ある日、JB23の冷却水のリザーブタンクに冷却水がほとんど入っていないことに気がついてしまった!
ガビーン!
幸いラジエーターキャップを開けてみるとこちらには冷却水は満タンまで入っているし、車を運転するときはいつも水温と油温はチェックしているのでオーバーヒートさせた履歴もないのでエンジン自体は無事だと信じているが、ちょっと気持ち悪い。
ちょうどクーラントの交換時期でもあるので、今回はクーラントの交換作業と、冷却水系で簡単に交換できるものも(サーモスタット、ラジエーターキャップ)併せて交換することにした。
※※※※※※※※※※2024/08/06更新※※※※※※※※※※
記事後半にクーラント消失事件の顛末を追加しました。
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JB23のリザーバータンクのクーラントが減る理由
リザーバータンクのクーラントはなにも壊れてなくても多少増減はする。クーラント自体の熱膨張で、エンジンが温まるとリザーバータンクに移動するし、冷えるとまたエンジン側に引き込まれるからだ。
とはいえ、今回はリザーバータンクのLOWレベルを下回っており、水深2cmも残ってなかった。
まだ詳細な原因はわからないが、ざっと考えられるところとしては次の要因(下にいくほど重大)。
- しばらくチェックしてなかったので、自然蒸発(+エンジン冷えているので引き込まれている)
- ラジエーターキャップの加圧不足でリザーバータンクから溢れるを繰り返していた
- 冷却水経路からの水漏れ
- ヘッドガスケットが抜けて、エンジン内に冷却水が漏れている。
1.については、特に意識してチェックしてなかったので、今回のクーラント交換でその後の様子を観察する。
2.については下記リンクで同様の症状があるようだ。
→冷却水(クーラント)のサブタンクが空?。ラジエターキャップ先端(圧力弁)が損傷し加圧ならずです。スズキ:ジムニーシエラ
ラジエーターキャップは安い部品なので、これくらいで済めば良いのだが(48Rの場合は完全にリザーバータンクが空になる前に気がついたので、エンジン的にはセーフ)
3.については、エンジンルームから蒸気が上がったことがないし、エンジンの目視チェックではクーラント吹いた形跡がないので可能性は低いと思っている。
ちなみに、JB23ではラジエーターのアッパータンクからの漏れが多いようだ(下記リンクのような例が多い)。
4.については怖すぎてあまり考えたくないが、ヘッドガスケットが抜けてクーラントが燃焼室に流れ込んで、その不足分を補うためリザーバータンクの冷却水を吸い上げてたパターン。
乗るときは常に水温と油温をチェックしているのでオーバーヒートさせたことはないが、ブーストアップはしているのと、元々JB23のK6Aエンジンはヘッドガスケットが抜けやすいという持病を抱えているので、ちょっと心配。。。
とはいえ、このパターンだとクーラントが混じってエンジンオイルは白濁するが、直近のオイル交換では問題なかっのでヘッドガスケット抜けはなかっと信じたい。。。
(ちなみにヘッドガスケット交換だと修理費用6~7万円コース、オーバーヒートさせて歪んだヘッドやシリンダーの修正が必要なら+3~5万円、修正限度を超えた歪みならリビルドエンジン交換で30万円〜、といったことろ)
ま、今回のクーラント交換でラジエーターキャップも交換するので、1.か2.が原因であれば治るはず。
リザーバータンクのクーラント失踪事件については、原因が分かれば顛末を別記事でアップします。
あと、冬場のヒーターの効きも悪くサーモスタットも閉じてないっぽいので、今回併せて交換する。
JB23クーラントの種類
JB23のには年式により2種類のクーラントが使われていて、古いJB23には「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」、新しめのJB23にはLLCをさらに長寿命化した「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」が使用されている。
(いつのJB23からスーパーロングライフに切り替わったか知っている方がいらっしゃったら、コメントでこっそり教えてください)
LLC(ロング・ライフ・クーラント)の寿命は2年なので、車検ごとに交換するイメージだ。色は緑や赤が用いられている。
スーパーLLC(スーパー・ロング・ライフ・クーラント)は現在主流のクーラントで寿命は5〜10年ほど。色は、水色やピンクが用いられている。
LLCとスーパーLLCは混ぜて使わないほうが良いと言われているので、自分のジムニーがどちらのクーラントが使用されているか確認してからクーラントを準備しましょう(48Rは9型JB23なのだが、参照したサービスマニュアルが古くてスーパーLLCの車なのに、間違えてLLCを準備してしまった。まあ、混ぜて使わないほうが良いと言われているが、多分大丈夫です)
JB23のクーラント交換時期
ジムニーのボンネットの裏側に書かれているクーラントの交換サイクルは下表の通り。
クーラントの種類 | 交換タイミング | |
クーラント使用車 | 新車時 | 3年 |
2回目 | 2年 | |
スーパーロングライフクーラント 使用車 |
新車時 | 7年または15万キロのどちらか早いほう |
2回目以降 | 4年または7.5万キロのどちらか早いほう |
うちのジムニーは2012年式なので、ちょうど今が2回目の交換時間。
クーラント必要量
JB23ジムニーのクーラントは規定量で4リットル。
交換だと全量は抜けないので、4L用意すればちょっと余るくらいだ。
ちなみにクーラントには水(水は水道水でも可)で希釈して使うものと、既に希釈されているものが販売されているが、48Rは希釈がめんどくさいので希釈済みクーラント一択。
希釈するタイプはクーラントの濃度で凍結温度や冷却性能をアジャストすることができる。
クーラントの濃度が濃いほど不凍温度が下がり、逆に濃度が薄いと冷却性能が向上する。
不凍温度と冷却水性能は反比例の関係になっているのだ。
抜いたクーラントの廃棄方法
クーラントの主成分であるエチレングリコールは有害物質なので、そのまま下水や野に放つことはできないので、正しく廃棄しよう(ちゃんと法律で決まっているよ)。
廃棄方法といしては次の通り。
クーラントの廃棄方法
- ガソリンスタンドもしくは整備工場で引き取ってもらう
- クーラント凝固剤で固めて燃えるゴミ
今回48Rは抜いたクーラントを適当な入れ物につめてガソリンスタンドに行くのも面倒なので、凝固剤で固めて燃えるゴミで捨てることにした。
凝固剤はクーラント専用の凝固剤も売られているが、成分は簡易トイレの凝固剤と同じなので、それでも問題ない。
1gで300ml吸水するなんてすごいよね。
また、オムツの吸水ポリマーも同じらしく、これでも良いとネットで見たので48Rはこの方法で捨てることにした(近所のマツキヨですぐ手に入るので)。
まあ、おしっこ吸わせて燃えるゴミに出すのも、クーラント吸わせて燃えるゴミに出すのも、焼却炉からしたら同じよね。
JB23ジムニーのクーラント交換方法
交換自体は簡単だが、エア抜き作業を怠るとオーバーヒートの原因になるので、エア抜きは時間をかけて確実に行おう。
用意したクーラント
上のほうにもちらっと書いたが、48RはスーパーLLCのJB23なのに、LLCを準備してしまった(まあ、混ぜて使うなとは言われているがJB23のK6AエンジンはLLCでもスーパーLLCでも使われているので、ちゃんと交換周期を守れば特に問題ないはず)。
LLCのおすすめは古河薬品工業ラクラククーラント。希釈済みタイプだし価格が安くておすすめ。
スーパーLLCのおすすめも古河薬品工業さんのスーパーラクラククーラント。こちらもスーパーLLCの中では安価で評価も高い。
必要工具
クーラントだけなら工具不要。
あれば良いものとして、クーラントファンネルがあればエア抜きがめちゃくちゃ簡単になる。
これ、ファンネルの中に余分にクーラント入れるので、エア抜きしながらちょろちょろクーラント継ぎ足さなくても良い優れもの(ラジエーターの吸水口にピッタリ隙間なくハマるので、ファンネル内にクーラント余分に入れても溢れ出さない)
48Rも昔ミニバイクのレースしてた頃は毎週末エンジン載せ替えてたので(練習用とレース用エンジン分けてた)、エア抜き作業を楽にするために持ってたけど、引退する時バイクとまとめて処分しちゃった。
4年に1回のクーラント交換のために買うのもなぁ、、ということで、今回はクーラントファンネルは用意する気なしでございます。
手順①廃棄クーラントを処分する準備
クーラントは有害で地面に流せないので、必ず下に受け皿などを用意しよう。
48Rは前述のオムツ作戦。
オムツ1枚が200mlのおしっこを吸収できるとして、4Lなら20枚。余裕を持って25枚投入した。
手順②クーラントを抜く
まずはクーラントを抜けやすくするため、ラジエーターキャップを外してヒーターの温度設定をMAXにしておく(ヒーターラインのバルブを開くだけなので、ファンはOFF)
この純正ラジエーターキャップは怪しいので廃棄。
クーラントはラジエーターのロワータンクについてあるドレンコックを反時計回りに回すと、排出穴からクーラントを抜くことができる。
ドレンコックは手で回すことができる。もし固着しているならプライヤー必要だが、コックはプラスチックなので、割らないよう注意。
オムツ25枚でビニール内に液体が残らないくらいに吸水できた。
これは燃えるゴミへ。
おまけ手順:サーモスタット交換
クーラント交換のみなら不要作業だが、48RのJB23はヒーターの効きが良くないので、サーモスタットも交換。
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サーモスタットの寿命は10万キロまたは10年と言われているし安い部品なので、そろそろな人はクーラント交換ついでにサーモスタット交換をおすすめする。
サーモスタットがお亡くなりになると、またクーラント交換作業が発生するので。。。
また、48Rは大丈夫だったが、ラジエーターホースが劣化して割れているようなら、そこからクーラントが漏れる可能性があるので、ラジエーターホースの交換が必要だ。
純正でも良いが、エンジンルームがかっこよくなる社外品ラジエーターホースも売られている。
手順③クーラントの補充
クーラントが抜け切ったら、ドレンコックを閉めて、クーラントを補充する。
クーラントをラジエーターいっぱいまで入れたら、ラジエーターのアッパーホースをもみもみしてエアを抜く。
こうするとエアが抜けるので、またクーラント補充。
手順④エア抜き作業
次にエンジンをかけてクーラントを循環させて冷却経路内のエアを抜いていく。
「ヒーターの温度MAX」、「風量全開」にして、ヒーターラインにもクーラントが回るようにする。
そうするとラジエーターの吸水口からぽこぽこエアが出てくる。この時クーラントが減るようなら継ぎ足し補充する。
サーモスタットを開くまで水温を上昇させる。
ちなみに、OBD2に接続できる水温計があると便利。サーモスタットの開弁タイミングがわかるし、エア抜き不十分なら冷却不良で水温が100度を超えてくるのも監視できる。
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水温計がない場合でも、ラジエーターのホースが暖かくなってきたらサーモスタットが開き出した目安(サーモスタットが閉じてるとラジエーターにクーラント流れないので)
サーモスタット開弁後、しばらくエンジンを吹かしてエアが出てこなくてなればエア抜き完了。
(ヘッドガスケット抜けていれば、燃焼ガスがウォータージャケットに流れ込むのでいつまでもエアが出てくるが、一応48RのJB23は10分ほどでエアは出てこなくなった)
クーラントをラジエーターいっぱいまで注いでラジエーターキャップを閉める。
最後にエンジンが暖かい内にリザーバータンクのアッパーレベルいっぱいまでクーラントを補充して作業完了(エンジン冷えてるときにアップレベルに合わせると、エンジン温まると膨張したクーラントがリザーブタンクに移動してくるので溢れる可能性がある)
走行後に冷却水チェック
エア抜き後はテスト走行。
JB23ジムニーなら、95度くらいで水温安定するようならエア抜きはOKだ。またエンジン冷却経路内の微細なエアは残っててもリザーブタンクに抜けていくので問題ないが、エアが抜けた分リザーバータンクのクーラントが減るので、テスト走行後にリザーブタンクレベルを再チェックしよう。
冷却水消失事件の顛末
2024/08/06現在の状況だが、ラジエーターキャップ交換後3,000km走行。真夏の高速道路を2時間ぶっ続けで120km/h巡航したりもしているが、リザーブタンクの冷却水は全く減っておらず、ラジエーターキャップの交換で完全に治った!(嬉し涙)
また、ブログ読者様から頂いた情報でNTKのキャップには個体差があって水温が上がりやすいものがあるそうだが、48Rのものは水温には変化なし。
JB23完全復活です!(再び嬉し涙)
クーラント交換まとめ
以上、JB23のクーラント交換手順でした。
交換作業自体は簡単なのだが、エア抜き不十分だとオーバーヒートのリスクがあるので、作業は確実に行いましょう。
他にも「JB23ジムニーカテゴリ(☜クリック)」で色々ジムニー 記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。