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JB23ジムニー サーモスタッド交換方法 ~ヒーターが効かない/水温が上がらない対策~

寒い日、いつまでたってもヒーターから温風が出ない!

調べてみると、そんなときはエンジンの冷却水ラインのサーモスタット不良が疑わしい。

サーモスタットも消耗品で、大体10年または10万キロと言われており、11年目に突入したJB23もそろそろサーモスタットがお亡くなりになってもおかしくない時期。

というわけで、今回はサーモスタットを交換してみたのだが、やはり原因は教科書通りのサーモスタットの動作不良!

サーモスタットは安い部品だし簡単に交換できるので、ヒーター不調の人は交換をオススメします。

(昨シーズンの冬困ってたけど、寒くて作業する気にならず、夏になって冷却水が減るという別件もあり、ようやくサーモスタット交換となりました)

 

 

ヒーターとサーモスタット

サーモスタット交換の前に、軽く仕組みについておさらい。

 

サーモスタットの仕組み

サーモスタットとは、温度変化によって開閉するバルブである。

その作動原理は、上の画像バネの内側の円筒部に封入されたWAX(蝋)の温度変化による膨張と収縮を利用している。

エンジンが冷えている状態では、上の画像のようにバルブが閉じた状態になっている。

エンジンが温まってくると、サーモスタットのバネの中の円筒部の中に封入されたWAXが膨張し、円筒部の中に挿入されたロッドが押し出される反作用でバネを押し上げたバルブを開く仕組みになっている。

エンジンが冷えてくると、逆にWAXは収縮し、バネの力によってバルブは再び閉じた状態になる。

WAXの膨張伸縮といった、とても単純な原理を利用してサーモスタットは機能しているのである。

 

 

サーモスタットの役割

エンジンの冷却水の経路に設置されているサーモスタットの役割は、冷却水の温度に合わせて開閉することで、冷却水が通る経路をコントロールし効率よくエンジンを温めている。

簡単な概念図で、サーモスタットがどのように冷却水の経路をコントロールしているか次に示す。

 

エンジンが冷えている時

サーモスタットはラジエーターに流れ込む冷却水をコントロールする位置に設置されている。

エンジンが冷えている時、サーモスタットのバルブは閉じているので、ラジエーターからの冷却水の出口が閉ざされた形になっており、冷却水はラジエーターには流れ込まずバイパスラインを通って循環している。

これによって、冷却水を冷やすラジエーターを通さないので、冷却水の適正水温まで素早く暖気できるのだ。

 

エンジンが温まっている時

水温が上昇してエンジンの適正水温付近になってくると、サーモスタットのバルブが開いてラジエーターにも冷却水が流れ込むようになる。

ラジエーターではエンジンで温められた冷却水が冷やされるので、水温が上がりすぎることなく適正水温を維持できるのだ。

また、このときパイパスラインにも冷却水が流れているが、バイパスラインの水路は細いので、大部分がラジエーターに流れることになる。

 

このようにして、サーモスタットは冷却水の温度によってバルブを開閉することにより、効率よくエンジンの暖気/冷却を行っているのだ。

 

 

ヒーターの仕組み

ヒーターの仕組みは先ほどの冷却水の経路にヒーターコアに向かう経路を追加するだけ。

ヒーターの熱源は温められた冷却水を利用しており、エンジンで温められた冷却水はヒーターコアで熱を放出して、それをブロアーで室内に熱を送り込むことでヒーターとして作動している。

ヒーターの温度調整は上の図のウォーターバルブが担っており、ヒーターコアに流れ込む温められた冷却水の水量を調整することで、ヒーターの温度を調整しているのだ。

 

サーモスタットが故障すると
ヒーターからなかなか温風が出ない理由

ヒーターの熱源は温められた冷却水であるが、サーモスタットが壊れて閉じなくなっているとヒーターから温風が出てこなくなる。

理由は下図のようにエンジン始動直後の低水温時でサーモスタットが壊れて閉じていないと、エンジンが温まっていない状態でラジエーターに冷却水流れてしまう。

この状態だと冷却水はまだ温度が上がってないのにラジエーターで冷やされるし、ヒーターコアには冷たい冷却水が流れる状態になるので、温風がなかなか出てこないのだ。

(サーモスタットが壊れている時、温風が出ないのにヒーター使っていると、ヒーターコアでも熱を奪われてさらに水温が上がりにくくなる)

 

サーモスタットの寿命

サーモスタットの寿命は一般的に10年または10万キロと言われている。

48RのJB23も11年目でヒーターが暖まりにくい症状が出ていきたので、まあ天寿を全うしたという感じだ。

ちなみに、サーモスタットは一気に壊れるのでなく、48RのJB23の場合はサーモスタットは閉じているんだけど、隙間がある状態だった。「水温が全く上がらないほどではないが、なんか暖まりが悪いな〜」という感じだと、すでにサーモスタットは壊れ始めている。

 

購入したサーモスタット

アマゾンで純正として売られているサーモスタットを購入。

が、これよく見ると78度でサーモスタットが開き始める設定になっているが、JB23 9型は82度が正解。。。

 

ここで余談だが、サーモスタットは設定された温度で開き始め、大体そこから10度くらい上昇すると前回になる。

例えば、82度のサーモスタットなら、

82度:開き始める

87度:50%

92度:全開

というような開き方をする(例なので、この温度通りではないけど、だいたいこんな感じ)

 

なので、設定温度が低いサーモスタットほど、早くラジエーターに水が回ることになるのだ。

中には設定温度68度という、低温から開き始めるローテンプサーモスタットという冷却強化アイテムも売られている。

 

ところが、実はこれあまり意味がない。

純正サーモスタットに対し、低水温から開弁するローテンプサーモスタットは、横軸時間、縦軸水温にすると下グラフのような水温上昇を示す。

    • エンジンが低水温の時は両方のサーモスタットは閉じているので、同じように水温が上昇する。
    • ・ローテンプサーモスタットが開弁する水温になると、ラジエーターに冷却水が流れ始めるので、ローテンプサーモスタット装着したほうが水温上昇が抑えられる。
    • エンジンが十分に暖気されると(JB23では90度~95度くらいで安定)、どちらもサーモスタットも100%開弁状態なので、ラジエーターに流れる水量は同じになるので冷却性能は同じ。

つまり、ローテンプサーモスタットを装着することで得られるメリットは水温の上昇スピードをおさえらえるだけで、MAX温度での冷却性能には寄与しない(MAX温度を下げたければ、容量の大きなラジエーターに交換するか、ラジエーターに当たる風を増やすしかなく、結局エンジンを冷やすのはラジエーターなのだ)

 

一方でデメリットとして、JB23のK6Aエンジンの適正水温の90度まで暖気するのに時間がかかってしまう。エンジンは適正水温に上昇するまでは燃料を濃くしたりアイドリング回転数を高める制御が入っているので、燃費が悪くなる。特にエンジンの温まりにくい冬場はデメリットが大きい。

暖気に時間がかかるということは、ヒーターから温風が出てくるのも遅くなってしまうのも、冬場のちょいのりが多い48Rには無視できないデメリット

 

というわけで、水温の上昇スピードをちょっと抑えられるだけで、デメリットとして燃費の悪化を招いてしまうので、レース後半で冷却水吹きまくっているような人でなければ特段つけなくても良いと思っている。

 

 

JB23ジムニーサーモスタット交換方法

クーラント(冷却水)の交換&エア抜き作業は別ページで。

 

ここではサーモスタット部分の交換のみ手順を解説する。

 

必要工具

  • ラチェット
  • 12mmソケット
  • 50mmエクステンションバー(ラチェット振りやすくなる)

 

 

手順①クーラント(冷却水)を抜く

クーラントの抜き方はこちらのページで。

JB23ジムニーの冷却水・クーラント(LLC)交換

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手順②サーモスタットケースのボルトを外す

サーモスタットがあるのは、エンジンルームを正面から見て、エンジンの右下らへん。

 

ラジエーターからエンジンに向かうロワーホースの先にサーモスタットケースがあって、左右の12mmのボルトを外すとサーモスタットを取り外すことができる。

 

エンゾンルーム内は狭いので、ラチェットをアクセスするのが結構大変。50mmのエクステンションバーがあると作業しやすくなった。

メガネレンチだと振るスペースないかな。

 

 

ちなみに左側のボルトはセンサーケーブルのステーが共締めされいる。

元に戻す時、ステー忘れないように!

 

手順②サーモスタットの交換

ロワーホースとエンジンの接続部を外すと、サーモスタットとご対面。

固着していなければ、手で簡単に外れる。固着していたらドライバーなど突っ込んでこじって外そう。

 

こちら外した純正サーモ。写真撮り忘れたけど(雷雲迫ってたので焦ってて肝心な写真を忘れた。。)しっかり閉じておらず、隙間が開いてやがる!

 

新しいサーモスタットは逆の手順で嵌め込むのだが、その時エア抜き穴を上にして取り付ける。

 

サーモスタットの周りのゴムパッキンがサーモスタットケースのガスケットも兼ねているので、しっかりとサーモスタットがサーモスタットケースの合わせ目と並行になっているのを確認のこと。

 

手順③逆手順でボルトを締める

逆手順でサーモスタットケースの12mmボルトを締めるのだが、先述のケーブルステーを共締めするのを忘れないように!

 

以上でサーモスタット交換はおしまい。

お疲れ様でした。

 

JB23ジムニーサーモスタット交換まとめ

冬は暖気が遅くヒーター効かなかったが、夏は気温30度以上だとそれなりに暖気が早いので気が付かないかな〜と思っていたけど、壊れたサーモスタットから新品に交換すると、夏場でも明らかに暖気が早い!

やはり壊れたサーモスタットが悪さをしていたようで、次の冬はマイナス10度の中凍えながらスキー場に向かわなくて済みそうだ(冬の時期に確認して、再アップします)

サーモスタットは安い部品なので、新車から10年以上経過しているならいつ壊れてもおかしくないし、クーラント交換のタイミングでついでにサーモスタット交換も併せて実施をオススメします(クーラント交換後にサーモスタット壊れたらまたクーラント捨てることになるので、予防メンテナンスが良い)。

 

ちなみに、水温確認はメーターの水温計より、OBD2接続で車のコンピュータから水温を表示すると正確だ。

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車のコンピューターは、この水温を元に燃調やラジエーターファンを制御しているのだ。その他、色々な情報を表示させられるので、車好きなら運転が楽しくなるよ。

 

他にも「JB23ジムニーカテゴリ(☜クリック)」で色々ジムニー 記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。

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