 | (コネクティングピンの設定なし) | ![]() |
SM-CN910-12 | ![]() |
CL552 | |
| 11速用 | ![]() |
Y0AH98030 | ![]() |
SM-CN900-11 | ![]() |
CL555R |
| 10速用 | ![]() |
Y08X98031 | (クリックリンクの設定なし) | ![]() |
CL559R | |
| 9速用 | ![]() |
Y06998030 | (クリックリンクの設定なし) | ![]() |
CL566R | |
| 6/7/8速用 | ![]() |
Y04598010 | (クリックリンクの設定なし) | ![]() |
CL573R | |
自分が使っている自転車の変速段数を把握した上で、正しいリンクを購入してください。
ちなみに、ここで紹介しているシマノのクイックリンクは基本的には使用は一度限りで再使用は認められていないが、実際には各ユーザーの自己責任で繰り返し利用がされている(48Rも2、3回は自己責任で使っている)。
ミッシングリンクは再使用可能品と不可品の2種類あるが、上表の品番は12速品以外は再使用可能タイプだ(12速の再使用可能品はラインナップされていない。アウタープレートの薄い12速チェーンでは再使用はリスクあるのかも)。また、再使用可能なタイプでもずっと使えるわけではなく、不意にチェーンが切れないよう5,6回くらいで交換を推奨する。
ミッシングリンクの構造
ミッシングリンクの構造は単純である。
片方のリンクにピンが1本ずつ取り付けられており、両者を合わせてピンを引っ張る方向にスライドさせるとロックされる仕組みになっている。
ミッシングリンク(クイックリンク)の脱着方法
必要工具
ミッシングリンクの脱着には専用工具が必要だ。
48Rは下のような工具を愛用している。
これはこれで作業する上は問題ないのだが、これから工具を買うなら下のような先端が三つに分かれた工具のほうが使い勝手が良いだろう。
というのも、前者の工具ではチェーンを外すのにプライヤーを握って、チェーンを繋げる場合はプライヤーを開く動作になるのだが、後者の工具ではチェーンのつけ外しどちらも「握る動作」になるので作業しやすくなっている。
ミッシングリンクの外し方
ミッシングリンクの取り外しはとても簡単である。
ミッシングリンクの両側のリンクを挟み込むように専用工具を差し込む。
あとは握り込むだけでロックが外れる。
慣れれば10秒くらいで外せる。
この簡単さはコネクティングピンとは比較にならないよね。
ミッシングリンクの取り付け方
取り付けも簡単。
チェーンは張っていると取り付けにくいので、フロントのチェーンリンクからチェーンを外して弛みを作っておく。
繋げるチェーンの両端にミッシングリンクを取り付ける。
ミッシングリンクを繋げる。
専用工具の先端が開く方向に力を加え、ミッシングリンクをロックする。
はい、出来上がり。
専用工具を使わないミッシングリンクの外し方
用いるのはラジオペンチ(ミッシングリンクの専用工具はなくとも、ラジペンは工具箱に入っている人も多いでしょう。なくても、ダイソーのラジペンで十分)。
ラジペンで、ミッシングリンクが開く方向に対角の角を握り込む
この方法でもあっさり開きます。
専用工具を使わないミッシングリンクの取り付け方法
ミッシングリンクのはめ込みまでは先ほどと同様。
ロックするときは、ミッシングリンクが上側のチェーンラインにくるようにして、リアブレーキを握り込んだままクランクを回す。
そうすると、上側のチェーンに張力がかかってピンがスライドしてロックがかかる。
つか、ミッシングリンクの取り付けは、専用工具を使わずに大体この方法である。こっちのが、早くて簡単。
ミッシングリンク選びの小技
ここまでブログ読んでて、なんでミッシングリンクの色がチェーンと合ってないの?と疑問を持った人もいるでしょうが、実はこれわざとチェーンとは異なる色のミッシングリンクを使っている。
ミッシングリンクの色がチェーン本体と異なると、一瞬でリンクがどこにあるか判別できるのでチェーン外すときにスムーズだし、日常メンテのチェーンオイル注油もミッシングリンクを目印にすれば「あれ、もう一周オイル差したっけ?」と疑問を抱くこともない。
色違いのミッシングリンクはなにかと便利なんです。
ミッシングリンクの脱着まとめ
コネクティングピンに比べると圧倒的に便利なミッシングリンク。
専用工具があれば脱着もスムーズなので、気兼ねなくチェーンを外して洗ったりもできるて(チェーンは外して灯油で洗って油させば、いつでもピカピカ)、一度使うとやめられないですよ。




































