中古で購入したジムニーの整備記録を読むと、前回のオイル交換からそろそろ4,500km。
ハイエースのほうはオイル交換が20,000kmに一回なので毎年車検(商用車は1年ごと車検)のついでにディーラー任せなのだが、ジムニーは車検周期が2年だし、推奨交換距離も短いので久しぶりに自分でオイル交換をやってみた。
さらに今回は純正オイルではなく、評判のすこぶる良いNUTEC ZZ-01に交換。明らかに違いがわかるくらいエンジンがスムーズに回るようになり、さすが高性能オイルと感心した。
オイル交換作業は特に難しい作業はないので、だれでもトライできる内容です。
ジムニーのオイル交換推奨距離はシビア
ジムニーのK6Aエンジンの推奨交換時期はご存知だろうか。
軽ターボで1トンの重量級ボディを走らせるジムニーの推奨交換時期はかなり短い。
ボンネット裏に記載されている推奨交換距離は
JB23ジムニーK6Aエンジンのオイル推奨交換時期
・6ヶ月または5,000kmのどちらか早い方
・シビアコンディションでは3ヶ月または2,500kmどちらか早い方
・指定オイルはスズキエクスターF 5W-30
シビアコンディションについてはHONDAのHPに分かりやすい解説があったので引用させていただく。
こんな走行状況はシビアコンディションです。
目安として下記のいずれかでの走行が走行距離の30%以上の場合、シビアコンディションに該当します。
- 悪路(デコボコ道、砂利道、未舗装路)での走行が多い
- 悪路の目安
- ・運転者の体に衝撃(突き上げ感)を感じる荒れた路面
- ・石をはね上げたり、わだち等により下廻りを当てたりする機会の多い路面
- ・ホコリの多い路面
雪道での走行が多い
- 走行距離が多い(目安:20,000km以上/年)
- 山道、登降坂路での走行が多い(目安:登り下りが多く、ブレーキの使用回数が多い)
- 短距離の繰返し走行が多い(目安:8km/回)
外気温が氷点下での繰り返し走行が多い- 低速走行が多い場合(目安:30km/h以下)
アイドリング状態が多い- ※交換の時期はあくまでも目安です。使用状況により劣化の状態は変わりますので早めの交換をおすすめします。
48Rがやっているブーストアップについても、オイルを劣化させるブローバイガスやスラッジ増加に繋がるのでエンジンにとってはシビア方向なのは間違い無い。
またオイルはエンジン本体だけでなく200,000rpmにも達するターボチャージャーも潤滑している。ターボ車にとってオイルは生命線であり、そのためメーカーのオイル交換サイクルもNA車の半分くらいに設定されている。
今回はブーストアップしてない期間も含めてなので4,500kmまで引っ張ったが、次回からは3,000kmサイクルで交換しようと思う。
(ブーストアップしてなかったらメーカー指定の5,000kmでなんの問題もないと思う)
ジムニーのオイルについて
ジムニーのオイル指定粘度
ジムニーの指定オイル粘度は「5W-30」である。
粘度の読み方を簡単に説明すると、前半の「●W」の部分は低温時の粘度を表していてエンジンの始動性の目安、後半の2桁の数字「-○○」は高温時の粘度を表しており、低ければ燃費性に優れ、高ければエンジン保護に優れている。
購入したオイルはNUTEC ZZ-01
NUTECさんの「ZZ-01 5W-35」を購入。
高温側の粘度が30から35に上がっているが、特に狙ったわけではなく、NUTECさんの安い価格帯のオイルにこの粘度しかなかったからだ。とはいえ、ブーストアップでエンジン負荷は増しているので、エンジン保護のためやや粘度アップでちょうど良いくらいかもしれない。
NUTECさんを選んだ理由は、知り合いの2輪の全日本ロードレースに参戦している方から良いよと紹介されたため。そのチームでは油脂類は全てNUTECを使用しているが、エンジントラブルは全く無いし成績もプライベートチームの中ではピカイチなので、なかなかの説得力である。
やはりレースは走る実験室(by本田宗一郎)と言われるだけあって、極限の状況に追い込まれた環境下は技術を磨き上げる。48Rはそんなメーカーから買いたいと思う(自分の本職もこれに近い感じで、極限環境での経験は超重要というのが身に染みている。痛い目にも何回も遭ったが、、)。
あとでインプレでも書くが、明らかにエンジンの雑音が減ってスーッと回る吹け上がりの良さを体感できた。
NUTEC ZZ-01のレビューを読んでも、オイルだけで性能アップを体感できている人が多い!
ちなみにオイルの性能はほぼ価格と比例する。48Rがレースをしていた頃はレーシングタスクという日本一小さなオイル屋さんの2stオイルを使っていた。価格1Lで8,000円とべらぼうに高いがレースで勝とうと思うと使わざるを得ないという感じだった(まあ、使わずに勝てちゃう速い人もいるんだけど、機材競技は金で解決できる部分は金を使ってしまうのだ。。)→ レーシングタスクとは
値段に比例するとはいえ、オイルメーカーごとにその水準はマチマチであり、その中でも間違いなく性能が高いのは、国内メーカーだとNUTECやhirokoあたりだと思っている。
エンジンコーティングREWITEC Power Shot
オイル交換と同時にエンジンコーティング剤はいかがでしょうか?
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オイル添加剤というとオカルトな匂いがする製品も多いが、これは体感できるくらい良くなった!
ぜひお試し下さい。
ジムニーのオイル交換手順
必要工具
・17mmのメガネ or ソケットレンチ
・(14mmのメガネ or ソケットレンチ←アルミドレンボルトに変更する場合)
・できればトルクレンチ
・交換用ドレンパッキン
・廃油処理ボックス
・オイルジョッキ
・パーツクリーナー
・ウェスorキッチンタオル
【オイルフィルターも同時交換するなら】
・オイルフィルター
・フィルターレンチ
オイルフィルターの交換サイクルはどこを調べても判で押したように「オイル交換2回でフィルター1回交換」と書かれているが、これの根拠になる文献は読んだことない。若干フィルター屋の陰謀のようなものも感じているのだが、素直に従うことにする。
オイルフィルターはフィルターが目詰まりするとリリーフバルブが開いてフィルターを通らずにオイルが流れるようになっているので、リリーフバルブが開いたかどうか、外から判断できると寿命が分かって良いのだが。
また、今回はドレンボルトを純正の鉄ボルトからマグネット付きドレンボルトに交換した。
マグネットで鉄粉を集めることで、少しでもエンジンを労わりたいからだ。価格も650円ほどなので気軽に試せるのが嬉しい。
手順①廃油処理ボックスを組み立てる
廃油処理ボックスで吸収すれば燃えるゴミで出せるので、これは必須。
ジムニーの廃油は3L程度なので、余裕を持って4.5Lのものを用意した。
手順②オイルドレンボルトを外してオイルを抜く
オイルドレンボルトは車の前から見てデフのやや右、ホーシングのやや後ろあたりにある。
まずは17mmのメガネでドレンボルトを緩め、あとは手で上に押さえつかながら緩めていく。
そして最後にオイルがかからないように、素早くボルトを引き抜く!
ここで思い切りが足りないと手にオイルがつくことになる。今回の48Rは久しぶりで思いっきりが足りなかったようで、オイルがかかってしまった(涙)
あとはオイルが排出されるので、しばらく待つ。
手順③オイルドレンボルトの取り付け
オイルドレンのパッキンは毎回交換推奨なので、新品を用意しよう。
毎回交換推奨されているが、実際は多少再利用しても大丈夫だったりする。買い忘れても最悪再利用すれば良いのだが、自己責任で。
(白状すると、レースやった頃は走行1日でミッションオイル交換していたので頻繁にオイル交換していたのだが、1年くらいドレンパッキン使い回していた記憶が。。これも自己責任、自己責任)
今回は前述のマグネット付きアルミドレンボルトに変更。ボルトサイズは純正ドレンボルトの17mmから14mmになる。
オイルドレンボルトの締付トルクは49N・m{500kgf・cm}。
オイルドレンボルトが脱落すると大変なことになるので、しっかりと規定トルクで締めること!
輝く赤いドレンボルト(もぐらないと見えないけど)。
手順④オイルフィルターの交換
オイル交換作業でもっとも嫌いな作業。
フィルターを外したらホーシングにオイルが垂れるからだ。まあホーシングについたオイルはパーツクリーナーで拭けば良いので、オイルフィルターの受けを考えるより、清掃前提で作業する。
オイルフィルターの位置は車の前からのぞいてオイルドレンボルトのやや右側、ホーシングの真上あたりにある。
フィルターレンチは9.5sqの穴が空いているので、適当な工具にセットして作業する。
ドレンボルトからオイルを排出しても、オイルフィルターを外すとけっこうオイルが出てくるので注意。
はい、外れました。
垂れたオイルがホーシングにかかるので、しっかりとパーツクリーナーで掃除すること。
オイルフィルターはAPIOのジムニー専用品を購入。今回はたまたまAPIOで通販する用事があったのでこれを購入したが、ぶっちゃけフィルターなんて汎用品で十分だと思っている。
メリットは赤くてかっこいいというくらい?別に汎用品でもフィルター機能は十分だろう。
デメリットは汎用品の2倍の価格(笑)
組み付け前にオイルフィルターのゴムパッキンに薄くオイルを塗る。
オイルフィルターの締付トルクは、14N・m{140kgf・cm}。トルクレンチがなければOリング接触後、3/4(270°)回転でもOKだ。
14N・mは感覚としてはかなり軽い。短いラチェットで軽く締める程度の感覚かな。
取り付け完了。赤は目立つね(潜り込まないと見えないけど)
手順④オイル補充
必要なオイル量は下記の通り。
ジムニーのオイル必要量
・オイル交換のみ:2.8L
・オイルフィルターも交換:3.0L
オイルは前述のNUTEC ZZ-01 5W-35。
オイル缶とは違い紙パックなので、小さく畳んで燃えるゴミで出せるのは大きなメリット。
オイル容器から直接入れると絶対にこぼすので、オイルジョッキまたは漏斗を利用しよう。
今回はオイルフィルターも交換したので、3Lが規定量。
オイル注入後は3分ほどアイドリングして新しいオイルをエンジンに循環させてからオイル量の確認。
エンジン前方のオイルレベルゲージを引き上げて、綺麗にオイルを吹いてから再度挿入してオイル量を確認する。
ゲージの上の穴と下の穴の間にオイルが付着してればOKだ。
これにてオイル交換は終了。
難しい作業はないのだが、オイルこぼしたり服についたりするとやっかいなので、作業は慎重に。
オイル交換と同時に油温計取り付けがオススメ
ジムニーは油温が上がりやすいので、エンジンオイルの状態把握には油温管理が効果的。
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エンジンの音と振動が静かになり、スーッと回転が伸びていく感覚。吹け上がりのスムーズさが増して、気持ちよく吹け上がるようになった。
ちょっと贅沢して純正ではなく高性能オイルを入れて本当に良かった。マイジムニーも泣いて喜んでいる!
作業自体は特に難しい工程はなく30分程度、誰にでもトライできる内容だ。
オイル交換もお店まかせではなく、考えてオイル銘柄選んで自分でオイル交換すると、さらに愛着が増しますよ。
他にも「JB23ジムニーカテゴリ」で色々ジムニー 記事書いてます。よろしければ、そちらの記事もどうぞ。