ブログの検索ワードを調べると、意外と多いのが『ハイエース 寒冷地仕様』ってワード。
実はワタクシメ、寒冷地仕様と非寒冷地仕様両方所有した経験があり、最初の200系1型ハイエースは非寒冷地仕様2KD スーパーGL(中古車なので選べなかった)、2代目の200系4型ハイエースは寒冷地仕様1KD スーパーGLを購入しているので、その違いについては身をもって経験しているところ。
とくに自分はスキー場通い雪山用途だし、1型非寒冷地ハイエースでは、最北は旭岳(日本で一番寒いスキー場)、マイナス-20度の旭川での車中泊まで経験しているので、非寒冷地仕様車としては、一般ユーザーの限界まで攻めているといっても過言ではない。
自分の経験をもとに、寒冷地仕様と非寒冷地仕様の違いや必要性についてまとめてみた。
ハイエース購入計画のご参考に!
寒冷地仕様ってどこが違うの?
まずは違いから見てみよう。
トヨタ公式WEBサイトにまとめ表がある(クリックすると、拡大表示)。
見易いように抜き出すと、概略はこんな感じ。
1.ボディの塗装が2コートになり、塗膜の耐久性が向上(ホワイトのみ)。
2.防塵処理をしており、車室内に砂や埃などが入るのを防止。
3.冷却水(LLC)の濃度が50%(通常は30%)。
4.マニュアルアイドルアップあり。
5.フューエルヒーターあり。
6.リアスライドドアモールディングあり。
7.ステップ&ステップカバーが違う(滑り止め)。
8.リアフォグを選べる。
9.ヒーターミラーを選べる。
10.PTCヒーターあり。
11.リアヒーターあり。
12.バテリ容量アップ(ディーゼル車は2個に増量?)。
13.オルタネーター容量アップ。
14.スターター容量アップ。
15.スノーモードあり。
けっこう色々と違うのね。その数15項目!
現在は寒冷地仕様のオーナーである自分でも全部は把握してなかった。ブログ書くと、色々と調べるので勉強になるなぁ。
これだけの内容で、寒冷地仕様のお値段は「3万円」。コスパ高すぎでしょう。
では、上から順番にやっつけますか!
1.ボディの塗装が2コートになり、塗膜の耐久性が向上。
これは融雪剤に対する防錆狙い。
雪国白馬村に住んでいる友人の軽ワンボックスは、ボディの塗装が浮いて錆びているから、普通の塗装では融雪剤による錆は防ぎきれていない。
よって、2コート塗装は大変ありがたい。
ただし、1コートから2コートになるのはホワイトのみである。その他のソリッドカラーは1コートのままなので、ホワイトなら寒冷地使用は是非とも選びたいオプションだ!
ちなみに、メタリック系はもともと2コート、ホワイトパールは3コートなので変更はなし(どうせなら、クリアーをもう1層塗って欲しいぜよ)。
2.防塵処理
ドア周りにモールがつき、隙間からの塵の侵入を防ぐようになっている。
汚れた雪を巻き上げると、アスファルトに浮いている砂や埃も巻き上げるので、その対策だろう。
3.冷却水(LLC)濃度が30%から50%に
LLC濃度と凍結温度について調べると、下表の通り。
自分は-20℃まで「非寒冷地仕様」で攻めたけど、冷却水凍り始めてたのね。ガクブル。
ちなみに、オートバイレースやってたころは、レギュレーションで冷却水にLLCは禁止だったので水道水を入れていた。水道水は錆びるので走行後に抜くのが基本なんだけど、水道水抜き忘れると、冷却水が凍って堆積増えて、最悪エンジンが割れる!
普通自動車でも、やっぱ冷却水凍って堆積増えるとエンジンやラジエータにはストレス与えてるんだろうね(即座に壊れるわけじゃないとは思うけど)。
4.マニュアルアイドルアップ
後述のPTCスイッチをONすると、アイドリング回転数が上がるようになっている。早く暖機するためや、ヒーターの始動性を高めるためだ。
自分は今の寒冷地仕様ハイエースでもほとんど使ってない。なくても困らないし、ボタンを押すのが面倒臭い(笑)
5.フューエルヒーター
燃料ポンプにヒーターが付く。ディーゼルエンジンのみの設定(ガソリンは凍らないので)。
ディーゼル燃料は極低温ではゲル状になってしまい、うまく流れなくなる。
ちなみに、軽油は売られている地域によってその凍結温度が違うので、寒冷地に行く場合は現地で軽油入れたほうが良い。凍らなければ、フューエルヒータの必要性もないわけだ。
実際には、長野程度なら非寒冷地仕様の2KD乗ってて、東京の軽油でも一度も困ったことはない。絶対に大丈夫と保証するものではないが、現地で軽油を入れ忘れたからといって、必要以上に慌てる必要もないのだが。
48Rの場合、長野の軽油は高いので、基本東京の安いスタンドの軽油を使用しているのが現状。東北、北海道へ行くなら注意すべきかと思う。
6.リアドアアウトサイドモールディング
スライドドアの外側に「ダサい黒モール」がつく。
最初、白いハイエースとマッチしないから外そうかと思ったけど、実はコレ効果絶大ぃ!!!
前の非寒冷地ハイエースでは、スライドドアが凍って開かないことがしばしばあったのだが、寒冷地仕様のハイエースではそんなことは全くない!
スライドドアが凍ると、もはや女子供の力では開けられず、おっさんが体重かけて力入れてやっと開くレベル。ドアノブ壊れるわい!
これ、あったほうが絶対良い。
7.ステップ&ステップカバー
スライドドアのステップ部にカバーが付く(鉄板剥き出しのDXのみ)。
スーパーGLは樹脂製のステップが最初からついているので、変更なし。
8.リアフォグランプをオプションで選択可能
寒冷地仕様を選ぶと、メーカーオプションで設定できる。
お値段忘れました。ご存知の方いらっしゃいましたら、コメント欄からコッソリ教えてください。
自分は特に必要性を感じなかったので未選択。
ペタっと。こんな感じだそーで。
**2016/11/23追記**
ブログ読者様からコメントいただきましたが、追加オプションにしなくても、リアフォグが付いてくる場合があるそうです。
48Rは付いてなかったので、運なのかな。。
9.ヒーターミラーをオプションで選択可能
寒冷地仕様を選ぶと、メーカーオプションで設定できる。お値段5000円くらい。
雪降る場所に駐車すると、サイドミラーのミラー面にも着雪するのであったほうが良い。
**2016/11/23追記**
ブログ読者様からコメントいただきましたが、追加オプションにしなくても、ヒーターミラーが付いてくる場合があるそうです。
そんなラッキーハイエースがあるとは羨ましい!
10.フロントヒーターにPTC(電熱器)
エンジンが冷えてても、電気の力を借りて温風がでる。
雪山2シーズン目だけど、まだ一回しか使ってない。寒くても、着込んで対応(笑)なくてもよいかなぁと思う。
当然電熱器だからバッテリー食うが、寒冷地仕様はバッテリーが強力(後述)。
11.リアヒーター
サイドトリムにヒーターが付く。
但し、スーパーGLにはもともとリアヒーターが標準装備。
めちゃくちゃ便利で結構活躍する。
とくにリア荷室のベッド下に温風を送り込むので、スノーボード用品やブーツの乾燥に大変都合が良い。
スーパーGL以外は寒冷地仕様にしてリアヒーターが是非ともつけよう。
12.バッテリーがパワーアップ
ガソリン車はバッテリー容量アップ(55D23R(48AH)→80D26R(55AH))
ディーゼルはバッテリーが1個から2個に。(85D26R(55AH)→85D26R(55AH)x2個)
寒いとバッテリー電圧下がるので、バッテリーをパワーアップして対策。特に寒冷地仕様はセルモーターの出力が上がっているのでバッテリーを食う。
とはいえ、「非寒冷地仕様」のハイエース(2KD)でも、-20℃程度ならバッテリー電圧に困ったことはない。
ちなみに、ハイエースのバッテリーは助手席下が標準なのだが、ディーゼル寒冷地仕様なら運転席下に2個目のバッテリーが乗る。非寒冷地仕様ならそのスペースが空いているので、サブバッテリー搭載に最適スペースだ!
余談だが、バッテリーはディーラーで純正を買うより、楽天で高性能バッテリーを買ったほうが、安くて大容量。
最近はバッテリー引き取りサービスもあるので、処理も簡単。
ま、えてしてバッテリーは出先でお亡くなりになることが多いので、ガソリンスタンドで高いバッテリーを買うことになりがちなんだけど(自分はこのパターン。。)できれば5年周期くらいで予防交換したいところ。
高性能バッテリーへの交換ならパナソニックのCAOSが長持ちでオススメ。
ディーゼルの寒冷地仕様の標準バッテリが「85D26R」に対して、パナソニックのCAOSは「125D26R」と1.5倍の性能だ。(「品番の最初の数字」がバッテリー容量。85から125と、かなりの容量アップとなる)
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13.オルタネーターが100Aから130Aに
いわゆる発電機の発電力がアップ。
但し、スーパーGLとガソリンエンジンはもともと130kwなので変更なし。
14.スターター(セルモーター)のパワーアップ
寒いとエンジンの始動性が悪くなるので、パワーアップしたセルモーターでゴリゴリセルを回す。
実際には非寒冷地仕様のハイエース(2KD)でも、-20℃程度なら始動に困ったことはないのだが。
15.スノーモード
ガソリンエンジンのAT車のみの設定。2速発進できる。
前のエンジン比較の記事でも書いたのだが、ガソリンエンジンはやたら1速のギア比が低いので、スタートでグンっと飛び出すようにスタートするので、当然雪道では発進でスリップしやすい。その対策だ。
ワゴン、コミューターのガソリンエンジンには設定ないのは、リアシートなんやらで十分にリア荷重がかかるからと深読み(DXの空荷はリア荷重足りず、雨でも滑る!)
で、結局寒冷地仕様は必要?
自分の経験だと、非寒冷地の2KDハイエースで一番困ったのはスライドドアの凍結くらい。エンジンの始動性や冷却水凍結で困ったこともないし、雪国だからって、何がなんでも必要な装備ではないというのが結論。
特に雪国だけど、それほど気温が下がらない地域ではなおさら必要性が下がるでだろう(北海道内陸とか高山に住んでるとかは別にして)。
とはいえ、お値段30000円程度のアップでこの「変更点の多さ」ですよ。
あればうれしい装備ばかりだし、コストパフォーマンスはめちゃくちゃ高い。
寒冷地に行かなくても、これだけ豪華なら絶対つけたほうが良いです。
後から寒冷地仕様に変更はできないのだから、迷う余地はないです。
ということで結論は、「寒冷地仕様」は中古でハイエース買うならこだわる必要なし(北海道除く)、新車で買うならコスパ高いので絶対寒冷地仕様!
これでキマリです。
寒冷地仕様買う人が気になるスキースノーボード用途のハイエースの使い勝手は別記事でまとめてます。よろしければ、コチラもどうぞ。
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ブログ筆者48Rの場合、トヨタディーラーより40万円も高い査定額でした。
ディーラーの査定だけだと、絶対損します。
他にも「ハイエース」タグで色々と記事書いてます。よろしければ、そちらもどうぞ。